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俺様上司の小さな失敗が大きな笑いに変わる瞬間

目次
はじめに——昭和の現場に根付く“俺様上司”の存在
日本の製造業に長く従事していると、“俺様上司”とも呼ばれる自己中心的なリーダーに出会う場面が多々あります。
これは昭和から続く古い体質と現代の多様化する現場がせめぎ合う中で、時代錯誤な管理手法や価値観が根強く残っていることに起因しています。
全てを自分のやり方で進め、部下の意見を受け入れない上司は、失敗の芽を小さなうちに摘み取ることなく、やがてそのミスが“笑い”に転じる瞬間を生み出すことも珍しくありません。
本記事では、「俺様上司」の失敗がどのように現場で起こり、どのようにチームにプラスの転機をもたらしうるか、私自身の経験や業界の動向を交えながら考察します。
俺様上司の特徴とは——なぜ現場から消えないのか
「俺が正しい」が現場を支配する理由
俺様上司が現場に根強く残る背景には、「現場主義」や「職人気質」といった日本のものづくり文化が影響しています。
特に昭和の高度成長期を支えた熟練工や管理職には、現場を知り尽くしたからこそ自分のやり方に絶対の自信を持っているケースが多く見受けられます。
部下の提案や若手のイノベーションよりも“経験則”を優先し、失敗も武勇伝のひとつとして語られがちです。
失敗の責任転嫁とコミュニケーションの断絶
俺様上司のもう一つの特徴は、失敗が起きても自己防衛本能から部下に責任を転嫁したり、原因追究より体裁を守ることに熱心になりがちです。
この姿勢は、現場のコミュニケーション断絶を招き、結果として些細なミスが大きな問題を引き起こす遠因となります。
現場でよくある“俺様失敗”の実例と、その笑える転換点
定例会議の「やらかし」——逆転の発想が生まれる瞬間
ある製造ラインでのエピソードです。
俺様上司が1人で工程改善案を作り、部下に何の相談もなく一斉導入を命じました。
案の定、現場が混乱し想定外のトラブルが続出しましたが、上司は「俺の言ったとおりに動けばうまくいく」と譲りませんでした。
結局、若手リーダーとベテラン現場担当が難航する問題に根気よく取り組み、現場を巻き込んだディスカッションを重ねた結果、元々の工程よりも効率的な新しいやり方を生み出すことに成功。
トラブル続きでピリピリしていたプロジェクトメンバーからは「これも課長の奇策のおかげ?」と、失敗すら笑いに変える前向きな空気が流れるようになりました。
調達購買での「発注ミス」——笑いと気づきの現場改善
私が工場長時代、資材調達部の俺様課長がメーカー指定の部品を大ロットで独断発注したことがありました。
ところが、取引先の製品仕様変更を見逃しており、新型ラインには一切使えない“死蔵品”に。
現場は混乱しましたが、関係部署で出し合ったアイディアで、この部品を応用する新たな活用方法が生まれ、不良在庫の“宝の山”化という一大イベントに発展。
会議では「課長の爆買いが伝説になった」と冗談が飛び交い、組織の「やらかし」に学びを見出す文化が根付くきっかけになりました。
失敗を笑いに変える力——製造業現場のラテラルシンキング
失敗を“許容”する風土の重要性
日本の工場現場では、「ミスは許されない」という無言の圧力が強く存在します。
しかし、これが現場を硬直化し、発想や改善の芽を摘んでしまう大きな原因でもあります。
俺様上司による“失敗”や“やらかし”を単なる笑い話で済ませる余裕と、それを教訓や発見に昇華し合える職場風土が、ラテラルシンキング(水平思考)を促進する土壌となります。
水平思考による現場変革の実践事例
失敗を起点に、「なぜこの問題が起きたのか」「他の分野で役立つアイディアはないか」と柔軟に考えることが大切です。
例えば、製造工程の生産性改善で上司の誤った指示から返品が大量に発生した際、その返品を利用し品質検査手法の新規構築や、検査基準の見直しプロジェクトに活用した事例もあります。
これは、一見無駄な失敗こそ“新たな地平”を拓く起爆剤になるという、現場目線ならではの知恵です。
サプライヤー視点で考える「俺様上司」の行動心理
なぜバイヤーは強硬姿勢を崩さないか
サプライヤーとしてバイヤー(発注側)の行動を観察すると、特に熟年バイヤーほど「俺様」体質が強く出る傾向にあります。
その理由は、自分や会社のリスク回避、交渉優位性、納期の主導権確保、社内体裁保持などに由来します。
もしサプライヤー側が柔軟な提案や問題点の指摘をした場合でも、バイヤーはまず否定から入る“形式的な強さ”を見せがちです。
サプライヤーこそラテラルシンキングで関係を活性化
サプライヤーとして重要なのは、バイヤーの表面上の厳しさや自己中心的な言動に気後れせず、本質的な課題や改善提案を根気強く行うことです。
失敗を乗り越えたエピソードや、笑い話で場を和ませる工夫を取引先担当者との関係づくりに活かしていけば、相手も次第にペースを緩め、ロジカルな改善案を受け入れてくれるようになります。
“俺様失敗”のあとに現れる現場の新しい価値
チーム一体感、勇気ある発言、創造性の発露
俺様上司の失敗を皆で笑いながら乗り越える経験は、現場に新たな一体感を育みます。
部下も「自分の意見を言っていい」「失敗はやり直せば良い」という安心感のもと、挑戦やアイディア出しが活発化します。
また、普段沈黙しがちな若手やサプライヤー担当も勇気を持って発言できる風土が醸成されていきます。
組織風土改革のきっかけに
俺様上司の“小さな失敗”こそ、組織が昭和型管理から脱却し、皆で知恵を合わせる「水平型経営」への転換点になり得ます。
成長の糧として前向きに受け入れ、笑顔で振り返る習慣が次世代の現場力を底上げします。
まとめ——失敗を恐れず、笑いと共に一歩先へ
昭和の製造業現場に今も根付く“俺様上司”の失敗はときに現場の混乱を招きますが、そのエラーを笑いに変える余裕、課題解決の原動力へ転化する知恵が、現場をより強く柔軟に成長させます。
調達購買、生産管理、品質管理、そして自動化推進のどの分野でも、小さな失敗を皆で笑い合える職場こそ、グローバル競争の時代において進化し続ける最大の武器となります。
バイヤーを目指す方、現場で働く方、サプライヤーの皆様も、目の前の小さな失敗を前向きに捉え、ラテラルシンキングで新たな付加価値を創出し、その“笑い”がチームとビジネスをより高次元へ押し上げる好循環を創り出していきましょう。
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