縞鋼板(チェッカープレート)の発注——厚さの呼び方と質量の決め方、JIS に無いこと | newji
製造業の見積・発注クラウド

その単価は妥当か。
AI が根拠付きで分析。

相見積の比較も発注も進捗管理も、ひとつの画面に。

サービス資料をダウンロードPDF・無料/1分で受け取れます

投稿日:2026年10月16日

縞鋼板(チェッカープレート)の発注——厚さの呼び方と質量の決め方、JIS に無いこと

この記事のポイント(結論先出し)

縞鋼板(チェッカープレート)を JIS で注文するとき、寸法・質量・許容差の規格として引くのは熱間圧延の鋼板の JIS G 3193 になるが、JIS G 3193:2025 の本文には縞(模様)についての記述がない[1]。そのため「厚さ 4.5 mm」が縞を含まない地の厚さなのか、縞の高さを含む厚さなのかは、規格からは決まらない。質量も、規格の計算は厚さ×面積×7.85 の平らな板の式で[1]、縞の分は入っていない。鋼材の一般受渡し条件の JIS G 0404 は、日本産業規格がない事項は要求する特性と条件を規定するとしているので[3]、厚さの呼び方と質量の決め方を発注書に書く。材質を SS400(JIS G 3101)で指定し、JIS G 3101 に適合する製品として出荷されるなら、検査文書は指定がなくても提出される[2]。製造業者独自の製品か、中間業者からの切板なら、注文時に製造業者の検査文書を求めておく[3]。床に使うなら、作業場の床面を滑りの危険のないものとする労働安全衛生規則の義務と[4]、油が付くと滑りやすくなる性質[5]も前提にする。

縞鋼板は「規格の厚さ」がそのまま決まらない材料

💡 こうした調達・受発注の属人化、Newji one なら「ひとつの画面」で解決。見積依頼から発注・進捗・承認までAIが下支えします。
サービス資料を見る(無料)→

工場の通路、階段の踏み板、架台のデッキ、ピットの蓋、車両の床など、滑り止めの模様が付いた鋼板を「縞鋼板」「縞板」「チェッカープレート」と呼ぶ。発注では「縞板 t4.5 × 1219 × 2438」のように書かれることが多いが、この書き方は、平らな鋼板と同じように読めて、同じようには決まっていない。

熱間圧延の鋼板の寸法・形状・質量とその許容差を定めるのは JIS G 3193(熱間圧延鋼板及び鋼帯の形状,寸法,質量及びその許容差・2025 年 4 月 21 日改正)である。この規格は、鋼板の寸法は厚さ・幅・長さをミリメートルで表すとし、標準厚さ、厚さ・幅・長さの許容差、平たん度、質量の計算方法、外観を定めている[1]。ただし、適用については、それぞれの製品規格に規定するとしている[1]。そして本文には、表面の縞や突起の形、その高さの扱いについての記述がない。

つまり、平らな板なら「厚さ 4.5 mm」は規格の表で許容差まで決まるが、縞鋼板では、その 4.5 mm が何を指すのか、どこで測るのかを規格が答えてくれない。鋼材の一般受渡し条件の JIS G 0404 は、注文書に示す情報を JIS の引用で規定し、日本産業規格がない場合は要求される特性及び条件を規定する、としている[3]。縞鋼板の模様と厚さの呼び方は、まさにこの「規定する」側に入る。この記事は熱間圧延の鋼の縞鋼板を対象に、発注書で何を決めるかを整理する。

📄 実務で使うなら — 原価のつかみ方(全 5 章・無料サンプルあり)

厚さ:地の厚さか、縞を含む厚さか

縞鋼板の厚さには、縞を除いた板の地の部分の厚さと、縞の頂部までを含めた厚さの二通りの読み方がありうる。JIS G 3193 の本文はどちらとも定めていないので[1]、どちらで呼んでいるかは仕入先の製品資料で確かめるしかなく、発注書の「t4.5」だけでは、仕入先が替わったときに同じ物が来る保証にならない。

JIS G 3193 は、鋼板の厚さの許容差を表 4・表 5 で定め、カットエッジの鋼板では縁から 15 mm 以上内側で適用するとしている[1]。平らな板なら、縁から 15 mm 内側のどこを測っても同じ厚さを測っていることになる。縞鋼板では、マイクロメータの当たる位置が縞の上か、縞と縞の間かで値が変わる。厚さの許容差を受入で確かめるなら、「縞を除く地の部分で測る」のように、測る位置まで発注書に書いておく。

参考になるのが、同じ鋼材の JIS の中で、表面に凸部を持つ製品をどう扱っているかである。一般構造用圧延鋼材の JIS G 3101 は、附属書 JC でリブ付きなどの異形平鋼の品質を規定しており、その寸法は注文者の指定によるとし、質量の計算方法と表に規定されていない項目は受渡当事者間の協定によるとしている[2]。リブを含む形状では、引張試験片をリブを含まない位置から採り、リブが含まれる場合は機械加工で除くとも定めている[2]。縞鋼板そのものの規定ではないが、凸部がある鋼材では「どこを厚さとみるか」「質量をどう計算するか」を当事者で決める、という考え方は同じである。

質量:規格の式には縞の分が入っていない

鋼板は重さで値段が決まることが多いので、質量の決め方は費用に直結する。JIS G 3193 は、鋼板の質量は通常、計算質量としてキログラムで表すとし、計算方法を表 12 で定めている[1]。基本質量は 7.85 kg/(mm・m²)(厚さ 1 mm、面積 1 m² の質量)で、単位質量=基本質量×厚さ(有効数字 4 桁に丸める)、面積=幅×長さ(4 桁に丸める)、1 枚の質量=単位質量×面積(3 桁に丸める)の順に求める[1]。計算の手順の全体は鋼材の重量の計算で扱った。

この式を縞鋼板に当てはめると、たとえば厚さ 4.5 mm・1,219 × 2,438 mm の板は、単位質量 7.85 × 4.5 = 35.325 → 35.32 kg/m²(数値の丸めは JIS Z 8401 の規則 A によるので、ちょうど半分は偶数側へ丸める)、面積 1.219 × 2.438 = 2.971922 → 2.972 m²、1 枚の質量 35.32 × 2.972 = 104.97 → 105 kg になる。ここに縞の鋼の分は入っていない。地の厚さで 4.5 mm と呼ぶ板なら、実際の質量はこれより重くなる。縞を含む厚さで呼ぶ板なら、この式は実際より重く見積もる。

したがって、縞鋼板の質量は次のどれで決めるかを、見積の段階で合わせておく。

質量の決め方 中身 発注書で決めること
平らな板の計算質量 JIS G 3193 表 12 の式(7.85 × 厚さ × 面積)。縞の分は入らない 厚さの呼び方(地か、縞を含むか)。差額をどう扱うか
製造業者の単位質量表 縞の形を含めて製造業者が定めた 1 m² あたりの質量 どの製造業者の、どの模様の表か。仕入先が替わっても使えるか
実測質量 量った重さで取引する 量る単位(1 枚・1 結束)と丸め方

表の 1 行目の式は JIS G 3193 による[1]。2 行目・3 行目は規格の定めではなく、取引で選べる方法を並べたものである。どれでもよいが、仕入先によって決め方が違うと、相見積の単価がそろわない。見積依頼の段階で、質量の決め方を一つに決めて全社に伝える。

🛠 見積依頼なら — 取引先はアカウント登録なしで、届いたメールのリンクから回答できる Newji one(製造業の見積・発注クラウド/サービス資料は無料)

材質:SS400 なら JIS G 3101 の受渡し条件が掛かる

縞鋼板の材質を JIS の材料規格の記号で指定する場合、たとえば SS400 なら一般構造用圧延鋼材の JIS G 3101 になる。JIS G 3101(2024 年 2 月 20 日改正)は、鋼材の形状・寸法・質量とその許容差を JIS G 3191〜3194 によるとし、鋼板については JIS G 3193 を引いている[2]。SS400 の鋼板の機械的性質は、厚さの区分ごとに降伏点の下限と、引張強さ 400〜510 N/mm²、曲げ性などを定めている[2]。

検査文書の扱いは、ステンレスの規格と違う。JIS G 3101 は、製造業者は特に指定がない場合、検査文書を注文者に提出しなければならないとし、注文時に特に指定がない場合の種類は検査証明書 3.1 によるとしている[2]。一方、商社やシャーリング業者を通して切板で買う場合、JIS G 0404 は、中間業者または加工業者は注文者の要求がある場合に製造業者の検査文書を提出し、中間業者が製品の寸法(幅・長さなど)を変えたときは、その変更を示す付帯的な文書を出すとしている[3]。切板の縞鋼板で材料の証明が要るなら、製造業者の検査文書と切断の記録を求めることを発注書に書く。区分の違いはEN 10204 のミルシート区分にまとめた。

どの材料規格に適合する製品として出荷されるのかも確かめる。縞鋼板の製品が JIS の材料規格に適合させて作られているか、製造業者独自の製品なのかで、成績書に載る項目が変わる。ここは規格では決まらないので、仕入先の製品資料で確かめる。

床に使うなら:滑りと勾配

縞鋼板を床や階段に使うとき、模様の目的は滑り止めである。労働安全衛生規則は、事業者は作業場に通ずる場所と作業場内に労働者が使用するための安全な通路を設け、常時有効に保持しなければならないとし(第 540 条)、作業場の床面はつまずき・すべりなどの危険のないものとし、安全な状態に保持しなければならないとしている(第 544 条)[4]。床材の選び方そのものを条文が指定しているわけではないが、縞鋼板を選んだ側が、使う場所で滑りの危険がないかを考える前提になる。

労働省産業安全研究所(現 労働安全衛生総合研究所)の研究報告は、縞鋼板の防滑性能を履物と表面の状態(乾燥・砂・水・油)を変えて調べている[5]。報告は、縞鋼板の用途として作業場内・通路・車両等のデッキ・階段の踏面・斜路を挙げ、酷使される場所が多く、滑って転倒してけがをした事例も続発しているとしている[5]。床すべり試験機の結果では、平鉄板は表面に何も処理しないときに高い抵抗値を示すが、油を塗ると著しく低下して極めて滑りやすくなり、縞鋼板も滑りやすくなるが平板ほど著しくない、と述べている[5]。歩行の実験からは、皮靴・安全靴を履く工場などでは縞鋼板の床の勾配は 15° 以下であるべきで、地下足袋に類する履物を使う所では縞鋼板の床は水平に仕上げるべきだと結論している[5]。

この報告は古い研究で、使った試験機は本来平らな床のためのもので、表面に凸部がある床には適用できない、と報告自身が断っている[5]。数値をそのまま設計の基準に使うのではなく、「縞鋼板でも油や水で滑りやすくなる」「勾配が付く場所では履物との組み合わせで危険が増す」という傾向として読む。発注側としては、油や水がかかる場所か、勾配や階段か、どんな履物で歩くかを、図面の段階で設計と確かめる。

加工と表面:切断・曲げ・塗装の前に決めること

縞鋼板は、切断して蓋や踏み板にし、曲げて縁を立て、溶接で枠に付けて塗装する、という使い方が多い。いくつか決めておく点がある。

1. 模様の向き
模様に方向がある縞鋼板では、板から部品を取る向きが仕入先の都合で決まらないように、部品の図面に模様の向きを書くか、向きを問わないことを書く(当方の提案)。

2. 曲げの向き
縞の面を外側にして曲げるか、内側にして曲げるか。曲げの限界の考え方は板金の曲げ加工でできないことで扱った。

3. 表面の手入れと外観
JIS G 3193 は、鋼板の表面に欠点がある場合、製造業者はグラインダ手入れや溶接補修によって欠点の除去や補修を行ってもよいとし、手入れ後や補修後の厚さは許容差の範囲内でなければならないとしている[1]。外観が品質に入る部品なら、手入れ跡をどこまで許すかを限度見本で決める。外観の決め方は外観の合否基準を仕入先と決めるで扱った。

4. 塗装
表面に凹凸があるので、膜厚をどの部分で測るかを決めておく(当方の提案)。塗装の指定は塗装の仕様の決め方で扱った。

発注書に書くこと

1. 材質と規格
「SS400(JIS G 3101)」のように材料規格を書く。寸法・許容差は JIS G 3193 によることを確かめる[2]。

2. 厚さの呼び方
「地の厚さ 4.5 mm(縞を除く)」か「縞を含む厚さ」か。JIS G 3193 の本文には縞の扱いがない[1]。

3. 厚さを測る位置
縞を除く地の部分で、縁から 15 mm 以上内側(カットエッジの場合)など[1]。

4. 模様の種類
仕入先の製品名や模様の名称・図で特定する。仕入先が替わったら模様も変わりうる。

5. 質量の決め方
平らな板の計算質量・製造業者の単位質量表・実測のどれか。規格の式は縞の分を含まない[1]。

6. 検査文書
JIS G 3101 に適合する製品として出荷されるなら、指定がなくても提出される[2]。製造業者独自の製品か、中間業者からの切板なら、注文時に製造業者の検査文書を求め、切板なら切断の記録も求める[3]。

7. 使う場所の条件
床・階段・斜路か、油や水がかかるか。設計と確かめる[4][5]。

よくある質問

前回と同じ「t4.5」で頼んだのに、重さが違いました

仕入先や模様が替わると、厚さの呼び方や縞の形が変わることがある。JIS G 3193 の本文は縞を扱っておらず、規格の計算質量は平らな板の式である[1]。厚さの呼び方と質量の決め方を発注書に書き、前回の製品の製造業者名と模様を記録しておく。

縞鋼板を使えば、床の滑りの対策は済みますか

労働安全衛生規則は、作業場の床面をすべりなどの危険のないものとし、安全な状態に保持することを事業者に求めている[4]。研究報告では、縞鋼板も油を塗ると滑りやすくなり、履物によっては勾配のある床が危険になるとされている[5]。材料を選ぶだけでなく、油や水の付き方と、清掃・保持の仕方まで含めて考える。

見積の単価をそろえるには、どうすればよいですか

見積依頼の段階で、材質と規格、厚さの呼び方、模様、質量の決め方(計算か、製造業者の表か、実測か)を一つに決めて全社に伝える。どれかが違うと、同じ「縞板 t4.5」でも比べる対象が違ってしまう。

まとめ

縞鋼板を JIS で注文するときに寸法の規格として引く JIS G 3193 は、その本文に縞の扱いがなく、厚さが地の厚さなのか縞を含むのか、どこで測るのかは規格から決まらない。質量の計算も平らな板の式(7.85 × 厚さ × 面積)で、縞の分は入っていない。JIS G 0404 のとおり、規格がない事項は発注書で規定し、厚さの呼び方・測る位置・模様・質量の決め方を書く。JIS G 3101 に適合する製品として出荷されるなら検査文書は指定がなくても提出されるが、製造業者独自の製品か、中間業者からの切板なら、注文時に製造業者の検査文書(切板なら切断の記録も)を求めておく。床に使うなら、労働安全衛生規則の床面の義務と、油や水で滑りやすくなる性質を踏まえて、使う場所の条件を設計と確かめる。

同じ束では、ステンレスの種類の違いをSUS430 と SUS304 の違いで、ステンレスの鋳物をSCS13 の発注で扱う。

出典・参考資料

  1. JIS G 3193:2025 熱間圧延鋼板及び鋼帯の形状,寸法,質量及びその許容差(日本産業標準調査会 JIS 検索で閲覧/2025 年 4 月 21 日改正)
  2. JIS G 3101:2024 一般構造用圧延鋼材(日本産業標準調査会 JIS 検索で閲覧/2024 年 2 月 20 日改正)
  3. JIS G 0404:2023 鋼材の一般受渡し条件(日本産業標準調査会 JIS 検索で閲覧/2023 年 12 月 20 日改正)
  4. 労働安全衛生規則(e-Gov 法令検索(デジタル庁))
  5. 宇野英隆・木下鈞一「床の防滑性能について(第 3 報 デッキプレートの防滑性能)」産業安全研究所研究報告 RR-13(労働省産業安全研究所・独立行政法人労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所が公開)

鋼板を使う部品・製品の生産先を探すときに

newji の OEM/ODM 生産では、品質要求・数量・納期・コストをもとに、国内外のサプライヤーネットワークから案件ごとに生産先を選定します。金属加工では切削・溶接・塗装・表面処理などに対応し、対応材質には各種鋼材を含みます。

OEM/ODM 生産について見る

WHITE PAPER

この記事の理解を深める
無料ホワイトペーパーをプレゼント

製造業の現場で使える実務資料(PDF)を無料でお届けします。"こんな資料が届きます" ↓ 下のボタンからどうぞ。

FREE DOCUMENT — サービス資料(PDF・無料)

見積依頼から比較まで、
ひとつの画面にまとめる方法

Newji one は、製造業の調達・受発注に特化したクラウド/AIエージェント。見積依頼・発注書作成・進捗管理・承認をひとつの画面に集約し、AIが比較と異常検知を担当。最後の「GO」だけ人が押す仕組みです。

  • 見積〜発注〜納期を一元管理。催促・転記のムダをゼロに
  • AIが相見積もり比較と異常検知。あなたは判断だけに集中
  • 取引先は「招待」で完全無料。自社コストだけで取引先ごとデジタル化

※ 取引先から招待された企業様は完全無料でご利用いただけます

𝕏NEWJI総研は、調達・品質・設計の知識を X でも発信しています — @newji_souken をフォロー

NEWJI総研

購買・調達や設計・品質の実務を、
研修テキストと実務書式にまとめています。
無料サンプルで中身を確かめられます。

NEWJI総研の資料を見る

OEM/ODM 生産委託

アイデアはある。作れる工場が見つからない。
試作1個から量産まで、加工条件に合わせて最適提案します。
短納期・高精度案件もご相談ください。

加工可否を相談する

AI/DX支援

見積・発注、紙・FAX、品質記録など、
人に頼って回っている業務を、AIと仕組みで回る形に。
まずは無料でご相談ください。

AI/DX支援を見る

見積・発注クラウド Newji one

受発注が増えるほど、入力・確認・催促が重くなる。
受発注管理を“仕組み化“して、ミスと工数を削減しませんか。
見積・発注・納期まで一元管理できます。

機能を確認する

You cannot copy content of this page