投稿日:2024年8月9日

モータ・ドライバ & ゲート・ドライバの選定と製造業での利用方法

はじめに

製造業における自動化の進展とともに、モータ・ドライバおよびゲート・ドライバは重要な役割を果たしています。
これらのドライバは、各種モータの効率的な制御や、電力変換デバイスのスイッチングに欠かせない要素です。
この記事では、モータ・ドライバとゲート・ドライバの選定方法および、実際の工場での利用方法について詳しく説明します。

モータ・ドライバとは?

モータ・ドライバは、モータの運転を制御するためのデバイスです。
具体的には、モータに供給する電流や電圧を調整し、回転速度や方向を制御します。

種類と基本原理

モータ・ドライバには、以下のような種類があります。

– DCモータ・ドライバ
– ステッピングモータ・ドライバ
– ブラシレスDCモータ(BLDCモータ)・ドライバ

それぞれのモータ・ドライバには特有の制御方式がありますが、共通しているのは、モータの動作を最適に制御するためにパワーエレクトロニクス技術が使われる点です。

モータ・ドライバの選定基準

モータ・ドライバを選定する際の重要な基準には、以下の点が挙げられます。

モータの種類とスペック

まず、使用するモータの種類とスペックを確認することが大切です。
DCモータ、ステッピングモータ、ブラシレスDCモータなど、各モータに対応するドライバを選びます。
加えて、モータの定格電圧、電流、トルクなども確認する必要があります。

制御方式

制御方式も重要です。
例えば、DCモータの場合、PWM(パルス幅変調)制御方式が一般的ですが、ステッピングモータやBLDCモータは異なる制御方式を使用します。
用途に応じて適切な制御方式を選びましょう。

通信インターフェース

最近のモータ・ドライバは多くの場合、通信インターフェースを備えています。
例えば、RS-485、CAN、UARTなどのインターフェースがあります。
これらのインターフェースにより、ドライバの設定やモニタリングが容易になります。

工場でのモータ・ドライバ利用方法

モータ・ドライバは工場の自動化システムに広く利用されています。

生産ラインでの利用

組立ラインや搬送システムなどで、モータ・ドライバは部品や製品の移動を正確に制御します。
特に高精度のステッピングモータ・ドライバやBLDCモータ・ドライバが使用されます。

ロボティクス

工場内で使用される産業用ロボットにも、複数のモータ・ドライバが組み込まれています。
これにより、ロボットの腕や関節の動きを精密に制御し、複雑な作業を自動化します。

ゲート・ドライバとは?

ゲート・ドライバは、主にパワーエレクトロニクス装置において、半導体スイッチを駆動するためのデバイスです。
例えば、MOSFETやIGBTなどのトランジスタのゲートに適切な信号を供給し、スイッチング動作を最適化します。

種類と基本原理

ゲート・ドライバには、以下の種類があります。

– 誘導結合タイプ
– 直接結合タイプ
– トランス結合タイプ

それぞれのタイプにより、駆動電流や絶縁の有無、応答速度などの特性が異なります。

ゲート・ドライバの選定基準

ゲート・ドライバを選定する際の重要な基準についても確認しましょう。

駆動電圧と電流

対象となるスイッチングデバイス(例えばMOSFETやIGBT)に適した駆動電圧と電流を確認します。
これは、デバイスのスイッチング性能を最大限に発揮させるために重要です。

絶縁性能

多くのゲート・ドライバは、パワー回路と制御回路を絶縁するための機能を持っています。
絶縁性能が高いほど、安全性が高くなります。

応答速度

高速なスイッチングを実現するためには、ゲート・ドライバの応答速度も重要です。
遅延が少ないデバイスを選ぶことで、効率的な電力変換が可能になります。

工場でのゲート・ドライバ利用方法

ゲート・ドライバは電力変換装置やモータ制御装置に広く利用されています。

インバータ装置

インバータ装置は、交流電力を直流電力に変換したり、その逆を行います。
これにより、工場内で電力の質を保ちつつ、効率的なエネルギー利用が実現します。
ゲート・ドライバは、インバータ装置のスイッチングデバイスを最適に制御し、変換効率を向上させます。

太陽光発電システム

太陽光発電システムでは、直流出力を交流に変換する際にゲート・ドライバが使用されます。
高効率の電力変換が期待されるため、高性能なゲート・ドライバが求められます。

モータ制御装置

産業用機械におけるモータ制御装置でも、ゲート・ドライバは不可欠です。
例えば、CNC機械やレーザーカッターなどで、高精度かつ高速な制御が可能になります。

最新技術動向

モータ・ドライバおよびゲート・ドライバの分野では、最近の技術進展が著しいです。

シリコンカーバイド(SiC)とガリウムナイトライド(GaN)

SiCやGaNは、従来のシリコンに比べて高効率で高温耐性がある素材です。
これらの素材を用いたデバイスは、高周波のスイッチングや低損失な電力変換が可能です。

機械学習とAIの活用

モータ・ドライバやゲート・ドライバの動作を機械学習やAIで最適化する技術も進んでいます。
これにより、予測保守や異常検知が可能となり、運用効率がさらに向上します。

まとめ

モータ・ドライバおよびゲート・ドライバは、製造業の自動化と効率化において欠かせない要素です。
選定時にはモータの種類、制御方式、通信インターフェース、駆動電圧や絶縁性能などを慎重に確認することが重要です。

また、最新技術にも目を向けることで、さらなる効率化と高性能化が可能になります。
製造現場の技術者や管理者にとって、これらのデバイスを適切に選び、運用することは、生産性向上とコスト削減の鍵となります。

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