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七宗で精密部品加工の課題解決を支援する商社が製造業を改善

目次
はじめに 〜七宗の精密部品加工業界が抱える課題〜
岐阜県七宗町は、決して大都会ではないものの、日本のものづくりを根幹から支える精密部品加工業者が集積する地域です。
私も幾度となくこの地を訪れ、現場の技術者や経営者とディスカッションを重ねてきました。
しかし現実には、長年にわたり旧態依然の体制が温存され、供給側も需要側も「お互い様」な閉鎖的取引に依存するケースが少なくありません。
昭和の香り漂う現場には、熟練工の卓越した技術が息づいています。
一方で、生産効率や品質保証、デジタル化など、新しい潮流に乗り切れず苦しむ声も日毎に強まっています。
多くの経営者からは、「人が集まらない」「小ロット多品種化への対応が遅れる」「バイヤーからの要求が厳しくなってきた」といった声を聞きます。
こうした課題に正面から向き合い、現場目線で解決をサポートする存在が、精密部品加工専門の商社です。
この記事では、業界の現状と課題解決の糸口、商社というレンズを通した製造業の新たな可能性について、20年以上現場と向き合ってきた立場から深掘りしていきます。
精密部品加工現場の「昭和的課題」とは何か
アナログ体質がもたらす閉塞感
七宗エリアを含む地方の精密部品加工業者には、良くも悪くも「現場勘」や「職人頼み」の文化が根強く残ります。
社内には依然として紙の図面やFAXベースのやりとりが多く、データの電子化も遅れがちです。
多品種・小ロット・短納期といった近代製造業のトレンドに追随するには、生産管理や工程の見える化、品質保証体制の刷新が欠かせません。
しかし、忙しい日々の中で現場改善やDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進できる人材も少なく、つい手付かずになってしまうというのが実情です。
人材不足と属人化リスク
もう一つの大きな課題は、人材不足と技術の属人化です。
部品加工業は、ベテランの「匠」のノウハウによって高精度な部品を生み出してきました。
しかし、その技能の伝承が進まないまま高齢化が進み、急な退職やケガで一気に現場の力が落ちてしまうといったリスクが潜んでいます。
業務がアナログでブラックボックス化しているため、若手や外部人材が入り込みにくく、改善も進みません。
これはサプライヤー側だけでなく、発注元であるバイヤーや商社会社にも直結する問題です。
製造業の課題解決を後押しする商社の存在意義
商社は単なる「モノの仲立ち役」ではない
従来、商社は「調達代行」や「物流の橋渡し」として捉えられてきました。
ですが、現代の製造業では「現場の課題を理解し、具体的な改善策まで伴走できるパートナーであること」が商社に求められる最大の価値となっています。
事実、私も現場の困りごとを聞いた時、単に注文書を処理するだけではなく、
「生産工程上どこにネックがあるのか」
「なぜ不良率が下がらないのか」
「新しいバイヤーの要求にどう応じればよいのか」
…といった根本原因に踏み込むことで、多くのトラブル解決・付加価値向上に繋げてきました。
「バイヤー目線」と「現場目線」をつなぐファシリテーターへ
バイヤー側は、コストだけではなく、確実な納期遵守、安定供給、トレーサビリティの確保、新技術導入対応まで、多岐にわたる要求事項を持っています。
一方で、供給側は「現状維持」で精一杯、要望に的確に応え切れていないケースもしばしばです。
ここで重要になるのが、商社が「バイヤー目線」と「現場目線」のギャップを可視化し、双方が納得できる着地点を共創する役割です。
言い換えれば、”業界を横断するラテラルシンキング”で、サプライヤーとバイヤーの橋渡しとして機能することが、今の商社には不可欠です。
具体的な課題解決のアプローチ例
1. 生産管理と工程改善支援
例えば、ある精密部品加工工場では、生産計画が受注ごとに都度Excelで管理されており、人的ミスや工程の遅れが多発していました。
商社サイドから、生産管理システムの小規模導入や、工程ボード材料・IoTセンサーを提案し、
「投資は最小限に、現場がすぐに使いこなせるシンプルな方法」
という「現場目線」を重視して改善を促進。
結果として、納期遅延が半減し、バイヤー(発注側)に対する信頼度が大きく向上したのです。
2. 品質保証体制の強化とバイヤーとの情報連携
また、近年は「トレーサビリティ」や「不良原因の明確報告」をバイヤーから強く求められる傾向が強まっています。
従来どおりの紙帳票やEXCEL手入力では、顧客の要望に応えきれません。
商社がサポートに入り、加工データや測定記録を簡易デジタル化できるツールを選定・導入支援した事例もあります。
更に、「品質に関する定期レポートフォーマット」を標準化するなど、バイヤーと現場の相互理解も深まり、案外現場からも
「これなら負担なく取り組める」
という声が上がりました。
3. サプライチェーンリスクの見える化と複線化
最近増えているのが、部材納入遅延やサプライヤー側の生産ストップなど、サプライチェーンリスクへの備えです。
昭和型では「いつもの問屋」や「長年の付き合い」だけでリスクが可視化されておらず、突然のトラブルが即アウトにつながります。
商社を通じて「代替サプライヤーリスト」の整備や、「複数調達ルートの確保」「緊急対応プロトコルの作成」に取り組んでおくことで、大手自動車メーカーや新興ハイテクバイヤーからも堅い信頼を勝ち取っています。
このような取り組みこそ、アナログ業界における「しなやかなサステナブル経営」実現の礎となります。
サプライヤーの立場からバイヤーの期待を読み解く
サプライヤー各社が今後生き残り・発展するためには、商社と連携して「バイヤー目線」を徹底理解することが欠かせません。
バイヤーが求めるのは単なる「価格の安さ」だけではなく、次のような価値観です。
- 短納期・急な数量変動にも柔軟対応できる体制か
- 品質不良などトラブル時の初動が早く、原因や対策を誠実にフィードバックできるか
- 新しい材料や技術ニーズに、自発的に提案できる姿勢があるか
- サプライチェーン全体を見通す幅広い知見を持ち合わせているか
昭和の「御用聞き商売」から脱却し、共創パートナーとして一歩踏み込むこと。
商社とタッグを組むことで、現場力×提案力×バイヤー目線の三位一体を実現することが、今や生存戦略そのものです。
なぜ今こそ七宗発・製造現場のアップデートが必要なのか
昨今の地政学リスクや原材料費高騰、国際競争の激化、新型コロナの経験などを経て、製造業界はかつてないほど大きな転換点にあります。
こうした時代にあって、アナログな体質を引きずることで競争力を損なってはなりません。
特に七宗のように精密部品加工の底力がある地域こそ、今「現場起点のアップデート」と「バイヤーを巻き込む商社の価値」を最大限に活かすタイミングです。
大手バイヤーだけでなく、地場の新進メーカー、さらには海外スタートアップとの協業まで、商社を軸とした新たな共創関係が次々と生まれ始めています。
さいごに 〜昭和型製造業からの脱皮、その一歩を〜
私自身、製造業の現場で20年以上関わる中で、「現場の知恵」と「外部パートナー(商社)の視点」がハイブリッドで交差した時、最も大きく現場が変わる瞬間を何度も目撃してきました。
七宗の精密部品加工業界が抱える課題は、確かに根深く、時に苦しいものです。
ですが、商社の専門性を活かし「外部の風」と「内なる意識改革」を起こせれば、必ずや新しい道が拓けます。
本記事が、これからの製造現場で活躍する方、サプライヤーとしてさらに飛躍したい方、そして現場と共に歩むバイヤーや商社の皆様へのヒントとなれば幸いです。
今一度、「現場から業界全体を変えていく」という気概を胸に、一歩を踏み出してみませんか。
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