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投稿日:2026年5月18日

車載用48V電源搭載におけるシステム開発と最新技術および動向

車載用48V電源システムは、単なる電圧アップではなく、マイルドハイブリッド化・補機電動化・回生エネルギー回収を低コストで実現する「現実解」として、欧州・中国を皮切りにグローバルで急速に普及している。ISO 21780:2020の制定でサプライヤーに求められる品質ハードルは明確化されたが、調達・設計・生産の三領域が連動しなければ48V化の恩恵は享受できない。本記事では電気学会・経産省・NEDOの一次ソースを踏まえ、システム開発の技術ポイント、調達現場の課題、そして今後の戦略的視点を体系的に解説する。

48V電源システムが生まれた背景:12Vの限界と60V未満の安全設計

自動車の車載電源は1960年代に12V鉛バッテリーを基本とする体系が固まり、以来半世紀以上にわたって基本構造は変わらなかった。しかし近年、アイドリングストップ・電動パワーステアリング・電動エアコンコンプレッサーといった補機類の電力需要が増大し、12Vシステムでは配線の大電流化に対応しきれなくなった。同じ電力を送るには電圧を上げれば電流を下げられる(P=VI)。電圧を4倍の48Vにすれば電流は1/4で済むため、ハーネスの細径化・軽量化・発熱抑制が一挙に実現する。[1]

では、なぜ60Vや72Vではなく48Vが選ばれたのか。世界的な安全基準では直流60V以上は人体への危険性がある「電圧クラスB」として厳格な安全規制が課される。
48Vのシステムでは充電時に50Vを大きく超えることもあり、そうした変動も加味すると48Vあたりが60V未満の上限に近い妥当な値
とされる。コストと安全対策の妥協点として48Vという数値が業界横断的に採用されたのである。

この合意は制度面でも裏付けられている。
48V DCで動作する電気システム(マイルドハイブリッドシステム)を備えた自動車の電気及び電子部品に対する要件規格として、ISO 21780:2020(Road vehicles — Supply voltage of 48V — Electrical requirements and tests)が2020年8月に発行された。
[2] この規格の成立により、部品メーカーが依拠できる国際共通の試験要件が整備され、グローバル調達の土台となった。

電気学会論文誌D(産業応用部門誌)の解説論文では、
2011年にVDA(ドイツ自動車工業会)が2020年市場向けにDC48Vの採用を発表した
経緯が示されており、欧州が主導してグローバル標準を形成してきた構造がよく分かる。[3]

調達現場で押さえるポイント

当社が累計200社以上のサプライヤー視察で観察してきた中で、48V対応部品の調達で最初につまずくのは「規格の多層構造」だ。ISO 21780だけでなく、ドイツ車メーカーが自社制定したLV148規格、AEC-Q100(半導体の車載信頼性規格)、ISO 26262(機能安全)が重複して要求される。これらを体系的に整理しないまま見積依頼を出すと、サプライヤーの評価工数が分散し、最終的に価格・納期ともに不確定要素が膨らむ。

マイルドハイブリッド(MHEV)との密接な関係:燃費改善効果の実態

48Vシステムの主用途はマイルドハイブリッド電気自動車(MHEV)である。
48Vマイルドハイブリッドシステムは発電機とモーター兼用のシステムで、アイドリングストップとエンジン駆動力のアシストにより、安価なコストで燃費を約15%向上できる。最大10キロワット程度の小型モーターを搭載し、走行初期のエンジン駆動力をアシスト、アイドリングストップや減速回生を行うことで燃費向上に寄与する。
[4]

現場での実測値を確認すると、
ゴルフ8の48V駆動MHEVではベルト駆動ISGを搭載したが、燃費改善効果は低速WLTCモードで約10%、それ以外のWLTCモードで約5%にとどまった
という報告もある。燃費改善幅はモーター出力・レイアウト・制御ロジックに大きく依存しており、「48Vにすれば自動的に15%改善」という単純計算は危険だ。

徳島大学の研究グループが中型車両を対象に行った実証試験では、
提案システムは通常のマイルドハイブリッドに採用されている電圧(12〜36V)より高電圧の48Vバッテリーの採用によりエンジンアシスト領域を拡張し、オルタネータをベクトル制御することで減速時回生エネルギーの有効な回収を実現する
と報告されている。[5] ただし
バッテリー電圧が48V系であることから鉄損が大きくなりオルタネータ本体の発熱が増大するなど耐熱性に課題がある
ことも明示されており、実用化にはサーマルマネジメントとの両立が欠かせない。

欧州ではCO2規制への対応手段として48V MHEVの普及が加速した。
欧州の完成車メーカーを中心に2017年から実用化の動きが見られ、中国もこれに追従しようとしている。欧州の2021年に向けたCO2規制の動向と、これに対応するローコストで幅広く使用できる48Vマイルドハイブリッドの技術採用動向を理解することが重要だ。

ISG(統合スタータジェネレータ):48Vシステムの心臓部

48Vシステムの中核デバイスはISG(Integrated Starter Generator)である。スターターとオルタネータを一体化した装置で、加速時にエンジンをアシストし、減速時に発電・回生を行う。電気学会英文論文誌に掲載された開発報告によれば、
マイルドハイブリッド車向け48V ISGの開発において、モーターは48Vシステム電圧下でのパワー・トルク性能だけでなく、乗用車固有の要求である騒音・レイアウトスペースも満たす必要がある。
[6] さらに
開発されたISGモーターは、騒音低減設計と薄型軸方向長を実現しながら180Nm、15kWを達成し、モーター効率95%超を実証した。

ISGの実装形態にはP0(ベルト駆動)とP1(クランクシャフト直結)がある。
ダイムラーは約20年ぶりに復活させた直列6気筒エンジンに48Vマイルドハイブリッドシステムを組み合わせ、ISGをクランクシャフトに直結し、エンジンとトランスミッションの間に配置した。電動過給器を採用し、エアコンコンプレッサーとウオーターポンプも電動化することで補機類の駆動ベルトを廃止し、直6エンジンの全長短縮を実現した。

また次世代の方向性として、
48Vを使うもう1つのハイブリッドシステムとして同軸配置やギア駆動のISGが注目されている。スズキは2024年に開催した技術戦略説明会で、48V電源システムとギア駆動のISGを使う次世代ハイブリッドシステム「48Vスーパーエネチャージ」を開発していることを明らかにした。

調達現場で押さえるポイント

製造業の調達購買10年以上の経験から言えば、ISGは機構部品・電気部品・ソフトウェアが一体化した「システム品」であり、単体でのスペック比較だけでは調達判断が難しい。モーター・インバータ・位置センサーのサプライヤーが複数にわたるケースでは、インターフェース仕様の整合性とEMC対策が後から問題になりやすい。初期段階でVDA Specification LV148や ISO 21780の試験要件をサプライヤーと共有し、どの試験を誰が実施するかを明確化しておくことが、後工程での手戻りを大幅に減らす。

車載48Vシステムの構成要素:調達部門が理解すべき技術ポイント

48Vシステムは単独で車を動かすのではなく、従来の12V系と共存するデュアルボルテージ構成をとる。主な構成要素とその調達上のポイントを整理する。

①48Vリチウムイオンバッテリー:急速充放電に対応した車載グレードのLiBが必須。エネルギー密度よりも出力密度・サイクル耐久性・低温特性が選定基準の中心になる。NEDOのグリーンイノベーション基金プロジェクトでは、
蓄電池システムの性能向上・コスト低減、材料レベルからの高性能化・省資源化に向けた技術開発が進められており、将来的な自動車の電動化を支える基盤技術の強化とサプライチェーン・バリューチェーンの強靱化が目指されている。
[7]

②双方向DC/DCコンバータ(48V⇔12V):48V系と12V系の電力をリアルタイムに変換・調整する中枢部品。変換効率、リプル抑制、EMCノイズ管理が設計上のキーポイント。AEC-Q100に準拠した半導体の使用が事実上必須で、エンジンルームでの温度(最高150℃超)・振動・湿気への対応が求められる。[2]

③インバータ:ISGを制御する三相インバータ。SiC-MOSFETやIGBTを使用し、スイッチング周波数の最適化がEMC性能と効率に直結する。
NEDOのプロジェクトではモーターシステムとして高効率化(システム平均効率85%)や小型・軽量化・パワー向上(システムの出力密度3.0kW/kg)に向け、材料やモーター構造・インバータ・冷却技術などの革新技術が開発されている。

④48V補機類(電動エアコン・電動ウォーターポンプ・電動ターボ):補機の電動化により、エンジン負荷が下がり燃費効率が向上する。各補機にも48V対応のコントローラが必要で、機能安全(ISO 26262)のASILレベルが車種ごとに設定される。

⑤BMS(バッテリーマネジメントシステム):48Vバッテリーの充放電・過熱・過放電保護、SOC(充電残量)推定、セル均等化を担う。BMSの精度が回生エネルギー回収効率に直結する。

12V・48V・BEV(高電圧)の比較対照表:調達判断の基礎データ

比較項目 12Vシステム(従来) 48Vシステム(MHEV) BEV/HEV(高電圧系)
公称電圧 12V(鉛蓄電池) 48V DC(LiB) 200〜800V(電圧クラスB)
安全規制クラス 電圧クラスA(60V未満) 電圧クラスA(60V未満) 電圧クラスB(60V以上)
主要国際規格 ISO 7637等 ISO 21780:2020、LV148 ISO 21498-2:2021等
感電保護対策コスト 中(60V未満の緩和適用可) 高(絶縁モニタリング必須)
燃費改善効果(目安) なし 10〜15%(WLTC条件依存) 30〜90%(ストロングHEV/BEV)
モーター出力(典型) 2〜3kW(オルタネータ) 5〜15kW(ISG/BSG) 50〜300kW超
EV走行 不可 原則不可(エンジンアシストのみ) 可(PHEV/BEV)
システム追加コスト目安 基準(±0) +750〜1,500ユーロ程度 +3,000〜5,000ユーロ程度
DC-DCコンバータ 不要(単一電圧系) 必須(双方向48V⇔12V変換) 必須(HV⇔12/48V変換)
バッテリー種類 鉛蓄電池 LiB(エネルギー密度より出力重視) 大容量LiB / 全固体電池(将来)
既存プラットフォーム流用性 そのまま流用 高(大幅な設計変更なし) 低(専用プラットフォーム推奨)
EMC対策難易度 中(スイッチングノイズ・サージ管理) 高(インバータノイズが顕著)
サプライヤー対応難度 低(成熟市場) 中(LV148/ISO21780対応が必要) 高(設備投資・認証コスト大)

グローバル規制と採用動向:欧州・中国・日本の現実

48Vシステムの普及を最初に後押ししたのは欧州のCO2排出規制だ。
自動車産業においては「デジタル化」「グリーン化」両面から大変革が進展中であり、2024年の世界販売に占めるEV比率は約10%に達している。
[8] EVが過渡期にある現時点では、既存のエンジン車プラットフォームを流用しながらCO2削減を図れる48V MHEVの存在感は大きい。

日本政府も脱炭素路線を明確にしており、
2050年カーボンニュートラルに向けて、乗用車は2035年までに新車販売で電動車100%を実現することとしている。
ただし「電動車」にはHV(ハイブリッド)が含まれており、48V MHEVもその範疇に入る。経産省は「マルチパスウェイ戦略」として
EV、ハイブリッド、水素・FCV、合成燃料など多様な選択肢を通じてカーボンニュートラルを実現していく
方針を掲げており、48Vはこのマルチパスウェイの重要な選択肢として位置づけられる。

地域サプライヤーへの影響を整理した経産省調査報告書(2023年3月)では、
国内自動車産業においてはCASEと呼ばれる技術潮流の変化、特に2050年カーボンニュートラル宣言に伴う電動化の加速により、純粋なエンジン車から電動車に生産を移行していくことが予想される
とされており、エンジン・トランスミッション周りを主力とするサプライヤーにとっては48V関連技術の習得が業態転換の突破口になりうる。[9]

また次世代モーターの競争力強化を目指すNEDOのグリーンイノベーション基金プロジェクトでは、
モーターシステムとして、高効率化(システム平均効率85%)や小型・軽量化・パワー向上(システムの出力密度3.0kW/kg)に向け、材料やモーター構造・インバータ・冷却技術等の革新技術を開発する
計画が進行中だ。[7] 48V ISGはこの技術開発ロードマップと連続性をもつ領域であり、日本の電機・機械サプライヤーには応用機会がある。

システム開発現場の技術課題:調達担当者が見落としやすい3つのリスク

48V対応部品の開発・調達には、12V時代には表面化しなかった固有リスクが潜んでいる。金属加工・樹脂成形・電気電子・組立完成品の5ジャンルにわたるサプライヤー横断で観察すると、以下の3点で問題が集中しやすい。

リスク①:12V/48V短絡(ショート)時の被害拡大
デュアルボルテージ系では12V系と48V系が接触した場合のアーク放電・過電流が深刻な問題になる。
12V/48Vの短絡は全12V制御ユニットに相当なダメージを与える可能性がある。アーク放電とアース喪失は現在12/48Vデュアル電源システムにおいてサプライヤーが直面する主要課題の1つであり、試験規格にも組み込まれることが見込まれる。
設計段階での逆接保護・ヒューズ設計と、量産前のショート試験の充実が欠かせない。

リスク②:熱管理の失敗
ISGやDC-DCコンバータはエンジンルームという高温環境に置かれる。48V系のスイッチング素子は損失が12V系より電流値が小さくても、スイッチング周波数が高いため発熱量が侮れない。実証実験の知見でも耐熱設計が課題として明示されており、放熱設計・冷却ユニットの選定は開発初期から織り込む必要がある。

リスク③:EMC対策のコスト膨張

48V DCで動作する電気システムを備えた自動車の電気及び電子部品に対する要件規格ISO 21780は、高電圧で動作する車載機器の電圧変動への耐性の重要性の高まりに対応して制定された。
インバータのスイッチングノイズは他の12V電装品に干渉するため、シールド設計・グランド設計・フィルタ設計が複雑化する。EMC試験は設計後半での「やり直し」が最もコストを押し上げる工程であり、設計初期段階からEMCエンジニアを巻き込む体制が必要だ。

調達現場で押さえるポイント

中国・東南アジアのサプライヤー網で典型的に見られるのは、「12V品のAEC-Q認証取得経験はあるが、48V向けのLV148/ISO21780試験には未対応」というケースだ。見積段階では対応可能と回答するが、実際に試験を進めると試験設備の不足・検証期間の延長が発覚し、量産スケジュールが崩れる。発注前に試験設備リストと認定機関の実績を確認し、必要に応じてジョイント開発契約(JDA)で試験費用を分担する形が有効だ。

電動化サプライヤーの事業転換:48Vが地域産業に与える機会と脅威

内燃機関部品(シリンダーヘッド・カムシャフト・インジェクター等)を主力とする地域サプライヤーにとって、48V化は脅威でもあり機会でもある。
電動化に伴い大きな影響を受けると考えられる地域自動車部品サプライヤー、特にエンジンやトランスミッション周りのサプライヤーが電動車向けの部品製造等の新分野に挑戦する「攻めの業態転換・事業再構築」を支援する取組(「ミカタプロジェクト」)が開始されている。
48V MHEVはエンジンを廃止しないため、エンジン部品の受注量を一定程度維持しながらISG・バッテリーパック・DC-DCコンバータといった新規部品の製造に参入できる”踏み台”的なポジションを占める。

一方で技術的ハードルは高い。ISGの巻線・モールド成形・インバータ基板実装はそれぞれ異なるプロセス技術を要求し、既存の機械加工サプライヤーが単独で参入するには設備投資と人材育成のハードルがある。当社では累計200社以上のサプライヤー調査の中で、48V対応への転換に成功したサプライヤーに共通する要因として「技術開発部門と調達部門の早期連携」「アッセンブリ化による付加価値向上」「認証取得を優先した小ロット試作受注からの段階的拡大」の3点を確認している。

経産省の調査報告書が示すとおり、
車載用モーターには永久磁石であるネオジム磁石が使われており、ネオジム磁石にはジスプロシウム等のレアアースが材料として使われている。その安定的な調達、持続的なサプライチェーンの構築に向けて、各国が取組を強化している。
レアアース調達リスクはTier1だけでなくTier2・Tier3の原材料調達にも波及するため、調達部門は川上の材料市況にまで視野を広げる必要がある。[8]

48V電源開発に求められる規格・認証マトリクス

48Vシステムの開発プロセスでは、設計・試験・認証の各フェーズで複数の規格が重複して適用される。主要な規格体系を整理する。

ISO 21780:2020:車載48V電源の電気要件・試験規格。過電圧・逆電圧・電圧降下等のトランジェント試験が規定される。
2020年8月に発行され、48V DCで動作する電気システムを備えた自動車の電気及び電子部品に対する要件を定めている。
[2]

LV148(VDA320):ドイツ自動車工業会が2011年に制定した48Vシステム仕様。ISO 21780の前身かつ補完規格として現在も参照される。
LV148/VDA320として48V向けの仕様が存在するが、各地域・OEMの要求を包括したグローバル標準の整備が開発・普及を加速させる
とされており、ISO 21780の制定によりその役割を担いつつある。

AEC-Q100 / AEC-Q200:車載半導体・受動部品の信頼性認定規格。インバータのMOSFET、ゲートドライバIC、DC-DCコンバータのコントローラICはすべてこれに準拠が求められる。

ISO 26262(機能安全):ISGやBMSを含む電子システムのASIL(Automotive Safety Integrity Level)管理が必要。MHEV向けでは一般にASIL-BからASIL-Cが要求される場面が多い。

CISPR 25 / UNECE R10(EMC):車載電子機器のEMC規格。48VスイッチングノイズによるAM/FMラジオ・LTE通信への干渉防止を評価する。

今後の展望:48Vから「48Vゾーンアーキテクチャ」への進化

現在の48VシステムはMHEVの電動化補助という役割が中心だが、次世代の車両アーキテクチャでは「48Vバックボーン」としてより広い役割を担う可能性がある。ゾーンアーキテクチャ(車体を前後左右のゾーンで制御する分散型ECU配置)では、48Vを基幹電圧として各ゾーンに電力を供給し、ローカルのDC-DCコンバータで12V/5Vに降圧するという構成が有力視されている。この場合、現在の補機電動化にとどまらず、自動運転センサーや高度なADAS(先進運転支援システム)へも48Vが電力を供給する基盤となる。

将来、48VはMHEVシステムのエネルギー回生・トルクブーストを支えるだけでなく、12Vシステムが電力不足に直面する中で、ライドコントロールや自動運転システムといった新しいコンフォート機能を可能にするアップレーテッドパワーネットとして機能するだろう。

経産省が示す
グローバルの自動車販売台数(2024年)は約9,200万台(日系約2,400万台・シェア約26%)であり、グローバル市場を意識した国際競争力の確保・強化が不可欠
という視点からも、48Vはグローバル販売シェアの大部分を占める内燃機関/ハイブリッド車の電動化底上げとして、今後10年は引き続き重要な技術ポジションを占めると見られる。[8]

全固体電池・SiCパワー半導体・高効率モーターという三つの技術軸が成熟するにつれ、48Vシステムそのものの性能も向上する。特にSiC-MOSFETのスイッチング損失低減はインバータ・DC-DCコンバータの発熱問題を緩和し、より小型・高密度な設計を可能にする。調達部門はこれらの技術トレンドを先読みしたサプライヤー開拓と、複数ソース化による調達リスク管理を今から手掛けるべきだ。

出典

  1. 自動車電源DC48Vのインパクト(電気学会論文誌D, 135巻9号, 2015年)
  2. ISO 21780:2020 路上走行車-48Vの供給電圧(日本規格協会)
  3. 自動車の電動化における最新技術動向(電気学会論文誌D, 139巻6号)
  4. 48Vマイルドハイブリッドシステムの技術と欧州・中国の採用動向(色材協会誌, 91巻11号, 2018年)
  5. 中型車両のマイルドハイブリッド化における低燃費効果とその検証(自動車技術会, 42巻)
  6. Development of a 48V Integrated Starter Generator for Mild Hybrid Vehicles(電気学会英文論文誌D, Vol.11 No.3, 2022年)
  7. モビリティの電動化を支える蓄電池・モーターの進化とは(NEDO グリーンイノベーション基金)
  8. 自動車分野のカーボンニュートラルに向けた国内外の動向等について(経済産業省, 2024年8月)
  9. 令和4年度 電動化シフトを踏まえた地域自動車部品サプライヤーの技術力・開発力向上に向けた動向調査報告書(経済産業省, 2023年3月)
  10. 次世代蓄電池・次世代モーターの開発 プロジェクト研究開発・社会実装の方向性(経済産業省, 2021年10月)

※ 出典リンクは2026年5月18日時点でリンク到達性を確認しています。

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