図面のエッジ・バリ・面取り指示——「バリなきこと」を仕入先と合わせる | newji
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投稿日:2026年10月1日

図面のエッジ・バリ・面取り指示——「バリなきこと」を仕入先と合わせる

この記事のポイント(結論先出し)

図面の「バリなきこと」「糸面取り」は、どこまで角を落としてよいか、どちら側にバリが残ってよいかを決めていない。形を問わないエッジは JIS B 0051 の図示記号で「ばり(パッシング)を許すか・角を落とすこと(アンダーカット)を求めるか」と、その最大寸法(必要なら最小寸法も)で指示するのが規格の方法である[1]。C1 のように形を決める面取りは、別に機械製図の寸法記入で指示する[1]。エッジの品質を等級で一括指定する JIS B 0721 もあり、ばりやきずを何倍の拡大で見て判定するかまで等級ごとに決めている[2]。仕入先とは、記号か数値に置き換えた指示と、見る倍率・バリ取りとめっきの順番を発注の時点で書面にそろえる。発注後に基準を厳しくして不合格にすることは、取適法の対象取引では受領拒否として認められない[5]。

「バリなきこと」「糸面取り」はなぜ揉めるのか

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部品図は理想の形を描く。JIS B 0051 の序文も、図面では理想的な幾何形状は偏差をもたないものとして、一般にエッジの状態を考慮せずに表現すると述べている。そのうえで、部品の機能や安全のためにエッジに特定の状態を指示する必要があり、その指示には、ばりがない、または寸法が制限されたばり(かどのエッジ)、隅のエッジの状態が含まれるとしている[1]。

実務の図面では、この指示を「バリなきこと」「糸面取りのこと」「エッジ鋭角部は面取り」といった注記で済ませることが多い。精密工学会誌の解説は、バリ取りが設計図面の「バリなきこと」「面取りのこと」という曖昧な指示に対して仕方なく行う付加価値のない作業と考えられがちだと指摘し、エッジ品質が設計されて初めてバリが定義され、バリ取りの目標が明らかになると書いている[3]。

購買の立場で困るのは、曖昧な注記のままだと、見積の前提と受入の判定がそろわないことである。仕入先は「手で触って引っかからなければよい」と考えて単価を出し、受入側は「拡大して見て残っていたら不合格」と考える。角をどこまで落としてよいかも決まっていないので、大きく落として機能を損なっても、ほとんど落とさずに鋭いまま納めても、どちらも「指示どおり」と主張できてしまう。

なお、ここで扱う 2 つの規格(JIS B 0051 と JIS B 0721)の本文を確認したかぎり、「糸面取り」という語は出てこない[1][2]。糸面取りは現場の呼び名であり、何 mm を指すかは会社や工場ごとの慣習で決まっている。海外の仕入先には、そもそも訳語の段階で伝わらない。

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エッジに関わる規格は役割が分かれている

エッジの指示には、目的の違う決まりが 3 つ関わる。混同すると、指示した側と読んだ側で別のことを考えることになる。

決まり 何を決めるか 版と対応国際規格 使う場面
機械製図の寸法記入(C1、1×45° など) 形を決めた面取り・丸み JIS B 0001 または ISO 129-1 による[1] はめあい・組付け・外観で形が要るエッジ
JIS B 0051 製品技術文書情報-形状を定義しないエッジ-寸法の指示方法 形を問わないエッジの状態(ばりを許すか、角を落とすことを求めるか)とその最大寸法・方向 2004 年制定・2023 年 3 月 20 日改正。ISO 13715:2017 を修正して作成(MOD)[1] 「バリなきこと」「糸面取り」の置き換え
JIS B 0721 機械加工部品のエッジ品質及びその等級 除去加工した部品のエッジ品質を A・B・C の 3 等級で区分 2004 年制定・2023 年 6 月 20 日確認[2] 部品全体のエッジ品質を等級で一括して指定

JIS B 0051 の適用範囲は、形状を定義しないエッジに対する寸法指示の規則で、直方体の頂点のように 3 つ以上の面が交わる部分(コーナ)には適用しない。形を幾何的に定めたいエッジ(例として「1×45°」「C1」)は、ISO 129-1 または JIS B 0001 の一般的な寸法記入方法によると明記している[1]。つまり、「C0.5」と「バリなきこと」は別の種類の指示である。前者は形を決め、後者は形を問わずに状態だけを決める。どちらにも当てはまらない「糸面取り」をどちらに置き換えるかを、まず設計部門と決める必要がある。

JIS B 0051 は 2023 年の改正で題名が変わっている。2004 年版の JIS B 0721 は引用規格の欄で「JIS B 0051 製図-部品のエッジ-用語及び指示方法」と旧い題名で引いている[2]。古い図面や社内標準に旧題名が書いてあっても同じ番号の規格を指しているが、どの年の版によるかは注記で決めておくほうがよい。

JIS B 0051 の指示の読み方

「かど」と「隅」、「パッシング」と「アンダーカット」

JIS B 0051 は、エッジを「かど」と「隅」に分け、外側に出たかどと内側に入った隅を図で描き分けている。そのうえで、理想的なシャープエッジから外側へはみ出す偏差を「パッシング」、内側へ削り込まれた偏差を「アンダーカット」と定義し、ばりやフラッシュ(成形のはみ出し)はかどにおけるパッシングの例だとしている[1]。

発注側の言葉に直すと、かどのパッシングは「残ったバリ」、かどのアンダーカットは「角を落とした分(面取り・丸みの形を問わないもの)」、隅のパッシングは「隅にできる盛り上がり(丸みなど)」、隅のアンダーカットは「隅の逃げ・くぼみ」にあたる。

+・-・± の 3 つで状態を決める

エッジの種類は基本図示記号の決められた領域に指示し、+(プラス)、-(マイナス)、±(プラス・マイナス)の 3 つの記号要素を使う。規格本文の定義は次のとおりである[1]。

記号要素 パッシング(はみ出し) アンダーカット(削り込み) 寸法の指示
+ 許容する 許容しない 任意(書けば最大偏差を規制)
- 許容しない 要求する 任意(書けば最大偏差を規制)
± 許容する 許容する 必須

最大偏差は記号要素の後ろに数値で書く。単一の正の値だけを書けば下の許容差はゼロとみなしてアンダーカットを許さず、単一の負の値だけを書けば上の許容差はゼロとみなしてパッシングを許さない。上下の両方が要るときは、常に両方の値を書く。書いた上と下の許容差は、それぞれ最大と最小の寸法にあたる[1]。

規格の附属書(参考)には指示例と意味が 18 例並んでいる[1]。そのうちいくつかを、発注側の言葉と並べておく。

附属書の例 規格での意味 発注側の言葉にすると
B.2 かど。パッシングを許容、寸法 0 mm〜0.1 mm、方向は規制しない 角は落とさない(面取りや丸みは付けない)。残るバリは 0.1 mm まで
B.5 かど。アンダーカットを要求、寸法は規制しない バリは残さず角を落とす。落とす量は問わない
B.6 かど。アンダーカットを要求、寸法 0 mm〜0.3 mm バリは残さず、角は 0.3 mm まで落とす
B.9 かど。パッシング 0 mm〜0.05 mm、アンダーカット 0 mm〜0.05 mm ほぼ鋭いままの角。どちら側にも 0.05 mm まで
B.12 隅。アンダーカットを要求、寸法 0 mm〜0.3 mm 隅は盛り上がりを残さず、0.3 mm までの逃げを付ける
B.16 隅。パッシングを許容、寸法 0.3 mm〜1 mm 下の値 0.3 mm は最小寸法なので、隅に 0.3 mm 以上 1 mm 以下の盛り上がり(丸みなど)が要る。鋭い隅のままでは不可

この表から分かるのは、「バリなきこと」には少なくとも 2 通りの読み方があるということである。数値を付けずに「-」だけを指示すれば、B.5 のように角を落とす量は規制されない。「バリなきこと」とだけ書いた注記は、この B.5 と同じく落とす量が決まっていない状態に近い。落とす量に上限が要るなら、B.6 のように数値を付ける。逆に、角を落とさずに保ちたいなら、B.2 のように「+」と数値で残るバリの上限だけを決める。「+」はアンダーカットを許容しない指示だからである。どちら側にもわずかなら外れてよいとするなら、B.9 のように両側の小さな値で囲む。どれを選ぶかは部品の機能で決まり、規格は選び方までは決めていない。

方向・範囲・一括指示

JIS B 0051 は、かどのパッシング(バリが出る向き)を一方向に指示する方法や、二方向で寸法を変える非対称の指示も定めている。ただし 90° 以外の角度では方向は規定できない[1]。バリがどちらの面に出るかで組付けや外観に差が出る部品では、この方向の指示が使える。

指示のしかたは、単一のエッジ(または部品周囲の全エッジ)への個別指示、エッジの一部の領域への限定指示、エッジを特定しない一括指示の 3 通りで、一括指示は全エッジに対して一度だけ、表題欄の近くか注記に書く。一括指示に例外がある場合は、一括指示の右側の括弧内に例外の指示を書く[1]。図面全体に「バリなきこと」と書きながら、特定のエッジだけ鋭角を保ちたいといった要求は、この「一括指示+例外」の形にすると読み違えが減る。

JIS B 0721 で等級を決める方法もある

エッジの一つひとつに記号を付けるのが現実的でない部品では、JIS B 0721 の等級で一括して指定する方法がある。この規格は、機械加工などで表層部を除去した部品のエッジ品質を対象に、部品機能上の厳しさに応じて A 級(精級)・B 級(中級)・C 級(粗級)の 3 等級に区分する[2]。

エッジ品質を決める要素として、規格は(a)エッジの寸法と幾何公差、(b)エッジの表面性状(表面粗さ、うねり、ツールマーク、きず、欠け、付着物など)、(c)表面層の性状(加工硬化、加工焼け、き裂など)の 3 つを挙げる[2]。購買の実務で効いてくるのは、表面性状の等級が「どの倍率で見て、ばり・きず・欠損を認めないか」まで決めている点である。規格本文では、A 級は拡大視 40 倍、B 級は 20 倍、C 級は 10 倍で、ばり・きず・欠損を認めないとしている[2]。

JIS B 0721 の等級 位置づけ ばり・きず・欠損を見る倍率(表面性状)
A 級(精級) 部品機能上、厳しい品質のエッジ 拡大視 40 倍で認めない
B 級(中級) 中程度の品質のエッジ 拡大視 20 倍で認めない
C 級(粗級) 緩い品質のエッジ 拡大視 10 倍で認めない

指示は、表題欄の中か付近、または図中に「JIS B 0721-B」のように規格番号と等級を書く。呼び記号を加える書き方、特定の要素だけ等級を変える書き方(例:「JIS B 0721-B,表面性状は A 級」)、JIS B 0051 の記号と組み合わせる書き方も示されている[2]。エッジの寸法区分は JIS B 0051 の寸法によるとしており、2 つの規格は組み合わせて使う作りになっている。

注意したいのは、JIS B 0721 の対象が「表層部を除去した機械加工部品」だという点である[2]。打抜きや成形の部品に等級をそのまま当てはめると、規格が想定していない加工方法に表を使うことになる。加工方法で範囲が限られるのは JIS B 0721 のほうで、JIS B 0051 の適用範囲は加工方法を限っていない(除かれているのは、三つ以上の面が交わるコーナだけである)[1]。規格自身が、かどのばりやフラッシュをパッシングの例に挙げており[1]、プレスの打抜きで出るばりも、樹脂成形品のパーティングラインに出るばりも、この記事で見た B 0051 の記号と最大寸法で指示できる。プレス品の寸法の指定はプレス・板金品の普通公差の指定で、樹脂成形品の寸法公差(ばりは寸法とは別に、この記事の B 0051 の指示で扱う)は樹脂成形品の寸法公差の決め方で扱う。機械加工品の長さ寸法の普通公差は普通公差(JIS B 0405)の等級指定が正面から書いている。

図面・発注書に書くこと(実務の提案)

ここからは規格の要求ではなく、発注側がそろえておくとよい項目の提案である。図面を直す権限が設計部門にあるときは、購買仕様書か発注書の特記事項に書き、図面の改訂は設計部門に返す。

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1. 注記の言葉を、記号か数値に置き換える

「バリなきこと」は、上の表のどの状態を意味するのかを設計部門に確かめ、JIS B 0051 の記号か「かどのばり 0 mm、角の落とし 0.3 mm 以下」のような数値の文に置き換える。糸面取りも同じで、形を問わないなら JIS B 0051 の「-」と最大寸法、形が要るなら C や R の寸法で書く。社内に「糸面取り=○ mm」の慣習があるなら、その値を書面に書き出すだけでも、仕入先との読み違いは減る。

2. 機能で決まるエッジを、図面全体の指示から外す

シール面・摺動面・流体の通り道のエッジは、一律の「バリなきこと」で扱うと機能を損なうことがある。精密工学会誌の解説では、ロータリコンプレッサのローラのエッジの R 寸法が 0.1 mm 以上になると冷媒が漏れて効率が下がり、0.05 mm 以下では軸受け端面をかじって故障の原因になるとされている[3]。角を落とすほど良い、というものではない。こうしたエッジは、一括指示の例外として個別に寸法を付ける。

3. 何倍で見て判定するかを決める

ばりの有無は、見る倍率で結論が変わる。JIS B 0721 の等級を使うなら倍率は規格に決まっている[2]。等級を使わない場合でも、「目視(裸眼)で判定」「〇倍のルーペで判定」「指で触れて引っかかりがない」のどれで判定するかを書く。外観全般の見る条件(距離・照明・時間)の決め方は外観の合否基準を仕入先と決めるで詳しく扱っている。

4. バリ取りと表面処理の順番を決める

めっき鋼板をプレスで打ち抜いた部品は、せん断部に下地の金属が露出し、エッジにはバリが出る。表面技術協会誌の研究は、こうした部品をバレル研磨でバリ取りするとき、研磨石によっては亜鉛めっきの皮膜がほとんど除去されてしまい、皮膜をあまり減らさない条件では 10 μm 前後のバリが残る例を報告している[4]。バリを取る工程と皮膜を守る工程は、ぶつかることがある。

そのため、①めっきの前にバリを取るのか後に取るのか、②めっき済みの板を使うならバリ取りで皮膜をどこまで減らしてよいのか、③バリ取り後のせん断面の防錆をどうするのか、を発注時に決める。めっきそのものの指定(種類・膜厚・測る場所)はめっきの発注で指定することで扱っている。

5. 打痕を、バリと同じ扱いで管理するか決める

前出の解説は、精密部品では加工途中の部品どうしの衝突でできた打痕もバリと同様のトラブルの原因になり、工程間の搬送の見直しが重要だったと書いている[3]。仕入先がバリを取り終えても、箱の中で部品同士がぶつかればエッジは傷む。エッジ品質を重視する部品では、梱包の仕様(仕切り・個別包装)まで発注書に書く。

受入で確かめること

受入では、指示した状態を指示した方法で確かめる。確かめる項目を次のように整理しておくと、仕入先の出荷検査と同じ物差しで見られる。

エッジの状態
パッシング(残りバリ)があるか、アンダーカット(角の落とし)が要求どおりあるか。数値の指示があるなら、その最大寸法を超えていないか。

判定の倍率と方法
発注時に決めた倍率・判定方法で見ているか。仕入先の検査成績書に、何倍で見たかが書かれているか。

機能エッジの寸法
例外として個別に寸法を付けたエッジが、寸法どおりか(落としすぎていないか)。

処理後の状態
めっき・塗装の後にバリが浮いていないか、角の皮膜が薄くなっていないか。

搬送中の打痕
梱包を開けた時点で、エッジに打痕やかけがないか。

JIS B 0721 は、寸法公差・幾何公差・表面粗さのように個々に指示した要求は、特別な関係が指定されない限り独立に適用すると書いている[2]。エッジの状態が合格でも寸法が外れていれば不合格であり、その逆も同じである。エッジの判定と寸法の判定は、別々に記録しておく。

基準は発注の時点で渡し、後から厳しくしない

エッジの基準は、発注の時点で仕入先に渡しておく必要がある。公正取引委員会・中小企業庁による取適法(中小受託取引適正化法)のテキストは、この法律がかかる取引で発注側が受領を拒めるのは給付の内容が明示された委託内容と異なる場合などに限られるとしたうえで、委託内容が明示されていなかったり検査基準が明確でなかったりしたために委託内容と異なることが明らかでない場合、発注後に検査基準を恣意的に厳しくして従来合格としていたものを不合格とする場合は、受領を拒むことは認められないとしている[5]。

同じ箇所で、取引の過程で受注側が提案して確認を求め、発注側が了承した内容に基づいて製造したのに、給付内容が委託内容と異なるとする場合も認められないとしている[5]。仕入先から「全周 C0.3 で一律に面取りしてよいか」と聞かれて口頭で了承したなら、後から「このエッジは鋭角のはずだった」と不合格にはできない。了承した内容は、図面の改訂か発注書の変更として書面に残す。「バリなきこと」のまま発注し、受入で拡大して見て不合格にする運用は、この点で特に危うい。受領拒否・返品・やり直しの全体は受領拒否・返品・やり直しのルールにまとめている。

よくある質問

海外の仕入先に「糸面取り」をどう伝えればよいですか

訳語を探すより、数値と規格番号で伝えるほうが確実である。JIS B 0051 は ISO 13715:2017 を基に作られた規格なので[1]、記号を使う場合は ISO 13715 の記号として通じやすい。記号を使わない場合も「かどのばりは残さない」「角を落とす量は 0.3 mm 以下」のように、残してよいもの・落としてよい量を数値で書く。どちらで読むかは、規格番号と発行年まで書いて回答する。

図面全体に「バリなきこと」とあり、仕入先から「どこまで取ればよいか」と聞かれました

その場で口頭で答えず、設計部門に確かめたうえで、数値か記号にした回答を書面で返す。回答は購買仕様書か発注書に反映し、次回以降の発注にも引き継ぐ。口頭で「適当でいい」と答えると、その内容が委託内容になる。取適法がかかる取引なら、後からその基準を厳しくして受領を拒むことは認められない[5]。

バリ取りの費用は見積に含めてもらうべきですか

エッジの指示が決まっていれば、バリ取りの工程と検査の手間は見積の前提に入る。指示が曖昧なまま見積を取ると、仕入先ごとに想定する工程が違い、相見積の比較ができなくなる。比較の前に指示をそろえる進め方は購買仕様書の書き方で扱っている。

JIS B 0051 と JIS B 0721 のどちらを使えばよいですか

部品ごとに、どのエッジが機能に効くかで分ける。一部のエッジだけが機能に効くなら、全体を JIS B 0721 の等級で一括指定し、効くエッジだけ JIS B 0051 の記号で個別に指示する組み合わせが使える。規格自身が、JIS B 0721 の等級を JIS B 0051 の記号と組み合わせて指示する方法を示している[2]。ただし、JIS B 0721 の対象は除去加工した部品である点に注意する。

まとめ

「バリなきこと」「糸面取り」は、角をどこまで落としてよいか、どちら側にバリが残ってよいかを決めていない。形を問わないエッジは JIS B 0051 の記号で、ばり(パッシング)を許すか、角の落とし(アンダーカット)を求めるかと、その最大寸法(必要なら最小寸法)・方向で指示できる。形を決める面取りは C や R の寸法で別に指示する。部品全体のエッジ品質は JIS B 0721 の 3 等級で一括指定でき、等級はばり・きず・欠損を何倍で見て判定するかまで決めている。機能に効くエッジは一括指示の例外として個別に寸法を付け、バリ取りとめっきの順番、梱包による打痕の防止も発注書に書く。基準は発注の時点で書面で渡し、仕入先の提案を了承したら書面に残す。取適法の対象となる取引では、後から基準を厳しくして不合格にすることはできない。

出典・参考資料

  1. JIS B 0051:2023 製品技術文書情報-形状を定義しないエッジ-寸法の指示方法(日本産業標準調査会 JIS 検索で閲覧/2023 年 3 月 20 日改正)
  2. JIS B 0721:2004 機械加工部品のエッジ品質及びその等級(日本産業標準調査会 JIS 検索で閲覧/2004 年 3 月 20 日制定・2023 年 6 月 20 日確認)
  3. 高沢孝哉「精度設計とバリテクノロジー」精密工学会誌 Vol.72, No.3(精密工学会/2006 年)
  4. 五百井俊宏ほか「めっき鋼板打抜き品のエッジ仕上げ法」表面技術 Vol.47, No.2(表面技術協会/1996 年)
  5. 中小受託取引適正化法テキスト「下請法」から「取適法」へ(公正取引委員会・中小企業庁/令和 7 年 11 月)

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