投稿日:2024年11月8日

初めての購買業務 RFQ作成から提案評価までの流れ

はじめに

購買業務は、企業が必要とする製品やサービスを調達するプロセスであり、効率的な経営に欠かせない要素です。
特に製造業では、材料・部品の質や価格が製品の競争力に直結するため、購買活動の役割は非常に重要です。
今回は「初めての購買業務」として、具体的なRFQ(Request for Quotation)作成から提案評価までの流れを解説します。

購買業務の基本概要

購買業務は、最適な供給者から必要な物資やサービスを最良の条件で調達する活動です。
適切な購買活動を行うことでコスト削減や、品質向上、納期管理が達成されます。
購買プロセスは一般に、要求仕様の確認、供給者の選定、価格交渉、契約締結、納品管理、支払いなどのステップで構成されています。

購買業務の重要性

製造業における購買業務の重要性は、以下の3つの事例からもわかります。
まず、購買業務が原材料や部品のコストを決定するため、企業の利益に直接影響します。
次に、適切な供給者選定は、製品の品質や納期遵守を確保するために不可欠です。
最後に、効率的な購買活動は、新規製品の市場投入や事業の拡大においてスピードを要求される状況で特に重要です。

RFQ(Request for Quotation)とは

RFQは、購買部門が供給者に対して製品やサービスの見積もりを依頼するための文書です。
供給者はRFQに基づいて見積価格や条件を提示します。
RFQは価格交渉の材料となり、同一条件下での供給者選定を合理的に進められます。

RFQ作成の意義

RFQ作成の最大の利点は、供給者からの提案を標準化し、比較しやすくすることです。
明確な要求を提示することで、供給者との誤解を避けることができ、より正確な見積もりを引き出せます。
また、企業としての購買ポリシーを反映させることで、持続可能な調達活動を推進できます。

RFQ作成の流れ

RFQを作成する際の具体的なステップを解説します。

1. 仕様書の準備

仕様書は、必要とする製品やサービスの詳細な説明を含む文書です。
明確な仕様書を作成するためには、エンジニアやセールスチームと協力して条件を洗い出すことが重要です。
製品の物理的な特徴や性能、納期、数量などを具体的に記載します。

2. 見積条件の設定

次に、見積依頼の条件を設定します。
価格以外にも、納期、支払い条件、保証やアフターサービスの条件などを明確に指定します。
条件を統一化することで、受け取る提案が均質となり比較が容易になります。

3. 供給者リストの作成

供給者リストは、RFQを送付する対象を決定するために必要です。
既に取引のある供給者に加え、新規供給者の情報も収集し、複数の選択肢を用意します。
特に新しい技術や材料を取り扱っている供給者は常にチェックしておき、適宜リストに加えておきます。

4. RFQ送付とフォローアップ

RFQ送付後は、供給者からの返信状況を管理し、回答期限を過ぎた場合にはフォローアップします。
供給者からの質問や不明点には迅速に対応することで、円滑な進行を促します。

提案評価の方法

供給者からの提案が集まった後は、評価を行います。
以下の手順で評価を進めると効果的です。

1. 提案内容の標準化と比較

受け取った提案を、事前に設定した基準に照らして標準化し、比較可能な状態にします。
この際、単に価格だけでなく、品質、納期、サービスレベル、技術力などの項目を設け、総合的に評価します。

2. 加重平均スコアリング

各評価項目に重要度に応じたウェイトを設定し、以下のような加重平均スコアリング法を用いることが有効です。
これにより、最も総合的に優れた提案を定量的に比較できます。

3. 最終交渉と条件設定

評価の結果、選定された供給者に対して最終交渉を行います。
この場では、価格の見直しや追加条件の確認、契約書の作成などを行い、合意形成を図ります。

まとめ

購買業務は、製造業において製品の競争力を左右する重要な活動です。
RFQ作成から提案評価までの一連のプロセスをマスターすることで、効率的かつ効果的な購買活動を実現できます。
最適な供給者選定を通じて、コスト削減、生産性向上、品質確保を目指し、企業の競争優位性を高めていきましょう。

You cannot copy content of this page