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投稿日:2026年10月1日

ばねの発注で仕様書に書くこと——力で決めるか寸法で決めるか

この記事のポイント(結論先出し)

コイルばねは、寸法だけを書いた図面では発注できない。ばね製図の JIS は、ばねは所定の力をかけたときの寸法か、所定の寸法にしたときの力を指定して設計・製作することが多いので、寸法形状だけの表示では足りないとしている[3]。2026 年 8 月に改正されたコイルばねの製品仕様の JIS は、許容差を 1 級〜3 級の等級で表し、発注者が項目ごとに等級を選ぶ形にしている[1]。そのうえで、力(ばね特性)に許容差を付けたら、それに影響する自由長さや総巻数には許容差を付けない、という組み合わせの決まりがある[1]。仕様書には、ばねの種類ごとに規格が挙げる項目を書き、ねじりばねでは測り方(案内棒の径など)まで書く。表面処理と用途は当事者間の協定で書く項目で、めっきをするなら水素ぜい性への処置も発注時に決めておく[1][5]。

ばねは「寸法」だけでは決まらない部品

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機械部品の図面は、形と寸法と公差で部品を決めるのが普通である。ばねはこの考え方がそのままでは通らない。ばねに求められているのは「この長さまで縮めたときに、この力を出す」という働きであり、寸法はその働きを出すための手段だからである。

JIS B 0004(ばね製図)は、適用範囲の備考でこの点を明記している。ばね及びばね要素は、ほかの機械要素部品と異なり、所定の力を作用させたときの寸法または所定の寸法にしたときの発生力を指定して設計・製作することが多いので、単なる寸法形状だけの表示では不十分であり、主な技術仕様を合わせて表示することにしている、という趣旨である[3]。その技術仕様をまとめて書く表を、同じ規格は「要目表」と呼び、図には表現しにくい設計及び製作仕様の詳細を所定の項目について記載した表の慣用名と定義している[3]。

JIS B 2704-1(コイルばね-第 1 部:基本計算方法)も、ばねの設計は使用者が指定するばね特性に従って行い、そのばね特性を満たすように線径、コイル内径または外径、巻数、自由長さなどの寸法を決めることが多い、と書いている[2]。つまり、発注側が先に決めるべきなのは「力と長さ(またはねじれ角とモーメント)の関係」であり、細かな寸法の多くは仕入先がそれに合わせて決める側に回る。

この規格群は 2026 年 8 月 20 日に改正されている。第 2 部は 2018 年版の「仕様の表し方」から「製品仕様及び測定・試験方法」へ名称が変わり、2018 年版は改正後の規格に置き換えられた[1]。社内の購買仕様書が旧版の名称や箇条を引いているなら、次に改訂するときに見直す対象になる。

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力で決めるか、寸法で決めるか

ばねの仕様でいちばん揉めやすいのは、力と寸法の両方に厳しい許容差を付けてしまうことである。ばねの力は、材料の直径、コイル径、有効巻数で決まる。線材の直径やばね材の性質にはばらつきがあるので、仕入先は巻数や自由長さを少しずつ調整して力を合わせる。力にも自由長さにも厳しい許容差を付けると、その調整の余地がなくなる。

JIS B 2704-2 はこの関係を規定の形で示している。圧縮ばねでは、ばね特性の許容差の等級を「指定力のときの長さ」「指定長さのときの力」「ばね定数」の中から一つ発注者が指定し、ただし、ばね特性に影響する自由長さと総巻数について許容差の等級または許容差を指定する場合は、ばね特性に許容差の等級を指定しない、としている[1]。逆に、寸法の側でも、ばね特性に許容差の等級を指定した場合は、自由長さの許容差の等級を指定しない、としている[1]。引張ばねでは自由長さ・巻数・フックが、ねじりばねでは腕の自由角度が、同じようにばね特性と二重に縛らない項目として挙げられている[1]。

規格の記載例も、この考え方で書かれている。冷間成形圧縮ばねの例では、指定長さ 70 mm のときの力に「150±15 N」と許容差を付け、自由長さは「(80)」と括弧付きで許容差を付けずに書いている[1]。ねじりばねの記載例は、自由角度に許容差を付けた例と、指定ねじれ角のときのねじりモーメントを等級で指定した例を並べ、後者では自由角度を括弧付きで示している[1]。

発注側の判断として、どちらを主にするかは組み込み方で決まる。ばねが相手部品を押す力で機能が決まる(スイッチの操作力、弁を閉じる力、クラッチの押し付け力など)なら、力を主にして長さは参考値にする。組み込みの空間が厳しく、自由長さや外径が収まらないと組めないなら、寸法の許容差を付け、力は確認値として扱うかを仕入先と相談する。どちらにしても、「力にも長さにも等級を付けた図面」を受け取った仕入先は、どちらを優先すればよいか判断できないので、見積の段階で質問が返ってくるか、黙ってどちらかを優先した品物が届く。

許容差は「等級」で、項目ごとに選ぶ

JIS B 2704-2 は、圧縮ばねのばね特性と寸法の許容差を最大で 1 級〜3 級の 3 等級に区分し、対象の項目を指定力のときの長さ、指定長さのときの力、ばね定数、自由長さ、コイル内径またはコイル外径、コイル外側面の直角度としたうえで、発注者は各項目の等級を独立に選定すると定めている[1]。仕様書には、項目ごとに必要に応じて許容差を等級または数値で記載する[1]。

等級で書く利点は、数値の根拠を仕入先と共有できることである。「±10 %」と数値だけ書くと、それが標準的な精度なのか、特別に厳しい指示なのかが伝わらない。「2 級」と書けば、規格の表にある値として双方が同じものを見る。冷間成形圧縮ばねの「指定長さのときの力」の許容差の等級は、有効巻数によって次のように分かれている[1]。

等級 有効巻数 3 以上 10 以下 有効巻数 10 を超える 発注時に考えること
1 級 ±5 % ±4 % 力のばらつきが機能に直結する場合。工程の調整・選別が増える前提で見積を取る
2 級 ±10 % ±8 % まず検討する中間の等級。どの等級を基準にするかは用途で決める
3 級 ±15 % ±12 % 力に余裕のある機構。戻しばねなど

ばね定数の許容差の等級も、冷間成形圧縮ばねでは同じ数値の並び(1 級 ±5 %・±4 %、2 級 ±10 %・±8 %、3 級 ±15 %・±12 %)になっている[1]。熱間成形の圧縮ばねは表が別で、ばね定数の許容差は 1 級 ±5 %、2 級 ±10 % の 2 等級とし、2 級を標準として精度を必要とするものに 1 級を指定してもよい、としている[1]。表の右の列は規格の規定ではなく、発注側の考え方の例である。

寸法の許容差も等級で表される。冷間成形圧縮ばねの自由長さとコイル径の許容差は、ばね指数(コイル平均径 D と材料の直径 d の比 c=D/d)の範囲ごとに等級の値が決まっている[1]。コイル径については、発注者が内径か外径のいずれかを選んで許容差の等級を指定する、とされている[1]。相手部品の穴に入れるばねなら外径を、軸に通すばねなら内径を選ぶのが自然で、両方に許容差を付ける理由は普通はない。

プレス品や機械加工品に使う普通公差の考え方は、ばねにそのまま持ち込まない方がよい。ばねには上のように専用の許容差の等級があり、どの項目に許容差を付けないかまで規定されている。板金品の普通公差の指定はプレス・板金品の公差の指定で、機械加工品は普通公差(JIS B 0405)の等級指定で扱っている。

ばねの種類ごとに、仕様書に書く項目

JIS B 2704-2 は、圧縮ばね・引張ばね・ねじりばねのそれぞれに「仕様書に記載する項目」を挙げ、使用上の条件に応じて必要な項目をそこから選ぶ形にしている[1]。項目の数は種類ごとに違う。

圧縮コイルばね(8 項目)

a) 形状(コイル平均径、コイル内径または外径、総巻数と有効巻数、座巻数、巻方向、コイル端部の形状)、b) 材料と材料の直径、c) 自由長さ、d) ばね特性(ばね定数、指定力または指定長さ、そのときの長さまたは力)、e) 試験力、f) 密着長さ、g) コイル外側面の直角度、h) 硬さ(熱間成形のものに適用)の 8 項目である[1]。巻方向は右巻なら省略してよい[1]。コイル端部の形状は、クローズドエンドかオープンエンドか、研削の有無などで規格の図に名前が付いているので、名前で指定する[1]。

密着長さは、一般には指定しないとされている[1]。組み込み状態でばねが密着してしまう心配があるなら、設計の段階で余裕を取るのが先で、仕様書に密着長さだけを書き足しても機能は守れない。

引張コイルばね(5 項目)

a) 形状(コイル平均径、コイル内径または外径、巻数、巻方向、コイル長さ、フック部長さ、フック対向角)、b) 材料と材料の直径、c) 自由長さ、d) ばね特性、e) 硬さ(熱間成形のものに適用)の 5 項目である[1]。引張ばねには初張力がある。ばね用語の JIS は、無荷重時にコイル間が密着している引張コイルばねの、コイル間を密着する方向に作用している力と定義している[6]。製品仕様の JIS の記載例では、初張力を括弧付きの参考値として書いている[1]。

フックは引張ばねで最も壊れやすい部位である。基本計算方法の JIS は、フック部の応力は、フックがコイル本体から立ち上がる部分の応力集中とフック形状によって、コイル部のせん断応力より大きくなるとしている[2]。フックの形状(半丸フック、丸フック、U フックなど)は規格の図に名前があるので名前で書き、フックの対向角・中心ずれ・倒れ・出っ張りの許容差は受渡当事者間の協定によるとされているので、必要なら数値で合意する[1]。

ねじりコイルばね(6 項目)

a) 形状(コイル長さ、腕部の長さ、腕部の角度などを図で表す。コイル平均径、コイル内径または外径、巻数、巻方向)、b) 材料と材料の直径、c) 自由角度、d) ばね特性(指定ねじれ角と、そのときのねじりモーメント)、e) 案内棒の径(必要に応じて、端末の腕の保持方法、モーメント負荷位置などの測定方法を含める)、f) 硬さ(熱間成形のものに適用)の 6 項目である[1]。

ねじりばねで特に書き落としやすいのが e) である。規格は、指定ねじれ角のときのモーメントを測るときには、案内棒の径、端末の腕の保持方法、モーメント負荷位置など、仕様書に記載されているばね特性の測定方法に合ったジグを用いる、としている[1]。腕のどこを押すかでモーメントの値は変わるので、測り方が書いていない仕様書では、仕入先の成績書の値と受入で測った値がそろわない。案内棒の径については、基本計算方法の JIS が、最大使用のときのコイル内径の約 90 % とする算出式を示している[2]。

3 種類に共通して、協定で書く項目

3 種類とも、規格が挙げる項目以外に、表面処理、用途、使用条件などは受渡当事者間の協定によって記載するとされている[1]。ばね製図の JIS も、要目表に書く技術仕様として、ばね成形後の処理(表面加工、セッチング、防せい処理)と、ばねの使用環境(使用温度、繰返しの力かどうか)を挙げている[3]。セッチングは、ばね用語の JIS で、あらかじめ使用される最大値を超える荷重またはトルクを加えて、ある程度の永久変形を生じさせ、耐へたり性と耐久性を向上させる加工と定義されている[6]。へたりは、同じ規格でばねの永久変形の総称とされている[6]。「常温・繰返し力」「屋外・常温」のように使用条件を一行書いておくだけで、仕入先が材料や処理を選ぶ前提が変わる[1]。

材料と証明書:何を指定し、何を出させるか

基本計算方法の JIS は、ばねに用いる材料を表にまとめ、表以外の材料やほかの用途に使う場合は受渡当事者間の協定による、としている[2]。表には、熱間成形ばねに使うばね鋼鋼材(JIS G 4801)、冷間成形ばねに使う硬鋼線(JIS G 3521)、ピアノ線(JIS G 3522)、ばね用オイルテンパー線(JIS G 3560)、弁ばね用オイルテンパー線(JIS G 3561)、ばね用ステンレス鋼線(JIS G 4314)、銅合金の線(JIS H 3260、JIS H 3270)が並び、汎用・導電・非磁・耐熱・耐食・耐疲労の用途ごとに推奨材料が示されている[2]。材料は「ばね鋼」「ステンレス」のような呼び方ではなく、規格と記号(例:SWP-B、SUS304-WPB)で指定する。

ピアノ線の JIS は、主として動的な力を受けるばねに使う線について定め、種類を SWP-A、SWP-B、SWP-V の 3 種類とし、V 種を弁ばね又はこれに準じるばね用としている[4]。同じ規格の「報告」の箇条は、製造業者は注文者から要求がある場合に検査文書を提出しなければならないとし、報告する検査文書の種類は、注文時に特に指定がない場合は JIS G 0415 の検査証明書 3.1 による、としている[4]。

ここで注意したいのは、ばねを買う側は線材の「注文者」ではないことである。線材の検査文書を受け取るのは、線材を買ったばねメーカーである。ばねの受入で材料の裏付けがほしいなら、ばねの発注書に「使用した線材の検査文書(写し)を、ロットごとに提出する」と書いておく必要がある。これは規格の要求ではなく、発注側の提案である。検査文書の種類の読み方はEN 10204 のミルシート区分で扱っている。

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試験・硬さ・表面状態:規格が決めていることと、決めていないこと

ばね特性を測るときの力について、規格は最大試験力の 80 % 以下で測るとし、最大試験力を計算する式と、材料ごとのせん断応力の値を定めている[1]。熱間成形の圧縮ばねは、ばね特性の試験を通常は最大試験力を 1 回かけた後に行う、とされている[1]。

硬さについては、熱間成形のばねの焼戻し後の硬さをブリネル硬さで 388 HBW〜461 HBW とし、これ以外が必要なら受渡当事者間の協定による、とする一方、冷間成形ばねの硬さは規定しないとしている[1]。冷間成形のばねの図面に硬さを書いても、それは規格を根拠にした要求ではなく、発注側が独自に決めた要求になる。書くなら試験方法と測る位置まで合意する必要がある。試験方法の指定の考え方は硬さの指定と試験方法で扱っている。

表面状態は、使用上有害なきず、腐食その他の欠点があってはならないとし、試験は目視で行う[1]。熱間成形のばねについては、使用者から要求があった場合に、磁粉探傷試験や脱炭層深さの測定を行うとされている[1]。「要求があった場合」の試験なので、必要なら発注時に書かなければ行われない前提で考える。

表面処理と水素ぜい性:めっきをするなら処置を発注時に決める

小物ばねや薄板ばねには、防食のために電気めっきをすることが多い。日本ばね学会のばね論文集に載った報告は、炭素鋼で作られた小物ばね・薄板ばねの多くに防食を目的とした電気めっきが施され、この処理で鋼中に多量の水素が吸収されて水素脆化が起こること、ばねは高いかたさを要求されるが、かたさが高いほど水素脆化しやすく、使用応力も高いので特に注意が要ることを指摘している[5]。同じ報告は、脆化が取り付けから時間がたって折損する遅れ破壊や疲労寿命の低下という形で現れるので事前に予知しにくいこと、防止策としてめっき後にベーキング処理を行っていることも述べている[5]。この報告は 1980 年のもので、処理条件の数値をここから引くのではなく、ばねで水素ぜい性が問題になる理由として読む。

コイルばねの JIS は表面処理を受渡当事者間の協定で記載する項目としているので[1]、めっきをするなら、めっきの種類・膜厚を書いたうえで、炭素鋼のばねではめっき後に水素ぜい性を除く処置(ベーキング)を行うことを前提にし、その温度と時間、めっきが終わってからいつまでに始めるかを、発注の時点でばねの仕様書に書く。数値は素材の硬さとめっきの規格によって変わるので、ここでは挙げない。ただし、めっきの種類によってはベーキングの効果が限られるので、ベーキングだけで足りるとは考えず、めっきの種類の選び方も含めてめっきの規格で決める。めっきの規格が何を「発注者が書く事項」としているかはめっきの発注で指定することで、強度の高い締結部品とめっきの組み合わせはボルトの強度区分と規格の指定で扱っている。ばねメーカーがめっきを外注に出す場合は、めっき業者まで条件が伝わっているかを確かめる。

揉めやすい点と、受入で確かめること

1. 括弧付きの寸法で不合格にする
ばね特性に許容差を付けた仕様書で、括弧付き(許容差なし)の自由長さを受入で測り、図面の値からずれているとして不合格にすると、規格の組み合わせの考え方と食い違う。受入の検査項目は、仕様書で許容差を付けた項目にそろえる。

2. 測り方の違い
圧縮ばねの直角度は、端面をテーパ加工または研削したばねについては規格に測り方があるが、そうでないばねの測り方は受渡当事者間の協定による、とされている[1]。ねじりばねのモーメントはジグで値が変わる[1]。測り方が決まっていない項目は、値が合わなくても、どちらが正しいかを決められない。

3. 表面処理の後の特性
めっきや塗装をした後のばねの特性で受け入れるのか、処理前の特性で受け入れるのかを決めていないと、処理後に力がずれたときの責任の所在があいまいになる。仕様書に「表面処理後の状態で測る」かどうかを書いておく。

4. 発注後に基準を厳しくする
等級を後から 1 級に引き上げて不合格にするといった、発注後の基準の変更は、取引の条件によっては受領拒否ややり直しの問題になる。基準は発注のときに明示しておく。考え方は受領拒否・返品・やり直しのルールで扱っている。フックの端部などのバリや面取りの指示の仕方は図面のエッジ・バリ・面取りの指示を参照してほしい。

よくある質問

Q. 既製品(カタログ品)のばねを買うときも、仕様書は要りますか。
型番で買う場合、仕様はカタログに書かれた値になる。カタログの値が自社の使い方(指定する長さ、繰返しの回数、温度)で保証されているかを確かめ、足りなければ特注として仕様書を出す。カタログ品をそのまま使う場合でも、型番の変更や材料の変更があったときに知らせてもらう取り決めは別に要る。

Q. 図面に「ばね定数 15 N/mm」とだけ書いてあれば足りますか。
足りない。規格はばね特性の指定を「ばね定数」「指定力または指定長さ」「そのときの長さまたは力」の組み合わせで書く形にしており[1]、ばね定数だけでは、どの長さのときにどれだけの力が出るか(取付け時の力)が決まらない。指定長さとそのときの力を書き、どれに許容差を付けるかを決める。

Q. 海外の仕入先にも JIS の等級は通じますか。
JIS B 2704-2 は日本の規格なので、等級の番号だけを書いても相手が規格を持っていなければ伝わらない。等級を書く場合は、許容差の数値も併記しておくと誤解が減る。材料も JIS の記号だけでなく、相手が使う規格の材料に置き換えるなら、その判断の手順を別に決めておく。

まとめ

ばねは、所定の力のときの寸法か、所定の寸法のときの力で指定する部品である[3]。コイルばねの製品仕様の JIS は 2026 年 8 月に改正され、許容差を 1 級〜3 級の等級で表し、発注者が項目ごとに等級を選ぶ[1]。力に許容差を付けたら、それに影響する自由長さや巻数には許容差を付けない[1]。仕様書には、圧縮 8・引張 5・ねじり 6 の規格の項目から必要なものを選び、ねじりばねでは測り方まで書く[1]。材料は規格と記号で指定し、線材の検査文書がほしければばねの発注書で求める[2][4]。表面処理と使用条件は協定で書く項目で、めっきをするなら水素ぜい性への処置を発注時に決める[1][5]。

出典・参考資料

  1. JIS B 2704-2:2026 コイルばね-第 2 部:製品仕様及び測定・試験方法(日本産業標準調査会 JIS 検索で閲覧/2026 年 8 月 20 日改正)
  2. JIS B 2704-1:2026 コイルばね-第 1 部:基本計算方法(日本産業標準調査会 JIS 検索で閲覧/2026 年 8 月 20 日改正)
  3. JIS B 0004:2007 ばね製図(日本産業標準調査会 JIS 検索で閲覧/2007 年 4 月 20 日改正)
  4. JIS G 3522:2025 ピアノ線(日本産業標準調査会 JIS 検索で閲覧/2025 年 3 月 21 日改正)
  5. 加藤金治・宮田節男「電気亜鉛めっきによる炭素鋼の水素脆化について(第一報)」ばね論文集 第 25 号(日本ばね学会/1980 年)
  6. JIS B 0103:2015 ばね用語(日本産業標準調査会 JIS 検索で閲覧/2015 年 12 月 21 日改正・2025 年 6 月 20 日確認)

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