投稿日:2024年9月25日

抄紙機の操作法:ダイカットとその使い分け

序章:抄紙機とは

抄紙機は、紙製品の製造プロセスにおいて重要な役割を果たす機械です。
この機械は、湿った繊維質の材料をシート状に成型し、そのシートを乾燥させて強固な紙を作り上げます。
現代の抄紙機は高度に自動化され、高品質の紙製品を効率よく生産できるよう設計されています。

この記事では、抄紙機の基本的な操作法にフォーカスし、特に「ダイカット」という工程に注目します。
抄紙機の操作法を理解することで、生産性の向上や品質管理の向上が期待できます。

抄紙機の基本操作

用材料の投入

抄紙機の操作は、まず用材料の投入から始まります。
一般的には、木材パルプや再生紙パルプが使用されます。
これらの材料を水と混ぜ合わせ、スラリー状にします。
次に、このスラリーを均一に流し込むためのフローボックスへと送ります。
フローボックスはスラリーを均等にシート状に成型するための重要な装置です。

ウェブ形成

スラリーはフローボックスからワイヤーパートへ移動します。
ここで、繊維が絡み合いながらウェブ(紙のシート)が形成されます。
この過程では、独自のテンションや速度調整が重要で、適切に設定されていない場合、品質に影響を与える可能性があります。

プレスと乾燥

ウェブが形成された後、プレス部門で余分な水分を取り除きます。
その後、多段階にわたる乾燥シリンダーを通じて、ウェブを乾燥させます。
乾燥シリンダーの温度や速度管理は、製品の強度や質感に直接影響を与えるため、非常に重要です。

ダイカット:基本的な概念

ダイカットとは、紙や薄い材質のシートに対して特定の形状やサイズに切り取る工程のことを指します。
この工程は多様な形状の紙製品を作成するために非常に重要です。
例えば、名刺、パッケージング材、ラベルなど、私たちの日常生活で使用される多くの紙製品がダイカット技術を用いて作られています。

ダイカットの種類

ダイカットには以下のような種類があります:

1. フラットベッドダイカット:この方法では、平らな刃を使用して紙を切ります。高精度なカットが可能ですが、スピードは他の方法に比べて遅くなります。

2. ロータリーダイカット:この方法では、シリンダー状の刃が回転しながら紙を切り取ります。高いスピードで大量生産が可能ですが、フラットベッドほどの精度は期待できないことが多いです。

3. レーザーダイカット:レーザーを使って紙や他の材料をカットします。非常に高精度で、複雑な形状のカットも可能です。しかし、コストが高くなりがちです。

ダイカット工程の操作法

準備と設計

ダイカットを行う前に、まず切りたい形状のデザインを準備します。
これはCADソフトウェアを使用して正確な寸法と形状を設定することが一般的です。
デザインが完成したら、ダイカット機の設定を行います。
刃の種類、圧力、速度などのパラメータを適切に設定することが重要です。

材料のセットアップ

次に、紙または他の材料をダイカット機にセットします。
材料がしっかりと固定され、動かないように注意深くセットします。
この段階でズレが生じると、最終製品の品質に大きな影響を与えることがあります。

試運転と調整

すべての設定が完了したら、まず試運転を行います。
試運転によって、設定が正確に行われているか、実際のカットが予定通りに行われるかを確認します。
この段階で問題が発生した場合は、再度設定を見直し、修正を行います。

本生産

試運転が成功したら、本生産に入ります。
本生産中も定期的に製品をチェックし、品質に問題がないか確認します。
必要に応じて微調整を行い、安定した品質を維持します。

ダイカットの使い分け

ダイカットの方法やパラメータ設定は、製品の種類や生産量に応じて使い分けることが重要です。

小ロット生産の場合

小ロット生産では、フラットベッドダイカットが適しています。
高精度なカットが求められるため、製品の品質が重視されます。
コストはやや高くなりますが、品質を重視する場合には価値があります。

大量生産の場合

大量生産の場合は、ロータリーダイカットが適しています。
スピードが速く、大量の製品を効率的に生産することが可能です。
精度はやや劣ることがありますが、コストパフォーマンスに優れています。

特殊な形状や高精度が必要な場合

特殊な形状や高精度なカットが求められる場合には、レーザーダイカットが最適です。
複雑なデザインや非常に高い精度のカットが可能ですが、コストは高めです。

最新の業界動向

近年、ダイカット技術は急速に進化しています。
特に、自動化技術やAI(人工知能)の導入が進んでおり、効率や精度の向上が図られています。

自動化とAIの導入

多くの製造業者が自動化とAIを導入することで、ダイカット工程の効率化を図っています。
AIは、設定の最適化や予防保全のためのデータ分析を行い、生産性の向上に寄与しています。

環境への配慮

環境への影響を減らすために、再生可能な材料や環境に優しいインクの使用が増えています。
また、廃材のリサイクルや廃棄物削減の取り組みも進んでいます。

まとめ

ダイカットは、現代の製造業において不可欠な工程です。
抄紙機の基本操作とダイカットの方法・使い分けを理解することで、生産性と品質を向上させることができます。
さらに、最新の業界動向を取り入れることで、競争力を維持し、環境にも配慮した生産を行うことが可能です。

製造業の現場で培った知識と経験を活かし、これからも高品質な製品作りに貢献していきましょう。

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