製造業の購買担当者がAIにかわることってあり得るの?
製造業にとって、サプライチェーンのレジリエンス(振盪性)は、今後ますます重要性を増していく課題だと思います。
世界的な物流網の大規模な混乱からサイバー攻撃、自然災害など、サプライチェーンが破断する危険性に直面しているのが現状です。
グローバル調達を行う製造業では、世界各国から必要な部品や材料の調達を行っています。
しかし、遠隔地からの調達はコスト面では有利ですが、配送遅延や品不足などのリスクも高まります。
COVID-19パンデミックに起因する世界的な製品不足は、サプライチェーンの脆弱性を露呈させました。
サプライチェーンのレジリエンスを高める主な方法の1つが、調達元を多様化することです。
同一地域、同一供給元に依存し過ぎると、1か所で問題が発生した時に影響が大きくなります。
異なる国や地域から調達できる物品は、可能な限り多岐にわたるように構成する必要があります。
加えて、在庫管理も重要です。
必要最小限の在庫ではなく、十分な在庫を持つことで、一時的な供給停止にも耐えられる柔軟性が得られます。
在庫コストは増加しますが、生産停止コストを回避できます。
在庫情報の共有と可視化も調達元との信頼関係向上につながります。
さらに、必要に応じた代替調達先の事前検討も望ましいでしょう。
通常の調達先で何らかの理由で納入不能となった場合に、短期間で代替調達が可能なバックアップ体制を構築しておくことで、納期遅延リスクを低減できます。
デジタル化もレジリエンス向上に役立ちます。
ブロックチェーンやIoTを活用したトレーサビリティシステムでは、製品の素材、生産工程、輸送状況を追跡監視可能になります。
サプライチェーンに異常が見られ次第、関係者に早期警報を発して対応策を検討できるのでしょう。
以上の tactics を組み合わせることで、製造業のグローバルなサプライチェーンは、未知のショックにも柔軟に対応できるレジリエントな仕組みを構築できると考えられます。
サプライチェーンの強靭さは、今後一層重要性を増す傾向にあると思われます。
調達購買業務の効率化だけでなく、システムを導入することで、コスト削減や製品・資材のステータス可視化のほか、属人化していた購買情報の共有化による内部不正防止や統制にも役立ちます。