製造業の購買担当者がAIにかわることってあり得るの?
見積合せは製造業にとって重要なツールの一つです。効果的な見積合せを行うことで、生産計画の正確性を高めることができ、在庫コストを削減できます。
今回は、生産ライン設計会社A社の事例から見積合せのポイントを3つご紹介します。
A社では、品目ごとの月次生産計画から1週間ごとの生産数量を見積合せ、生産ラインの稼働計画を立てていました。しかし、1週間単位では需要の乱高下に対応できないという課題がありました。そこで、A社は1日単位の見積合せに移行しました。精緻な需要予測データを活用し、1日単位で生産数量を見積もることで、需要変動に彩動的に対応できるようになりました。在庫回転率は年15%向上し、在庫削減効果は大幅に上がりました。
2点目は、見積合せを部品毎に分解する取り組みです。A社では生産ライン全体ではなく、部品単位での見積合せを始めました。各部品の納期や生産ラインの設計を考慮しながら、部品ごとの生産日程を細かく見積もることができるようになりました。この結果、原材料の在庫が最適化され、生産コストが5%削減できたそうです。
3点目は、見積合せ結果の共有化です。A社では見積合せ結果を生産現場の部長にも共有し、フィードバックを求める仕組みを構築しました。このことで、生産現場のノウハウも見積合せに反映できるようになり、精度向上につながったとのことです。
以上の3点から、活発な需要変動に対応できる細かな見積合せと、関係部門との共有が効果的な見積合せのポイントだと考えられます。
調達購買業務の効率化だけでなく、システムを導入することで、コスト削減や製品・資材のステータス可視化のほか、属人化していた購買情報の共有化による内部不正防止や統制にも役立ちます。