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投稿日:2025年6月10日

伝達ミス・誤解を防ぐ効果的な英文ライティング実践講座

はじめに:製造業のグローバル化と英文ライティングの重要性

近年、製造業はグローバル化の波を受けて、海外のサプライヤーや顧客とのやりとりが日常茶飯事となっています。
コミュニケーションを円滑に進めるうえで、英文メールや仕様書、契約書といった「英文ライティング」の質が問われる場面が非常に多いのが現状です。

特に調達購買・生産管理・品質管理の現場では、一つの発注ミスや仕様誤認が巨額の損失や品質トラブルに直接つながることも少なくありません。
伝達ミスの原因の多くは、「英語表現の曖昧さ」「文化的背景の違い」「主語や目的語の混乱」によるものです。

昭和時代の“ニッポン式ビジネス英語”や、場当たり的な直訳では通用しないケースが増えています。
この記事では、20年以上の現場経験をもとに、伝達ミスや誤解を防ぐための英文ライティング実践ノウハウを詳しく解説します。

製造業で起きがちな英文コミュニケーションの落とし穴

1. 曖昧表現・省略・ローカル用語の罠

工場現場やバイヤー業務でありがちなのが、“察してくれ”に依存した短い英文や、日本語直訳のカタカナ英語です。

例えば下記のような例は危険です。

“We need them ASAP.”
(どの商品を、何個、どこまで、なぜ急ぐのか不明)

“Please send me the machine.”
(どの機械?型番や数量、仕様が不明)

また、「QC」「FA」「Kobetsu」という略語や和製英語も外国人には通じません。

2. 品質関連で誤解が生じやすい“曖昧指示”

“Please check quality and report.”
(どの項目を?何をもって合格とする?)

合否判定や報告基準、検査方法が不明瞭なまま話を進めると、実際には大きな齟齬が生まれます。

3. お互い“わかっているつもり”のドミノ倒し

発注・納品フローや定義、用語解釈が「社内標準」「昭和の価値観」に縛られていると、海外サプライヤーや次世代のバイヤーとの間で、深刻な食い違いが生まれやすくなります。

伝達ミス・誤解を防ぐための基本ルール

1. 5W1Hを徹底明示する

Who(誰が)、What(何を)、When(いつ)、Where(どこで)、Why(なぜ)、How(どうやって)を文中で抜け漏れなく示します。

例:
“Please send five units of model ABC123 to Osaka factory by July 15th, 2024. ”
(型号、数量、納品先、期限を明示)

2. 英語は「主語」「動詞」「目的語」をクリアにする

英語は語順が非常に大事です。
日本語感覚で主語や目的語を省略しないことで、誤解を大きく減らせます。

例:
We will accept only if all items pass the inspection based on the attached checklist.

3. 基準・根拠を必ず記載する

品質要求や判定基準、仕様の根拠が曖昧だと解釈違いに直結します。
根拠となる社内基準書、図面番号、契約書条項など“裏付け情報”を添えましょう。

例:
According to our specification sheet No.1234, the permissible tolerance is ±0.02mm.

実践的な英文ライティングテクニック

1. “やさしい英語”で十分通じる

無理に難解な単語やイディオムを使う必要はありません。
“Simple English is best.”
短く端的な文、おなじみの語彙で確実に伝えましょう。

2. 箇条書きやテーブルを活用する

複雑な要求や情報伝達は、文章だけでなく箇条書きや表を併用することで一目瞭然になります。

例:

Delivery Requirements:
– Product: Model DEF456
– Quantity: 100 units
– Delivery Date: August 10th, 2024
– Destination: Tokyo Warehouse

3. 否定・例外事項も具体的に明記する

“Yes”だけでなく“No”(しないこと/除外事項)も説明し、誤納・誤解の芽を摘み取ります。

例:
Only red and blue models are accepted. Green models are NOT accepted.

4. イラスト・図表・画像を積極活用する

図や写真は“万国共通語”です。
書き言葉以上に伝達精度を高め、誤訳リスクも減らします。

工場現場での設備レイアウト・製品図面・色見本のスクリーンショットなど、“可視化”できるものはどんどん添付しましょう。

昭和からの脱却:アナログ企業が押さえるべきグローバル英文コミュニケーション習慣

時代遅れなやり方と、その問題点

– 「空気を読む」「前例踏襲」に依存
– 文書より口頭・電話・FAX主義
– 書類やメール管理の属人化、保管の不徹底
– “社内常識”を国外相手に押し付ける

これらはグローバル社会・デジタル化において大きな障害となっています。
徹底した可視化と“不明点ゼロ主義”への転換が重要です。

新たな地平線:成功する現場の英文コミュニケーション作法

– チェックリストや承認フローを明文化し、誰が見ても同じ解釈となる表現に徹する
– 書面中心のナレッジ共有を徹底し、情報やノウハウを脱属人化
– 社内外問わず「見える化されたドキュメント」「規格化された英文」の定着
– 受信者にとって親切か、言語・文化・背景をラテラルに捉えた書き方の追求

現場プロフェッショナルが実践する英文メール例文集

発注・納期確認

Subject: Order Confirmation for Model TRX789

Dear Mr. Lee,

We would like to place an order for 50 units of Model TRX789.
Please deliver them to our Nagoya Plant by September 1st, 2024.
Please confirm availability and estimated delivery date.

Best regards,

クレーム・品質不良時

Subject: Claim for Defective Items – Model XYZ001

Dear Ms. Chen,

We have received 10 units of Model XYZ001 from your company.
Unfortunately, three items have scratch marks as shown in the attached photos.
Could you please investigate the cause and provide your countermeasures?

We are looking forward to your prompt reply.

Best regards,

図面・仕様書の確認

Subject: Confirmation of Product Drawing No.5678

Dear Mr. Kim,

Please find attached Drawing No.5678.
Kindly confirm whether the specified material and dimensions are correct.
If you have any questions or suggestions, please let us know.

Thank you for your cooperation.

まとめ:正しい英文ライティングが現場の信頼と成果を生み出す

現場で培った経験やミスの教訓から感じるのは、「伝達ミスは事前の一手間で防げる」という事実です。
ポイントは、常に“5W1Hを外さずに”“相手の解釈で書く”という姿勢を持つことです。

特に製造業・ものづくりの現場では、誤解や行き違いが重大な損失や信用問題につながるため、英文ライティングを単なる英語力だけでなく「現場力の一つ」と捉えて磨いていく意識が大切です。

今日から是非、紹介したノウハウやテクニックを現場のメールや文書に取り入れてみてください。
伝達ミスゼロ、誤解ゼロの“攻めのグローバルコミュニケーション”で、製造業の未来をともに切り開きましょう。

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