ＤＲＢＦＭ・ＦＭＥＡの基礎とトラブル未然防止での効果的な活用法

はじめに

製造業において、製品の品質を確保し、トラブルを未然に防ぐための手法は数多く存在します。
その中でも、デザインレビュー・ベースド・オン・フェイリア・モード（DRBFM）とフェイリア・モード・エフェクト・アナリシス（FMEA）は、リスクを評価し、潜在的な問題を予測するための代表的な手法です。

この記事では、DRBFMとFMEAの基本的な概念を解説し、製造現場でどのように効果的に活用できるかについて詳しく探ります。
製造業に携わる方々やバイヤーを目指す方々にとって、これらの手法がどのようにビジネスの改善につながるのかについて知識を深める機会となれば幸いです。

DRBFMの基礎

DRBFMとは何か

DRBFM（Design Review Based on Failure Mode）は、トヨタ自動車が開発したリスク評価手法の一つです。
この手法は、設計変更や新規開発の際に潜在的な問題を特定し、未然に防ぐことを目的としています。
DRBFMは、チームが集合知を活用して潜在的な故障モードを洗い出し、これに対する対策を講じるプロセスです。

DRBFMの進め方

DRBFMのプロセスは、主に以下のステップで構成されます。

1. **変更点の明確化**: 設計の変更点を明確にし、それがどのような影響を及ぼすかを評価します。
2. **潜在故障モードの特定**: 変更が引き起こす可能性のある故障モードを特定します。この段階では、現場での経験や知識を最大限に活用します。
3. **対策の検討と実施**: 特定された故障モードに対する対策を検討し、実行します。
4. **フォローアップ**: 実施した対策の効果を確認し、必要に応じて修正を行います。

このプロセスを通じて、設計変更が確実に製品の品質向上につながるようにします。

FMEAの基礎

FMEAとは何か

FMEA（Failure Mode and Effects Analysis）は、製品やプロセスにおける故障モードを識別し、その影響を評価するための手法です。
FMEAは、1950年代にアメリカ軍によって開発され、現在ではさまざまな業種で広く利用されています。

この手法は、製品の設計や製造プロセス内の潜在的な問題を予測し、重大な問題に発展する前に適切な対応を取ることを目的としています。

FMEAの実施プロセス

FMEAは以下のステップで実施されます。

1. **システムの理解**: 対象となるシステムまたはプロセスを詳細に理解します。
2. **故障モードの特定**: システム内のすべての要素について、発生し得る故障モードを特定します。
3. **原因と影響の評価**: 各故障モードの原因を分析し、その影響を評価します。ここで、重要度、発生可能性、検出可能性の3つの視点で評価します。
4. **リスク優先度数（RPN）の計算**: 重要度、発生の可能性、検出可能性に基づき、リスク優先度数を計算します。
5. **是正措置の検討**: RPNの高い項目について、是正策を検討し、実行します。

FMEAを通じたリスク管理により、トラブルの予防が可能になります。