ポリ袋(PE袋)JIS Z 1711 の発注——呼び厚さの許容差と、ヒートシール強さ・平袋とU形袋の指定 | newji
製造業の見積・発注クラウド

その単価は妥当か。
AI が根拠付きで分析。

相見積の比較も発注も進捗管理も、ひとつの画面に。

サービス資料をダウンロードPDF・無料/1分で受け取れます

投稿日:2026年10月26日

ポリ袋(PE袋)JIS Z 1711 の発注——呼び厚さの許容差と、ヒートシール強さ・平袋とU形袋の指定

この記事のポイント(結論先出し)

部品や製品を入れるポリ袋(PE 袋)を「0.03 のポリ袋」とだけ書いて発注すると、材料の種類も、厚さのばらつきの許容も、口を閉じたシールの強さも決まらない。JIS Z 1711(ポリエチレンフィルム製袋)は、袋を平袋と U 形袋(ガセット袋)の 2 種類に分け、材料を JIS Z 1702 の 1 種 A・1 種 B・2 種 B に限り、寸法を番号で、厚さを平均と個々の点の 2 段で、シールの強さを厚さと材料ごとの下限値で決めている[1][2]。発注では規格番号・種類・番号(又は寸法)・呼び厚さ・材料の種類を書き、食品に触れるなら食品衛生法の規定への適合を、重い物を入れるなら中身を詰めた状態でのシール強さを、別に条件にする[1][3][5]。この規格は業務用と家庭用の「軽包装袋」が対象で、防湿・帯電防止・さび止めの性能は含まない[1]。

「0.03 のポリ袋」では何が決まらないのか

💡 こうした調達・受発注の属人化、Newji one なら「ひとつの画面」で解決。見積依頼から発注・進捗・承認までAIが下支えします。
サービス資料を見る(無料)→

工場の購買では、部品の小分け、ほこりよけ、組立ラインへの供給、出荷時の内袋として、ポリエチレンの袋(ポリ袋、PE 袋)を大量に買う。注文書には「PE 袋 0.03×200×300」のように厚さと寸法だけが書かれていることが多い。届いた袋が薄く感じる、口のシールが割れて部品がこぼれた、というときに、何を基準に良否を言えばよいのかが決まっていない。

この記事は、工業用途で使うポリ袋(ポリエチレンフィルムを熱で閉じて作った袋)を発注するとき、注文書と仕様書に何を書き、受け取るときに何を確かめるかを、JIS Z 1711 に沿って整理する。家庭のごみ袋や小売のレジ袋の話ではない。袋のもとになるフィルムの種類と強さはストレッチフィルムの指定で JIS Z 1702 を、樹脂としてのポリエチレンの密度区分はポリエチレン HDPE・LDPE の選び方で扱った。湿気から守る袋は防湿包装・アルミバリア袋の指定で、静電気から守る袋は帯電防止袋と静電シールド袋の違いで扱っている。

📄 実務で使うなら — 原価のつかみ方(全 5 章・無料サンプルあり)

JIS Z 1711 の範囲と種類——平袋と U 形袋

JIS Z 1711 は、業務用及び家庭用の軽包装袋として用いるポリエチレンフィルム製の袋を規定した規格である。1994 年の改正が最新で、2025 年 10 月 20 日に確認されている[1]。袋の種類は構造と形状で 2 つに分かれる[1]。

平袋:方形の平らな袋。
U 形袋:ガセット袋。平らにしたチューブの両側に折り目を入れて内側に折り込んだ部分(ガセット)をもつ袋。

U 形袋の幅は、ガセットを広げたときの全体の幅(仕上り幅に折込み幅の 2 倍を足したもの)で表すと決められている[1]。仕入先のカタログが仕上り幅で書いているのか全体の幅で書いているのかで、同じ数字でも袋の大きさが変わる。U 形袋を指定するときは、どちらの幅で書いたかを注文書に添える。

🛠 発注の管理なら — 発注書の作成から送付、進捗の確認までをひとつの画面で行える Newji one(製造業の見積・発注クラウド/サービス資料は無料)

材料にも制限がある。平袋には JIS Z 1702 に規定する 1 種 A・1 種 B・2 種 B の 3 種類を使い、U 形袋は 2 種 B だけとする[1]。JIS Z 1702 は、1 種を比較的柔軟性をもつもの(B は特に耐衝撃性をもつ)、2 種を比較的こわさをもつもの(B は極薄用又は強化用)と分けている[2]。「PE 袋」とだけ書くと、柔らかい袋が来るか、こしの強い袋が来るかは仕入先次第になる。

寸法は番号で呼び、厚さは 2 段で許容する

JIS Z 1711 は、袋の大きさを番号で決めている。主に業務用の平袋は番号 1(幅 70 mm×長さ 100 mm)から番号 20(460 mm×600 mm)まで、主に家庭用の平袋は F-1 から F-30 まで、U 形袋は U-1 から U-6 までで、番号ごとに使える呼び厚さが材料の種類別に表になっている[1]。番号で発注すれば、寸法と厚さの組合せが規格の表のどれかに決まる。表にない寸法を頼むことは当然あるが、その場合は幅・長さ・呼び厚さを数字で書く。

寸法の許容差は次のとおりである(抜粋)[1]。

項目 寸法の範囲 JIS Z 1711 の許容差
幅 120〜200 mm ±4 mm
幅 650〜800 mm ±12 mm
長さ 270〜410 mm ±6 mm
平均厚さ(呼び厚さに対する割合) 呼び厚さ 0.020〜0.045 mm ±9 %
個々の点の厚さ(呼び厚さとの差) 呼び厚さ 0.020 mm ±0.005 mm
個々の点の厚さ(呼び厚さとの差) 呼び厚さ 0.050 mm ±0.009 mm

厚さを 2 段で見るのがこの規格の要点である。平均が呼び厚さに近くても、1 か所だけ極端に薄ければ、個々の点の許容で不合格になる。測り方も決まっていて、袋を広げて口の部分のほぼ等間隔の 4 か所を、口から 5 mm 以上内側で、直径 5 mm の平らな測定子をもつダイヤルゲージ(0.001 mm まで読めるもの)で測り、最大・最小・平均を出す[1]。受入でマイクロメータを当てて「薄い」と言う前に、この測り方で比べる。

呼び厚さ 0.010 mm と 0.015 mm の極薄の袋は、平袋の表で 2 種 B の欄にだけ厚さが載っている。JIS Z 1702 も、この 2 つの厚さを 2 種 B だけに当てはめている[1][2]。「0.01 の柔らかい袋」という注文は、規格の組合せにはない。

シールの強さは、材料と厚さで下限が違う

袋が破れるのは、多くがフィルムの面ではなく口や底を閉じたヒートシール部である。JIS Z 1711 は、ヒートシール強さの下限を呼び厚さと材料の種類ごとに定め、U 形袋のガセット部のシールには平らなシールより高い値を求めている[1]。

呼び厚さ 平シール部 1 種 A 平シール部 1 種 B 平シール部 2 種 B ガセットシール部 2 種 B
0.020 mm 3.14 N 以上 4.51 N 以上 7.85 N 以上 14.12 N 以上
0.030 mm 4.71 N 以上 6.86 N 以上 11.77 N 以上 21.18 N 以上

値は、シール部に直角に切り取った幅 15 mm の短冊を 180° に開いて引張試験機で引き、シール部が破断するまでの最大荷重である。試験速度は毎分 500 mm、試験の温度は 23±2 ℃とし、試験片は辺の長さに応じて 1〜3 個採る[1]。同じ 0.030 mm でも、1 種 A と 2 種 B で求める強さは 2 倍以上違う。厚さだけを書いて材料を書かないと、どの行の値で判定するのかが決まらない。

重い部品を入れるなら、詰めた状態のシール強さを別に決める

JIS Z 1711 のシール強さは、空の袋から切り取った試験片の値である。重い部品や鋭い角のある部品を入れたときに口が持つかは、それだけでは分からない。内容物を詰めてヒートシールした袋の試験方法として、JIS Z 0238(ヒートシール軟包装袋及び半剛性容器の試験方法)がある。この規格は、内容物を詰めた袋の総質量が 20 kg 未満のものに適用し、袋に実際の内容物か類似の内容物を詰めて密封し、通常の使用条件で処理したものを試料にするとしている[3]。

JIS Z 0238 の試験項目は、袋のヒートシール強さ、容器の破裂強さ、落下強さ、耐圧縮強さ、漏えいの 5 つで、袋のヒートシール強さはつかみ間の速度を毎分 300±20 mm として測る[3]。JIS Z 1711 の毎分 500 mm とは速度が違うので、仕入先の試験成績を受け取るときは、どちらの規格の方法で測った値かを確かめる。部品を袋に入れた状態で箱詰めして運ぶなら、包装貨物としての試験は包装貨物の輸送試験 JIS Z 0200 の指定で扱った。

外観・印刷・水漏れ・衛生性

JIS Z 1711 は、袋の外観として、泡・むら・しわ・フィッシュアイ(フィルムに残った小さな粒状の欠点)・異物の混入・ピンホールなどの使用上有害な欠点がなく、形状が均整で切断部の仕上げが良好であることを求めている[1]。性能として、ヒートシール強さのほかに、印刷のある袋の印刷はく離強さ(紙粘着テープで引きはがして印刷の 80 % 以上が残ること)と、水漏れがないこと(穴をあけた袋には適用しない)を定めている[1]。

衛生性は、食品に直接触れて用いる袋について、食品衛生法の規定(昭和 34 年厚生省告示第 370 号)に適合することとしている[1]。食品用の器具・容器包装には、安全性を評価した物質だけを使用可能とするポジティブリスト制度が令和 2 年 6 月 1 日に施行されており、厚生労働省は 2025 年 6 月 1 日以降の制度のページを公開している[5]。食品工場の部品や、食品に触れる器具の部品を袋で受け取るなら、袋の材料についての適合の説明を仕入先に求める。確かめ方は食品に触れる材料を調達するときで扱っている。

規格に入っていない性能は、別の物差しで決める

工場で使う袋には、JIS Z 1711 が想定していない役目を負わせることが多い。そのときは、その役目の物差しを別に書く。

湿気を防ぐ:ポリエチレンの袋も水蒸気を通す。さび止め包装の JIS Z 0303 は、防湿性のある包装材料を、透湿度(JIS K 7129 の条件 3 又は JIS Z 0208 の条件 B で測る)が 15 g/(m2・d) 以下のものとしている[4]。防湿の目的なら厚さではなく透湿度で指定する。

静電気を防ぐ:電子部品の袋は表面抵抗と規格の版で指定する。

さびを防ぐ:金属部品をそのまま袋に入れると、袋の中で結露してさびることがある。包装の方法と記号は出荷時の防錆の指定で扱った。

清浄度を保つ:精密部品で異物の持ち込みを嫌うなら、袋の製造環境や二重袋の扱いを含めて取り決める。部品の清浄度の決め方は部品の清浄度の指定で扱っている。

食品包装用のプラスチックフィルムの通則である JIS Z 1707 も、性能項目(引張・ヒートシール強さ・突刺し強さ・水蒸気透過度など)は箇条 7 の方法で試験したときの項目として表し、その性能値は受渡当事者間の協定とする、という作りになっている[6]。袋に求める性能は、規格の名前を書けば自動で決まるものではなく、どの方法で測ったいくつを求めるかを書いて初めて決まる。

表示と、受入で確かめること

JIS Z 1711 は、袋を損傷のおそれのないように包装し、最小の包装単位ごとに番号又は寸法、数量、製造業者名(又は略号)を表示することとし、業者間の取引では包装単位ごとに、種類、番号又は寸法、数量、材料の種類、製造年月(又は略号)、製造業者名の 6 項目を表示することとしている[1]。業者間の 6 項目がそろっていれば、受け取った袋がどの材料で、いつ作られたかを箱から追える。

検査について規格は、外観・寸法・ヒートシール強さ・印刷はく離強さ・水漏れを検査項目とし、検査は合理的に設計された検査方式で行うとしている[1]。抜取りの方式までは決めていないので、初回にどの項目を何枚見るか、継続ではどの記録を出してもらうかを取り決める。受入検査の組み立て方は受入検査と工程検査の違いで扱った。

注文書と仕様書に書くこと

以下は規格の要求ではなく、発注側の実務としての提案である。

  1. 規格番号と種類「JIS Z 1711 平袋」又は「U 形袋(幅はガセットを広げた全体の幅)」のように書く。
  2. 番号又は寸法規格の番号(例: 番号 13)か、幅×長さを mm で。
  3. 呼び厚さと材料の種類「呼び厚さ 0.030 mm、JIS Z 1702 の 2 種 B」のように、厚さと材料を必ず組で書く。
  4. シールの条件規格のヒートシール強さで足りるか。重い内容物なら、JIS Z 0238 の方法で詰めた状態の強さを条件にする。
  5. 用途で要る性能防湿なら透湿度と測定条件、帯電防止なら表面抵抗と規格の版、食品に触れるならポジティブリスト制度への適合の説明。
  6. 表示業者間の 6 項目(種類・番号・数量・材料・製造年月・製造業者)を包装単位に。
  7. 変更の連絡材料のグレード、製造場所、印刷インキを変える前に知らせること。

よくある質問

Q. 「0.03 mm」の袋を測ったら 0.028 mm でした。不良ですか。
A. 1 点の値だけでは決められない。JIS Z 1711 は口の 4 か所を測り、平均厚さの呼びに対する割合と、個々の点の呼びとの差の両方で判定する[1]。呼び 0.030 mm なら個々の点の許容は ±0.007 mm なので、0.028 mm の 1 点はその範囲に入る。平均が許容に入っているかも見る。

Q. 部品の角で袋が破れます。厚くすればよいですか。
A. 厚さを上げるより先に、材料の種類を見直す。JIS Z 1702 で 1 種 B は特に耐衝撃性をもつものとされている[2]。角の当たる部品なら、緩衝材で角を覆うほうが効くこともある。緩衝材の決め方はポリエチレンフォーム緩衝材の指定で扱った。

Q. 透明な袋とシート状の包材を同じ仕入先で探したい。
A. 袋は JIS Z 1711、シートは別の規格や材料の指定になる。透明な樹脂シートの指定はPET シートの指定で扱っている。

まとめ

工業用途のポリ袋は、JIS Z 1711 で平袋と U 形袋に分かれ、材料は JIS Z 1702 の 1 種 A・1 種 B・2 種 B(U 形袋は 2 種 B だけ)に限られる。発注では規格番号・種類・番号又は寸法・呼び厚さ・材料の種類を組で書く。厚さは口の 4 か所を測って平均と個々の点の 2 段で判定し、ヒートシール強さは厚さと材料ごとの下限で見る。重い内容物は JIS Z 0238 で詰めた状態の強さを、防湿・帯電防止・食品接触は別の物差しで条件にする。

出典・参考資料

  1. JIS Z 1711:1994 ポリエチレンフィルム製袋(JIS 検索の閲覧資料)(日本産業標準調査会/1994 年 7 月 1 日改正・2025 年 10 月 20 日確認)
  2. JIS Z 1702:1994 包装用ポリエチレンフィルム(JIS 検索の閲覧資料)(日本産業標準調査会/1994 年 7 月 1 日改正・2022 年 10 月 20 日確認)
  3. JIS Z 0238:1998 ヒートシール軟包装袋及び半剛性容器の試験方法(JIS 検索の閲覧資料)(日本産業標準調査会/1998 年 12 月 20 日改正・2023 年 10 月 20 日確認)
  4. JIS Z 0303:2009 さび止め包装方法通則(JIS 検索の閲覧資料)(日本産業標準調査会/2009 年 3 月 20 日改正・2023 年 10 月 20 日確認)
  5. 食品用器具・容器包装のポジティブリスト制度について(2025年6月1日以降)(厚生労働省)
  6. JIS Z 1707:2019 食品包装用プラスチックフィルム通則(JIS 検索の閲覧資料)(日本産業標準調査会/2019 年 1 月 21 日改正・2023 年 10 月 20 日確認)

部品・製品の生産先を、包装と出荷の形まで含めて探すとき

newji の OEM/ODM 生産は、品質要求・数量・納期・コストをもとに国内外のサプライヤーネットワークから生産先を選び、試作で検証してから量産に進む製造委託のサービスです。樹脂成形品は梱包などの出荷形態まで、組立・検査・倉庫の領域では梱包や出荷代行もご相談いただけます。

OEM/ODM 生産について見る

WHITE PAPER

この記事の理解を深める
無料ホワイトペーパーをプレゼント

製造業の現場で使える実務資料(PDF)を無料でお届けします。"こんな資料が届きます" ↓ 下のボタンからどうぞ。

FREE DOCUMENT — サービス資料(PDF・無料)

見積依頼から比較まで、
ひとつの画面にまとめる方法

Newji one は、製造業の調達・受発注に特化したクラウド/AIエージェント。見積依頼・発注書作成・進捗管理・承認をひとつの画面に集約し、AIが比較と異常検知を担当。最後の「GO」だけ人が押す仕組みです。

  • 見積〜発注〜納期を一元管理。催促・転記のムダをゼロに
  • AIが相見積もり比較と異常検知。あなたは判断だけに集中
  • 取引先は「招待」で完全無料。自社コストだけで取引先ごとデジタル化

※ 取引先から招待された企業様は完全無料でご利用いただけます

𝕏NEWJI総研は、調達・品質・設計の知識を X でも発信しています — @newji_souken をフォロー

NEWJI総研

購買・調達や設計・品質の実務を、
研修テキストと実務書式にまとめています。
無料サンプルで中身を確かめられます。

NEWJI総研の資料を見る

OEM/ODM 生産委託

アイデアはある。作れる工場が見つからない。
試作1個から量産まで、加工条件に合わせて最適提案します。
短納期・高精度案件もご相談ください。

加工可否を相談する

AI/DX支援

見積・発注、紙・FAX、品質記録など、
人に頼って回っている業務を、AIと仕組みで回る形に。
まずは無料でご相談ください。

AI/DX支援を見る

見積・発注クラウド Newji one

受発注が増えるほど、入力・確認・催促が重くなる。
受発注管理を“仕組み化“して、ミスと工数を削減しませんか。
見積・発注・納期まで一元管理できます。

機能を確認する

You cannot copy content of this page