投稿日:2024年9月21日

絶対位置エンコーダと増分型エンコーダの違い

はじめに

製造業の現場では、さまざまなセンサやエンコーダが使われています。
その中でも位置情報を取得するために用いられるのが「絶対位置エンコーダ」と「増分型エンコーダ」です。
今回は、これら二つのエンコーダの違いについて詳しく解説し、その特性や用途、最新技術動向について紹介します。

絶対位置エンコーダとは

概要

絶対位置エンコーダは、機器の位置情報を正確かつ一意に取得できるデバイスです。
機械の初期位置からの変位ではなく、エンコーダが常に具体的な位置を示します。

原理と構造

絶対位置エンコーダは、一つ一つの位置に固有のコードパターンが割り当てられています。
これにより、電源を切って再起動しても、常に正確な位置情報を提供できます。

メリット

絶対位置エンコーダの主なメリットとしては、リセット後も正確な位置情報を保持すること、大きな回転数でも高精度が保たれること、干渉やノイズに強いことなどが挙げられます。

増分型エンコーダとは

概要

増分型エンコーダは、ある地点からの相対的な位置変位を計測するデバイスです。
エンコードディスクの動きを検知し、その変位をパルスとして出力します。

原理と構造

増分型エンコーダは、ディスクに設けられたスリットを透過する光の変化を検知します。
光センサがこれらのパルス信号をカウントし、これに基づいて位置変位を計算します。

メリット

増分型エンコーダの主なメリットは、構造が比較的簡単であること、コストが低いこと、高速な動作でも適用できることです。

絶対位置エンコーダと増分型エンコーダの比較

精度の違い

絶対位置エンコーダは初期設定から正確な位置情報を保持するため、高精度が求められる用途に適しています。
一方、増分型エンコーダはパルスをカウントする方式であり、再起動時に位置情報が失われる可能性があります。

コストの違い

増分型エンコーダは設計がシンプルで、製造コストが低く済みます。
そのため、コストが重要な要素である場合には、増分型エンコーダが選ばれることが多いです。
逆に、絶対位置エンコーダは精度と信頼性を重視するため、コストが比較的高いです。

用途の違い

絶対位置エンコーダは、ロボティクスやCNCマシンなど、位置精度が極めて重要な分野での利用が一般的です。
増分型エンコーダは、搬送装置や各種ベルトコンベアなど、相対位置の変位が重要な用途で広く使われます。

最新技術動向

絶対位置エンコーダの進化

最近では、光学型だけでなく、磁気式やインダクティブ式の絶対位置エンコーダも登場しています。
これらの技術革新により、エンコーダの耐環境性や信頼性が向上し、多くの現場で採用されています。

スマートエンコーダの登場

インダストリー4.0の先進的な考え方に基づき、スマートエンコーダと呼ばれるIoT対応製品が増えています。
これにより、リアルタイムでのデータ収集や解析が可能となり、エンコーダのパフォーマンスが一層向上します。

ハイブリッド型エンコーダ

絶対位置と増分型の特性を併せ持つハイブリッド型エンコーダも登場しています。
これにより、両者のメリットを一つのデバイスで享受できるようになり、用途がさらに広がっています。

まとめ

絶対位置エンコーダと増分型エンコーダは、それぞれに特化した特性を持ち、用途によって使い分けることが重要です。
絶対位置エンコーダは高精度で信頼性が求められる場面で、増分型エンコーダはコスト効果が重要な場面で特に有効です。
最新技術の導入により、これらのエンコーダはますます高性能化しており、今後も製造業の発展に寄与していくことでしょう。

読者の方々には、それぞれのエンコーダの特性を理解し、適切な選択をすることで、現場での生産性向上を目指していただきたいと考えています。

資料ダウンロード

QCD調達購買管理クラウド「newji」は、調達購買部門で必要なQCD管理全てを備えた、現場特化型兼クラウド型の今世紀最高の購買管理システムとなります。

ユーザー登録

調達購買業務の効率化だけでなく、システムを導入することで、コスト削減や製品・資材のステータス可視化のほか、属人化していた購買情報の共有化による内部不正防止や統制にも役立ちます。

NEWJI DX

製造業に特化したデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現を目指す請負開発型のコンサルティングサービスです。AI、iPaaS、および先端の技術を駆使して、製造プロセスの効率化、業務効率化、チームワーク強化、コスト削減、品質向上を実現します。このサービスは、製造業の課題を深く理解し、それに対する最適なデジタルソリューションを提供することで、企業が持続的な成長とイノベーションを達成できるようサポートします。

オンライン講座

製造業、主に購買・調達部門にお勤めの方々に向けた情報を配信しております。
新任の方やベテランの方、管理職を対象とした幅広いコンテンツをご用意しております。

お問い合わせ

コストダウンが利益に直結する術だと理解していても、なかなか前に進めることができない状況。そんな時は、newjiのコストダウン自動化機能で大きく利益貢献しよう!
(Β版非公開)