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PP バンド(JIS Z 1527)の指定——幅 12・15.5・19 mm と引張強さ、接合部・掛け方は発注側が決める

この記事のポイント(結論先出し)
梱包・荷締めに使う PP バンド(ポリプロピレン製バンド)は JIS Z 1527 が品質を決めていて、種類は幅で 12 mm・15.5 mm・19 mm の 3 種類、引張強さはそれぞれ 980 N 以上・1 180 N 以上・1 470 N 以上、伸びは 25 % 以下、幅の許容差は ±0.5 mm である[1]。ただし規格が決めているのはバンド単体の強さと幅までで、手で締める軟質のものや、鋼帯の代わりに使う特に強度の大きいものは対象外になっている[1]。締めた後の接合部の強さ、梱包機での使いやすさ、何本をどこに掛けるかは規格に無いので、発注する側が決める。荷崩れ防止として掛けるなら、JIS Z 0650 が角当てとの組合せを含めて方法に挙げており、合否は荷の安定性の試験で確かめる[3]。
目次
「PP バンド掛け」だけでは、何本をどう締めるかが決まらない
部品の入った段ボール箱やパレットの荷を仕入先から受け取るとき、梱包の条件に「PP バンド十字掛け」「バンドで固定」と書くことがある。だが、届いた箱のバンドが緩んでいる、箱の角にバンドが食い込んで潰れている、接合部が外れて荷が崩れている、といったことが起きても、どの幅のバンドを何 N で締めればよかったのかが決まっていなければ、仕入先の不備とは言い切れない。
この記事は、工業製品の出荷梱包で、段ボール箱の結束やパレットの荷締めに使う PP バンドについて、発注する側が何を指定し、受け取るときに何を確かめるかを JIS Z 1527(ポリプロピレン製バンド)に沿って整理する。手芸やかごの材料としての PP バンドの話ではない。パレットに積んだ荷をフィルムで巻く方法はストレッチフィルムの指定で、外箱の強さは段ボール箱の規格と強度の指定で扱った。
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JIS Z 1527 の種類と品質
JIS Z 1527 は、一般包装に用いるポリプロピレン製バンドについて定めた規格で、2002 年改正の版が最新、2022 年 10 月 20 日に確認されている[1]。適用範囲から、農林用・水産用に使われるもの、手結び用の軟質のもの、鉄帯代用の強度が特に大きいものなどは除くとしている[1]。材料は結晶性ポリプロピレンを主体として成形加工を施したものとされる[1]。
種類はバンドの幅で 3 種類に分かれ、品質と寸法は次のように定められている[1]。
| 呼び | 幅 | 幅の許容差 | 引張強さ | 伸び |
|---|---|---|---|---|
| 12 | 12 mm | ±0.5 mm | 980 N 以上 | 25 % 以下 |
| 15.5 | 15.5 mm | ±0.5 mm | 1 180 N 以上 | 25 % 以下 |
| 19 | 19 mm | ±0.5 mm | 1 470 N 以上 | 25 % 以下 |
品質として、バンドは厚さが均一で、割れ、汚れなどの使用上有害な欠陥がないことも求めている[1]。厚さの数値は決めておらず、寸法として決まっているのは幅だけである[1]。同じ「15.5 mm 幅」でも、厚さや断面の形はメーカーの製品ごとに違いうる。
発注書で JIS 品を指定するなら、「JIS Z 1527 ポリプロピレン製バンド 呼び 15.5」のように書けば、引張強さ 1 180 N 以上・伸び 25 % 以下・幅 15.5±0.5 mm が条件になる[1]。包装ごとに種類、製造業者名又はその略号、製造年月又はその略号を表示することになっているので[1]、仕入先に支給する場合も、仕入先が手配する場合も、巻きの表示で種類を確かめられる。
バンドの色や、社名・注意書きの印刷についても、JIS Z 1527 には規定がない[1]。出荷元の識別や、開梱時の注意喚起のために色や印刷を指定するなら、JIS の呼びとは別の条件として書く。色を変えたバンドが同じ品質かどうかは、成績書で引張強さと伸びを確かめてから切り替える。
試験の条件を知っておく
引張強さと伸びの試験は、巻きの末端から 3 m を除いた箇所から長さ 500 mm の試料を 5 個切り取り、温度 23±2 ℃・相対湿度 (50±5) % で 3 時間以上前処置してから行う。つかみ間隔 200 mm、引張速度 200 mm/min で引っ張り、最大引張強さとそのときの伸びを測って 5 個の平均を出す[1]。幅は 5 個の試料の 2 か所ずつ、計 10 か所をノギスで測った平均である[1]。
この条件から分かるのは、規格の引張強さが「標準の温湿度で、まっすぐなバンドを引っ張ったとき」の値だということである。締めたバンドの接合部、箱の角で曲がっている部分、夏の車内や冬の倉庫での強さは、この試験では測っていない。検査も品質と寸法について行うと定めているだけで[1]、締めた状態での性能は規格の外になる。
規格の外にあることは、発注する側が決める
JIS Z 0108(包装-用語)は、バンドを「プラスチック,金属などを所定幅,所定厚さに加工した結束材」と定義し、バンドストッパ又は固定ジグなどを用いて包装の結束などに用いるとしている[2]。帯状の包装材料としてのストラッピングについては、従来は主にスチールを用いていたが、最近ではプラスチック、紙・プラスチック複合材などが主である、と説明している[2]。バンドで内容品を緊締する機械は「バンド掛け機」と呼ぶ[2]。
つまり、バンドの止め方は、金具(ストッパ)で止めるものと、機械で接合するものとがある。どちらの方法で止め、接合部がどれだけの力に耐えるかは、JIS Z 1527 の品質項目には入っていない[1]。バンドそのものが 1 180 N 以上でも、接合部で外れれば荷は崩れる。次のことは、仕入先と決めて梱包仕様書に書いておく。以下は実務の提案である。
1. バンドの種類
JIS Z 1527 の呼び(12・15.5・19)か、規格外品ならその材料と幅・厚さ[1]。
2. 止め方
機械での接合か、金具(ストッパ)か、手締めか。使う機械や金具の種類。
3. 掛け方
本数、掛ける向き(縦・横・十字・井桁など)、箱やパレットのどこに掛けるか。
4. 締める強さ
機械の設定値、又は締めた後に箱が変形しない程度など、確かめられる形で決める。
5. 角当て
箱の角や製品の縁にバンドが食い込むなら、角当てを入れる。
6. 合否の条件
荷崩れ防止として掛けるなら、下の安定性の試験に通ること。
バンドを支給するか、仕入先に手配させるか
自社で使っているバンドと梱包機の条件を仕入先にそろえてほしい場合は、バンドを支給するか、品番まで指定して仕入先に手配させる。仕入先の手配に任せるなら、JIS Z 1527 の呼びで種類を決めておけば、少なくとも幅と引張強さ・伸びの下限はそろう[1]。どちらにしても、使うバンドを変えるときは事前に連絡してもらい、掛け方を確かめ直す。支給する場合の費用や数量の扱いは、梱包資材のほかの支給品と同じように取り決めておく。
荷崩れ防止として掛けるときの合否
パレットの荷をバンドで締める場合、JIS Z 0650 は荷崩れ防止の方法の一つとして「バンド掛け及びひも掛け(角当てとの組合せを含む。)」を挙げ、安定性を試験後に最大平面寸法を超えないことで判定する[3]。試験の手順は JIS Z 0170 にあり(陸上の環境を想定した試験である)[4]、JIS Z 0200 もユニットロードの安定性の試験はこの規格によるとしている[5]。試験の条件と、海上輸送に当てはめない理由はストレッチフィルムの指定で詳しく書いた。バンドの場合に加えて決めておきたいのは、試験のときと同じバンドの種類・本数・位置・締める強さ・角当てで出荷することである。
バンドの幅や本数は、荷の質量だけで計算して決まるものではない。箱の強さ、積み方、輸送の条件で変わるので、試験で合格した掛け方を記録して固定するのが確実である。箱の積み付けやパレットの選び方はパレットのサイズと規格(JIS Z 0601)で扱った。
箱を守るためのバンドが、箱を傷めることもある
段ボール箱を強く締めると、締める力が箱の角に集まり、角が潰れたりバンドが食い込んだりすることがある。JIS Z 0650 はバンド掛けを「角当てとの組合せを含む」形で荷崩れ防止の方法に挙げている[3]。角を守る必要があるなら、角当ての有無と材質も梱包仕様に書く。製品そのものにバンドを掛ける場合(長尺の部品の束など)は、塗装面やめっき面にバンドの跡が付かないか、端部の当たりで傷が付かないかも確かめておく。外観の扱いを受入の基準として決めておくなら外観の合否基準を仕入先と決めるが参考になる。
緩衝材を併用するなら、バンドの力が緩衝材を潰して効き目を落とさないかも見る。緩衝材の厚さと面積の決め方はポリエチレンフォーム緩衝材の指定で、薄い気泡シートを使う場合は気泡緩衝材の指定で扱っている。
受け取るときに確かめること
1. バンドが緩んでいないか、外れていないか
接合部が外れていれば、止め方か締める強さの問題である。どの位置のバンドかを記録する。
2. 箱や製品に食い込んでいないか
角の潰れ、バンドの跡、傷。
3. 荷の外形
パレットの荷が最大平面寸法からはみ出していないか[3]。
4. バンドの種類
JIS 品を指定したなら、巻きの表示で種類を確かめる[1]。仕入先から現物のバンドの残りを見せてもらうのが早い。
写真と、どの箱・どのパレットかを残してすぐ連絡すれば、輸送中の事故か梱包の問題かを切り分けやすい。部品の防錆を同時に指定しているなら防錆紙・気化性防錆剤の指定、繰り返し使う樹脂の箱に切り替えるならプラスチック製通い箱の指定もあわせて見てほしい。
よくある質問
Q. 何 mm 幅のバンドを選べばよいか。
A. JIS Z 1527 は幅ごとの最低の引張強さを決めているが(12 mm で 980 N 以上、19 mm で 1 470 N 以上)[1]、荷に対して何 mm を使うかの選び方は定めていない。箱の強さや荷の質量で変わるので、試験で確かめた掛け方を条件にする。
Q. 強度の大きいバンドを使いたい。JIS Z 1527 で指定できるか。
A. JIS Z 1527 は鉄帯代用の強度が特に大きいものを適用範囲から除いている[1]。そうしたバンドは JIS Z 1527 の種類では指定できないので、材料・幅・厚さ・強さを個別に決める。
Q. バンドの引張強さの成績書をもらえば十分か。
A. 成績書の値は、標準の温湿度でまっすぐなバンドを引っ張った値である[1]。接合部の強さと締めた状態の性能は含まれないので、荷崩れ防止の性能は別に確かめる。
Q. バンド掛けとストレッチフィルムは併用すべきか。
A. JIS Z 0650 は両方を荷崩れ防止の方法として並べており、併用の要否は定めていない[3]。試験で崩れるなら、どちらかを足すか替えて試す。
まとめ
PP バンドは JIS Z 1527 で幅 12・15.5・19 mm の 3 種類に分かれ、引張強さ 980・1 180・1 470 N 以上、伸び 25 % 以下、幅の許容差 ±0.5 mm が決まっている。規格はバンド単体の強さと幅までで、止め方と接合部の強さ、本数と掛け方、締める強さ、角当ては発注する側が決める。荷崩れ防止として掛けるなら、JIS Z 0650 の安定性の条件で合否を確かめ、合格した掛け方を梱包仕様書に固定する。
出典・参考資料
- JIS Z 1527:2002 ポリプロピレン製バンド(JIS 検索の閲覧資料)(日本産業標準調査会/2002 年 8 月 20 日改正・2022 年 10 月 20 日確認)
- JIS Z 0108:2012 包装-用語(JIS 検索の閲覧資料)(日本産業標準調査会/2012 年 3 月 21 日改正・2021 年 10 月 20 日確認)
- JIS Z 0650:2020 ユニットロードシステム通則(JIS 検索の閲覧資料)(日本産業標準調査会/2020 年 12 月 21 日改正・2025 年 10 月 20 日確認)
- JIS Z 0170:1998 ユニットロード-安定性試験方法(JIS 検索の閲覧資料)(日本産業標準調査会/1998 年 3 月 20 日制定・2023 年 10 月 20 日確認)
- JIS Z 0200:2023 包装貨物-性能試験方法一般通則(JIS 検索の閲覧資料)(日本産業標準調査会/2023 年 1 月 20 日改正)
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