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投稿日:2024年9月12日 | 更新日:2026年5月6日

表面実装技術(SMT)とスルーホール技術(THT)の違い

はじめに

表面実装技術(SMT)とスルーホール技術(THT)は、電子機器の製造プロセスにおいて重要な役割を果たしています。
それぞれの技術には独自の利点と課題があり、適切に使い分けることで製品の品質や生産効率が向上します。
本記事では、SMTとTHTの違いを詳しく解説し、どのような場面でどちらの技術が適しているのかについても考察します。

表面実装技術(SMT)は電子部品をプリント基板の表面に直接ハンダ付けする方式で、小型化・高密度実装・高速自動生産に優れます。一方スルーホール技術(THT)はリード線を基板の穴に挿入して固定する方式で、機械的強度と信頼性が高く、大電流部品や修理性が求められる用途に適します。両者を組み合わせるハイブリッド実装も主流です。

表面実装技術(SMT)とは

SMTの概要

表面実装技術(Surface-Mount Technology: SMT)は、電子部品をプリント基板(PCB)の表面に直接取り付ける方法です。
この技術は、電子機器の小型化や高性能化に大きく貢献しています。
SMTでは、リード線を使わずに部品を基板に固定するため、プロセスが簡便化され、高速化が可能です。

SMTのメリット

1. 小型化:
SMTは部品を基板の表面に直接取り付けるため、基板の両面を有効に活用できます。
これにより、電子機器全体の小型化が実現します。

2. 高密度実装:
小型の部品を密に配置できるため、回路の複雑化や機能追加が容易になります。

3. 高速生産:
リード線が不要なため、自動化が進みやすく、大量生産に適しています。
SMTラインは高速で動作するため、生産効率が非常に高いです。

SMTの課題

1. 修理の難しさ:
部品が小さく、密に配置されているため、故障時の修理が難しい場合があります。

2. 高精度な設備の必要性:
微細な部品を正確に配置するためには、高精度な装置と技術が必要です。
初期投資が大きくなることがあります。

SMT・THT・ハイブリッド実装の比較

観点 SMT THT ハイブリッド実装
小型化・高密度 ◎ 表面に直接実装でき両面活用も可能 △ 穴あけと両面占有で小型化に限界 ○ 主要部はSMTで小型化を確保
生産効率・コスト ◎ 自動化が進み高速・低コスト △ 手作業が多く速度・コスト面で不利 ○ SMT中心に自動化しつつ要所をTHT
接続信頼性・耐振動 △ 表面接続のため衝撃に弱い面がある ◎ リードが基板を貫通し物理的に強固 ◎ 重要部のみTHTで高信頼性を確保
大電流・高出力対応 △ 微小部品中心で大電流には不向き ◎ 大電流部品にも余裕で対応可能 ○ パワー部にTHTを併用して対応

スルーホール技術(THT)とは

THTの概要

スルーホール技術(Through-Hole Technology: THT)は、電子部品のリード線をプリント基板の穴に挿入し、基板の裏側でハンダ付けをする方法です。
この技術は、長い歴史を持ち、信頼性の高い接続を保証します。

THTのメリット

1. 高信頼性:
リード線が基板を貫通しているため、物理的に強固な接続が得られます。
振動や衝撃に強いです。

2. 修理の容易さ:
部品が大きく、アクセスしやすいため、故障時の修理や交換が簡単です。

3. 電力取扱い能力:
THTは大きな電流を流す部品にも対応できるため、高出力のデバイスに適しています。

THTの課題

1. 基板設計の制約:
基板に多数の穴を開ける必要があるため、設計の自由度が低くなります。
部品が基板の両面にわたる場合、複雑な層構造が必要です。

2. 低生産効率:
SMTに比べて生産速度が遅く、自動化も難しいため、大量生産には向いていません。

調達バイヤーが押さえるポイント

用途と数量で工法を見極めることが重要です。民生・量産品はSMT中心、産業機器や車載の高信頼性領域はTHT併用を前提に、ライン能力・検査体制・修理対応まで含めてサプライヤーを評価しましょう。

SMTとTHTの比較

小型化と高密度実装

SMTは、基板の表面を有効に活用するため、小型化と高密度実装が可能です。
一方、THTは部品が大きく、基板の両面を使うため、小型化には限界があります。

生産速度とコスト

SMTは自動化が進んでいるため、生産速度が速く、コストも削減できます。
THTは手作業が多く含まれるため、生産速度が遅くなり、コストも高くなります。

信頼性と修理

THTはリード線が基板を貫通しているため、物理的に強固で信頼性が高くなります。
修理も容易です。
一方、SMTは非常に小さい部品を使うため修理が難しくなりますが、高性能な機器には欠かせません。

最新技術動向

ハイブリッド実装技術

最近では、SMTとTHTの両方を組み合わせたハイブリッド技術が注目されています。
これにより、両方の技術の長所を活かし、短所を補うことができます。
例えば、高信頼性が必要な部分にはTHTを、その他の部分にはSMTを使用することで、全体の性能や信頼性を向上させることができます。

自動化とAIの導入

生産現場では、AIやIoT(モノのインターネット)を活用した自動化が進んでいます。
特にSMTの分野では、AIによる部品の検査や配置の最適化が行われており、人間の手を借りずに高精度な作業が可能です。

サプライヤーの技術差別化ポイント

高精度マウンター・リフロー条件最適化・AOI/X線検査に加え、SMTとTHTを同一ラインで処理できるハイブリッド実装力と、AI活用による検査自動化・歩留まり改善が差別化の鍵です。

よくある質問(FAQ)

Q. SMTとTHTはどう使い分けますか?

A. 小型化・高密度・量産性を重視する民生機器はSMT、振動や衝撃に強く大電流を扱う産業機器・電源部品はTHTが適します。両者を併用するハイブリッド実装も有効です。

Q. SMTのデメリットは何ですか?

A. 部品が小型で密集しているため修理や手直しが難しく、微細部品を正確に配置するための高精度装置が必要で初期投資が大きくなる点が課題です。

Q. THTが今も使われる理由は?

A. リードが基板を貫通することで機械的に強固な接続が得られ、大電流部品にも対応でき、修理・交換も容易なため、信頼性重視の用途で現役です。

Q. ハイブリッド実装とは何ですか?

A. 同一基板上でSMTとTHTを併用する手法です。高信頼性が必要な箇所はTHT、それ以外はSMTとすることで、性能と信頼性を両立できます。

📁調達現場の事例実務メモ — newji 調達購買の現場より

弊社のソーシング現場では、電子基板を伴う新製品の量産相談が年々増えており、特に IoT 機器やクラウドファンディング発の小ロット案件では、SMT を中心とした実装ラインを柔軟に組めるメーカー選定が成否を分ける場面が多い。一方で、国内の新興 OEM 商社には製造技術はあっても企画アイデアの蓄積が不足しがちで、海外の新興メーカーの中には優れた基板設計と実装ノウハウを備えた『原石』が稀に眠っている、という観察も弊社で扱った案件群から見えてきた。両者を実装方式の選定段階からブリッジできないと、量産直前で工法と仕様が噛み合わず手戻りになる事例も散見される。

弊社では SMT/THT の選定を単なる工法比較で終わらせず、企画段階から国内外メーカーの強みや挑戦風土を掛け合わせ、量産まで一気通貫で見渡す視点を持って関わるよう心がけている。再考の余地は常に残したい。

同じ課題でお悩みの方は newji にご相談ください

まとめ

表面実装技術(SMT)とスルーホール技術(THT)は、それぞれ異なる特性を持ち、電子機器の製造において重要な役割を果たしています。
SMTは小型化と高密度実装に優れ、高速で自動化された生産が可能ですが、修理が難しいという課題があります。
一方、THTは信頼性が高く修理が容易ですが、生産効率が低いです。
最新の技術動向では、これらの技術を組み合わせたハイブリッド実装やAIによる自動化が進展しており、製造業の未来を明るくしています。
それぞれの技術の特性を理解し、適切な場面での活用を心掛けることで、より高品質な製品を効率よく製造することが可能になるでしょう。

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