製造業の購買担当者がAIにかわることってあり得るの?
製造業にとって在庫管理は重要な課題の一つです。
在庫が多いと保管や管理のコストが増大し、在庫不良品が出るリスクも高まります。一方、在庫が少ないと品切れが発生してしまい売上が減ってしまいます。正しい在庫水準を管理することは企業業績に直接結び付きます。
私の15年間の製造業での経験から、在庫管理では需要予測と在庫設定基準が非常に重要だと学びました。需要予測は過去の売上実績データから季節性や特定月に集中する傾向などを分析し、正確に予測する必要があります。
在庫設定基準は安全在庫量と必要在庫量を設定し、この範囲内で管理しないと品切れリスクが高まります。
とある自動車部品メーカーでは、需要予測モデルの見直しと在庫設定基準の導入に取り組みました。
過去3年分の月次データから売上の季節変動を分析し、需要予測モデルの精度向上に活かしました。また品番ごとに必要在庫量と安全在庫量を設定し、これをコントロールした結果、在庫日数が15%低減し在庫運用効率が上がりました。
他にも製造ラインのバランス管理は重要です。
複数の品番が生産されるラインでは、品番ごとの需要予測に基づき適切な生産計画とライン配置転換管理が不可欠です。
正しい在庫管理と生産計画・ライン運用は生産性と転換コストのバランスを保ちながら、業績向上に貢献します。製造業の競争環境は厳しく、 在庫と生産面の改善が業績アップにつながるでしょう。
調達購買業務の効率化だけでなく、システムを導入することで、コスト削減や製品・資材のステータス可視化のほか、属人化していた購買情報の共有化による内部不正防止や統制にも役立ちます。