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論理的で分かりやすいプレゼン資料の作成改善と説得力向上のポイント

目次
はじめに:製造業の成否を左右する「資料作成力」
現場の声やデータを、いかに論理的かつ分かりやすく伝えるか。
これは、調達購買、生産管理、品質管理といった製造業のどの部門に携わる方にとっても、今や避けて通れない課題です。
特に近年では、サプライヤーやバイヤー、さらには社内外の多様なステークホルダーと高度な意思疎通が求められる場面が増えました。
昭和的な「勘と経験」と「文字だらけの報告書」に頼る時代は、確実に終わりを迎えつつあります。
なぜなら、的確な意思決定のためには論理的な説明と納得感(説得力)が不可欠だからです。
ここでは、20年以上の製造現場経験を持つ目線で、今日から使えるプレゼン資料の作成・改善テクニック、そして説得力を高める思考法を徹底解説します。
製造業の現場でプレゼン資料に求められる役割
「資料」という武器の現場的活用法
現場でのプレゼンとは、単なる社内会議のための儀式ではありません。
調達部門であれば仕入先選定の根拠確認やコスト削減施策の社内説明に。
生産管理や品質部門であればトラブル事例の発生背景や再発防止策の納得形成。
工場の自動化やDX導入で経営層を説得する場合も、資料のクオリティが意思決定の速度と質を大きく左右します。
加えて、海外拠点や多国籍チームとの協働が当たり前となった今、分かりやすく構造化された資料こそ、共通言語の役割も担っています。
現場で陥りがちな「悪い資料」の共通点
では、なぜまだ多くの工場現場には「分かりにくい・説得力に欠ける」資料があふれているのでしょうか。
その多くの原因は以下の3つに集約されます。
1. 情報の詰め込みすぎ:何もかも伝えたい気持ちが先走り、データや現象、背景まで“無選別”に詰め込んでいる。
2. ストーリー・論理構成の欠如:原因→課題→提案など、順序立った説明の流れができていない。
3. 読み手視点の甘さ:「自分が分かれば良い」という独りよがりの型にハマりがち。
これらを放置すると、どんなに内容が優れていても、重要な提案や問題意識が理解されず、結果として「結論先送り」「アクションが起きない」といった非効率を招きます。
論理的かつ分かりやすい資料作成の基本原則
1. 全体像をつかみ、一枚絵で示す
まず、どんなテーマであれ「全体像」を意識しましょう。
結論→理由→データ→補足説明(PREP法)や、問題→原因→解決策(MECE/ロジックツリー)といった構造整理は特に有効です。
資料冒頭に、そのプレゼンの目的や「何のための話なのか」を明確に一枚絵で示すこと。
この1枚を念頭に置けば、以降のスライドもぶれずに構成できます。
2. ビジュアル化と「見る資料」の工夫
昭和的な“文字だらけ”から脱却する第一歩は、グラフ、チャート、フローチャート、工程図など視覚化ツールの大胆活用です。
実際の工場現場でも「A4一枚でまとめて!」と依頼されることは意外と多いもの。
表やグラフは、複雑な数字や構造を直感的に理解してもらう“武器”として必須です。
– Excelグラフ:推移や比較を視覚化
– フローチャート:工程や因果関係を明確に
– 写真・現場画像:臨場感、説得力の補強
資料に図解ひとつ加えるだけで、理解力と“納得力”が大幅アップします。
3. 必要十分な情報に絞りこむ
「読んでほしい」ことと「伝えるべき」ことは違う、という意識を持ちましょう。
・網羅的な事実列挙→必要最小限にダイエット
・背景説明→誰宛のプレゼンか(知識レベル・関心領域)を鑑みて取捨選択
特に経営層やバイヤーへの提案では「どこが自分の利益に直結するか」「どう判断すればよいか」をはっきり示すことが大切です。
説得力を高めるための思考法と資料設計
1. 事実(データ)→原因→提案の三段論法
感情や主観に流されず、「何を、なぜ、どうしたいか」を三段論法で組み立てることで資料の説得力はぐっと向上します。
【例】在庫削減の提案の場合
– 事実:現在の在庫水準(前年比・他社比、トレンド推移の可視化)
– 原因:なぜ過剰在庫が発生したのか(需給計画の精度、発注ロットの大きさ、リードタイムなど)
– 提案:具体的な改善施策(システム見直し、発注方式変更、工場間連携強化 など)
「なぜこのアクションが必要なのか」の根拠がクリアな資料ほど、現場も現実的に動きます。
2. バイヤー/サプライヤー目線の“共感論理”
取引先との交渉資料や、複数部署にまたがるプレゼンでは「相手目線」の論理構成が成功のカギを握ります。
・調達であればコスト、品質、納期のバランス
・生産管理なら生産性、工程安定、リスク低減
・サプライヤー提案の場合は、バイヤーが抱える課題(リードタイム短縮、トレーサビリティ強化など)にどこまで寄り添えているか
「WIN-WINな価値提案」の道筋を資料で明示しましょう。
玉虫色の表現や曖昧なデータは信用を失う一因です。
3. 「なぜ?」を5回繰り返す現場力
仮説思考と本質追求は、資料作成における重要スキルです。
品質管理の「なぜなぜ分析」にならい、問題や提案事項の背景を「なぜ?」で深掘ると、より納得性の高い説明ができます。
例:トラブル再発防止の資料構成
– 何が起きたか(事実)
– なぜ起きたか(根本原因の深堀)
– どう対策したか
– 対策で残る潜在リスクはないか?
– 現場レベルでどんなフォローが必要か
このように分かりやすく論理立てることで、「この人は現場をよく知っている」と評価されやすくなります。
昭和から抜け出せない現場を変えるための処方箋
「パワーポイントが苦手」でも成果を出す3ステップ
未だ“手書き工程図”や“紙の報告書”文化が根強い職場でも、以下の3ステップで徐々にデジタル化&分かりやすさを推進できます。
1. すべてパワポで作るより、“A4一枚”から書き出す。
項目出しだけなら手書き→データで清書が効果的です。
2. 写真、現場イラスト、実物データなど【具体物】を盛り込む。
3. 最後に「誰に、何を、どうしてほしいか」を一言で締める。
上手い資料は一度で理解できますが、下手な資料は解説が必要です。
“説明なしで伝わる”ことが最上級のゴールです。
実際の工場現場での成功事例
筆者が実際に経験した改善事例では、「部門間トラブル」の再発防止説明や、「新規設備導入」提案など、シンプルな流れと分かりやすい図解によって、半分以下のページ数でも迅速な意思決定がなされるようになりました。
特に繁忙期や会議時間が限られた場面で、「絵で見ればわかる、行動が見える」資料は、時短にも直結します。
若手社員や外国籍スタッフにも理解されやすく、多様性の向上にも役立ちます。
まとめ:製造業の未来をつくる「資料力」の本質
論理的で分かりやすいプレゼン資料の作成改善は、決して“デザイン美化”のためだけではありません。
情報過多・説明不足・思考停止――昭和のアナログ体質が残る業界だからこそ、構造と本質を見抜くラテラルシンキング&本質志向が大きな武器になります。
調達購買・品質管理・生産管理・工場DX・経営企画…どんな職種の方にも、「相手の立場で考える」+「データと現場の両輪」を念頭に、“一目で伝わる”資料作成を意識してみてください。
現場発の分かりやすい資料が、製造業全体のイノベーションと、業界の未来を切り拓いていくはずです。
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