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電動トルクドライバーの調達方法と締め忘れ防止機能の選び方

目次
はじめに:製造業における電動トルクドライバーの重要性
近年、製造現場は大きな変革期を迎えています。
人手不足への対応や製品品質向上、さらには省力化・効率化が求められる中、電動トルクドライバーの活用は、その中心的な役割を担うようになっています。
一方で、昭和時代から続くアナログな現場では、「昔ながら」のドライバー選定や調達の方法が根強く残っていることも事実です。
本記事では、現場経験を交えつつ、最新の業界動向や実践的な調達方法、さらに失敗しない「締め忘れ防止機能」の選び方まで詳しく解説します。
バイヤーを目指す方や、サプライヤーとしてバイヤーの考えを知りたい方にとっても有用な内容となっていますので、ぜひ参考にしてください。
電動トルクドライバーとは?基本をおさえる
電動トルクドライバーの用途と特徴
電動トルクドライバーは、主に大量のネジ締め作業が発生する製造現場で使用されます。
最も大きな特徴は、指定したトルク値で安定したネジ締めが可能な点や、作業者によるバラつきを抑えられることにあります。
また、近年は「締め忘れ防止」や「トレーサビリティ記録」、「自動停止」などの先進的な機能が搭載されている製品も増え、品質管理や省人化の面でも要注目となっています。
アナログ現場の課題と電動化のメリット
現場ではいまだに手作業やエアドライバーを根強く利用する工場も多いですが、これには「初期投資の手間」や「操作に慣れている」という昭和的な価値観が影響しています。
しかし、昨今の品質不正問題や海外進出に伴うグローバル標準への対応として、電動化は避けられない流れです。
電動化のメリットは、
・作業者ごとの品質ばらつき軽減
・作業データの記録と活用
・トルク確認や締め忘れ防止による品質維持
など多岐にわたります。
電動トルクドライバーの調達方法 ~コスパと現場対応力で選ぶ~
調達先の選び方:大手メーカー・商社・ネット通販の違い
調達先としては、主に「大手工具メーカー」「専門商社」「ネット通販(ECサイト)」が挙げられます。
それぞれの特徴を現場目線で解説します。
大手メーカー:
・安定した品質とサポート
・納入実績が豊富で社内稟議を通しやすい
・カスタム対応やトレーニングが充実しているが、導入コストは高め
専門商社:
・複数メーカーの製品を横断的に提案してくれる
・現場の悩みを相談すると、柔軟なソリューションを提案してくれる
・一方で、やや中間マージンが価格に乗る場合もある
ネット通販(ECサイト):
・価格が分かりやすく、短納期対応が強い
・導入予定機種が明確な場合は最もローコスト
・現場への直接的なサポートやトラブル対応は限定的
コストだけで判断せず「稼働率」も考える
安価な機種や並行輸入品も増えてきましたが、導入後の初期不良や消耗部品の交換スピード、故障時の代替品貸出など、稼働率の維持も調達バイヤーとしては重要な観点です。
安物買いの銭失いにならないよう、単価ではなくトータルコスト(=導入~メンテナンス~廃棄まで)での判断をおすすめします。
現場ニーズの拾い上げで失敗を防ぐ
現場とのコミュニケーションを怠ると、「実際のネジには合わなかった」「作業者の手が疲れる」「トルク設定がわかりづらい」など、導入後のトラブルにつながります。
・現場で実際に使う作業者の要望
・現場での工具置き場や作業姿勢の制約
・特殊なネジや作業サイクルの有無
こうした現場起点の情報収集もバイヤーの大事な役割です。
締め忘れ防止機能の選び方と最新動向
現場課題:ネジの締め忘れはなぜ発生するのか?
ネジの締め忘れや、トルク不足は生産現場で後を絶たない課題です。
要因の多くは、
・単調作業によるヒューマンエラー
・締め数のカウントミス
・異なる部位でのトルク切り替え忘れ
などが挙げられます。
電動トルクドライバーの選定時、この課題を解消できる「締め忘れ防止機能」はただのオプションではなく、“必須機能”になりつつあります。
基本の締め忘れ防止機能の種類
1. カウント機能
ネジを締めた回数を自動でカウントし、上限または不足時にアラームを鳴らします。
特に複数本同時作業のラインでは「必須」ともいえる機能です。
2. トルク到達確認機能
設定トルクに到達しない限り、締めカウントが進まない仕組みです。
トルクリミッターだけでなく、電子制御での管理が標準に。
3. 外部連携型(IoT・PLC連携など)
工場の自動ラインでは、ドライバーとPLCを連動させ、締結作業のOK/NGを自動認識・記録。
データとして保存し、不具合発生時も追跡が簡単です。
選定時のポイント:現場目線での3つのポイント
1. 操作性
作業者が直感的に理解しやすいインターフェースや表示。
例:大型ディスプレイやLED表示、音声ガイドなど。
2. メンテナンス性
日常点検が容易な構造か、部品交換やソフトウェアアップデート対応も重要。
3. 工程設計とのマッチング
締結の順序指定が可能なモデルや、異なるトルク・回転方向設定の切替えなど、現場工程との親和性も加味しましょう。
最新動向:AI活用・スマートファクトリー対応
脱アナログの旗手となるAI・IoT技術の導入にも注目です。
例えば、振動や回転トルクをリアルタイム診断しAIが“押しつけ過ぎ”や“不適切なネジ打ち”を検知して教えてくれる製品も登場しています。
また、作業履歴をクラウド管理し、不良発生原因の特定や作業改善に活用するなど、スマートファクトリー化を目指す現場に最適な機能が続々と開発されています。
まとめ:昭和の現場力とデジタル技術の融合を
電動トルクドライバーの調達や締め忘れ防止機能の選定は、単純なコストダウン策ではありません。
人手不足、品質不正、さらにはグローバル化という、日本の製造業が直面する複雑な課題に向き合うための“戦略的な武器”となりつつあります。
調達バイヤーとしては、現場とのコミュニケーションを丁寧に行い、現場で培われた昭和的な実践知と最新のデジタル技術をバランスよく融合させることが今後ますます求められます。
これが工場全体の競争力強化、ひいては製造現場の持続的発展につながるのです。
製造業に携わる皆さまが、明日からの現場改善の一助となることを心より願っています。
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