管用ねじ R・Rc・Rp・G の違いと指定——JIS B 0203・B 0202、旧記号 PT/PF、NPT との違い | newji
品質・加工の困りごとの相談

その不具合、
どこに頼むかから一緒に。

課題の整理と進行は newji、測定・解析・試作は専門の会社。見積のご提示までは無料です。

相談できることを見る技術課題の解決のページへ

投稿日:2026年10月16日

管用ねじ R・Rc・Rp・G の違いと指定——JIS B 0203・B 0202、旧記号 PT/PF、NPT との違い

この記事のポイント(結論先出し)

管用ねじは目的で二つに分かれる。ねじ部で漏れを止めるのが管用テーパねじ(JIS B 0203:R・Rc・Rp)、機械的な結合が目的なのが管用平行ねじ(JIS B 0202:G)で、平行ねじ G で接続する部品の密封は、ねじ以外の部分で受け持つ設計になる。記号は R がテーパおねじ、Rc がテーパめねじ、Rp がテーパおねじ用の平行めねじ、G が平行ねじで、G のおねじには A 級・B 級の等級がある。旧記号の PT・PS・PF は附属書に残るだけで、本体の記号で書くのが優先である。米国の NPT は山数が違うサイズがあり(1/8 は 27 山、1/4 は 18 山など)、山の高さの比も違うので、R と混ぜて使わない。図面・発注書には記号と呼びをそろえて書き、受入は JIS B 0253・B 0254 のゲージで確かめる。

管用ねじは「漏れを止めるねじ」と「つなぐねじ」に分かれる

🛠 この記事のような品質・検査・規格の課題は、ご相談ください。規格の調べ物、仕入先への品質要求づくり、検査・試験先の手配まで一緒に進めます(相談は無料)。相談の例を見る →
相談する →

管・継手・バルブ・計器などの接続に使う管用ねじ(くだようねじ)には、JIS が二つある。JIS B 0203(管用テーパねじ)は、管、管用部品、流体機器などの接合において、ねじ部の耐密性を主目的とするねじに適用する規格で、対応国際規格は ISO 7-1 である[1]。JIS B 0202(管用平行ねじ)は、同じく管や流体機器の接合に使うが、機械的結合を主目的とするねじに適用し、ねじ部の耐密性を主目的とする管用ねじは JIS B 0203 によると備考に書いている。対応国際規格は ISO 228-1 である[2]。どちらも 1999 年 3 月 20 日に改正され、2024 年 10 月 21 日に確認されている。

管用ねじの力学特性を有限要素解析で調べた神戸大学の研究も、管用ねじには機械的接合を目的とする管用平行ねじと、内部流体の密封を目的とする管用テーパねじがあると整理していて、テーパねじは 1 ピッチ進むごとに半径が P/32 ずつ小さくなる形状として扱っている[5]。直径でいえば 1/16 のテーパで、ねじ込むほどおねじとめねじが径方向に押し付け合うことで、ねじ部そのものが密封の役を果たす。平行ねじにはこの効果がないので、平行ねじ G でつなぐ部品で漏れを止めたいなら、座面のガスケットや O リングなど、ねじ以外の部分で密封する設計になる。ガスケット・O リングの指定はO リングとガスケットの記事で扱っている。

📄 実務で使うなら — 原価のつかみ方(全 5 章・無料サンプルあり)

記号の意味——R・Rc・Rp・G と A 級・B 級

JIS B 0203 は、テーパおねじを R、テーパめねじを Rc、平行めねじを Rp の記号で表し、たとえば「R1 1/2」「Rc1 1/2」「Rp1 1/2」のように呼びの前に付ける。左ねじは最後に LH を付ける[1]。ここでいう平行めねじ Rp は、管用テーパおねじに対して使うもので、JIS B 0202 の管用平行めねじとは寸法許容差が違うと注記されている[1]。

JIS B 0202 の平行ねじは記号 G で表し、おねじは有効径の寸法許容差によって A 級と B 級に分かれる。呼び方の例は、おねじ A 級が「G1 1/2A」、B 級が「G1 1/2B」、めねじが「G1 1/2」で、めねじには等級を付けない[2]。付表 2 を見ると、たとえば G1/2 のおねじの有効径の下の許容差は A 級が −142 μm、B 級が −284 μm で、B 級の方が公差が広い[2]。発注書で「G1/2」とだけ書くと、おねじの等級が決まらない。

🛠 発注の管理なら — 発注書の作成から送付、進捗の確認までをひとつの画面で行える Newji one(製造業の見積・発注クラウド/サービス資料は無料)

ねじの表し方を定める JIS B 0123 も、管用テーパねじを「R 3/4」「Rc 3/4」「Rp 3/4」、管用平行ねじを「G 1/2」と例示し、管用平行ねじのおねじの等級を「A」で表すとしている[3]。同じ規格は、管用テーパねじのように呼びの違うめねじとおねじの組み合わせを示す場合は、めねじ、おねじの順に呼びを並べ、間に斜線を入れて表すとしている[3]。図面で接続部を一括して指示するときは、この書き方が使える。

旧記号 PT・PS・PF の扱い

古い図面には PT・PS・PF の記号が残っている。JIS B 0203 は、ISO 7-1 に規定されていない管用テーパねじを附属書(規定)に置き、テーパおねじとテーパめねじを PT、テーパおねじにはまり合う平行めねじを PS で表すとしている。附属書のうち本体の R1/8〜R3・R4〜R6 と同じ内容のものは、ISO 規格との整合性上使用しないのがよいとされ、附属書のねじは次回改正時に廃止年限を明らかにするとも書かれている[1]。JIS B 0202 も PF の記号のねじを附属書に置き、同じく次回改正時に廃止年限を明らかにするとしている[2]。両規格とも「ねじは、この規格の本体に規定するものを優先して使用する」と備考に書いているので、新しく図面を描くとき・発注書を書くときは R・Rc・Rp・G を使う[1][2]。

組み合わせの考え方

おねじとめねじの組み合わせは、規格の目的に沿って次のように整理できる。継手規格での具体例はねじ込み継手の記事でも扱っているので、ここでは発注の指定に要る部分に絞る。

R と Rc
テーパどうしで、ねじ部で密封する基本の組み合わせ。

R と Rp
テーパおねじと、それ用に寸法許容差を決めた平行めねじの組み合わせで、JIS B 0203 の中で完結している[1]。

G と G
平行どうしの機械的な結合。密封はねじ以外で行う。

G のおねじと Rp のめねじ
規格をまたぐ組み合わせで、JIS B 0202 は、関連する製品規格で JIS B 0203 のめねじの寸法許容差を考慮しなければならず、このような組み合わせでは耐密性を確保できないことがあると参考に書いている[2]。

JIS B 0202 は、平行めねじで JIS B 0203 の管用テーパおねじと接合する可能性がある場合、ねじ山の頂を切り取った形状を標準とする規定から外し、そのめねじの長さを JIS B 0203 のめねじの長さ以上とする、とも定めている[2]。機器のポートが「G」なのか「Rc」「Rp」なのかで相手に付ける部品が変わるので、ポートのねじを仕様書に書いておくことが、接続部品の誤手配を防ぐいちばん簡単な方法である。

JIS の管用ねじと米国の NPT は別物

海外製の機器や計器では、米国の管用テーパねじ NPT が使われていることがある。米国国立標準局(現 NIST)のねじ規格のハンドブック(1957 年の Part II)によれば、American Standard の管用テーパねじは「3/8—18NPT」のように呼び径・山数・記号を並べて表し、ねじ山の角度は軸を含む断面で 60° で、山の高さ h はピッチの 0.8 倍と定められている[4]。一方、JIS B 0203 の付表 1 では、R1/8(山数 28、ピッチ 0.907 1 mm)の山の高さは 0.581 mm で、ピッチに対する比は約 0.64 になる[1]。山の形が違い、サイズによっては山数も違う。

呼び(インチ) JIS B 0203 の R:25.4 mm についての山数 NPT:1 インチについての山数 山数が同じか
1/8 28 27 違う
1/4・3/8 19 18 違う
1/2・3/4 14 14 同じ(山の形は違う)
1〜2 11 11 1/2 違う

表の山数は、JIS B 0203 付表 1 と、同ハンドブックの NPT の基本寸法の表から拾ったものである[1][4]。1/2 と 3/4 は山数が同じなので、数山はかかって「入った」と感じやすいが、山の形が違うので密封は前提にできない。同じハンドブックには、潤滑剤やシール材を使わずに密封する Dryseal(NPTF)など、目的別の派生のねじも並んでいる[4]。このハンドブックは 1957 年のもので、米国の現行の規格は版を確かめる必要があるが、R と NPT が別系統だという点は変わらない。海外の仕入先に部品を出すときに、相手の国の規格への置き換えを任せない理由もここにある。図面を海外に出すときの注意は中国の工場に図面を出すときの記事で扱っている。

ねじの長さと基準径の位置

テーパねじは、どこで何 mm の径になるかが規格の中心にある。JIS B 0203 は、主円すいが基準径を持つ位置を基準面とし、おねじの基準面はねじの小径端から基準長さの位置、めねじの基準面はねじを切った部分の端面の位置にあると定義している[1]。そのうえで、おねじの有効ねじ部の長さは基準長さの最小値に接合しろを加えたもの以上、テーパめねじは基準面から基準長さの最大値に工具締めしろを加えた長さ以上、平行めねじは端面から基準長さの最大値に接合しろを加えた長さ以上でなければならないとしている。ぬすみのある場合のめねじは、基準長さの最小値に接合しろを加えたおねじの長さの 80 % 以上でよい[1]。

具体的な値は付表 1 にあり、たとえば R1/2 の基準長さは 8.16 mm、軸線方向の許容差は ±1.81 mm である[1]。めねじの深さが足りない加工品は、ねじ込み量が不足して漏れの原因になる。機器のブロックにめねじを加工させる場合は、ねじの呼びだけでなく、この有効ねじ部の長さを満たすことを図面で求める。逆に、相手のめねじが浅い部品(薄肉の継手など)に長いおねじを付けても締まりきらない。付表の数値を図面に転記するのではなく、「JIS B 0203 による」と規格番号で指示し、検査で確かめる方が確実である。

発注書・図面に書くこと

1. 記号を省略しない
「1/2 ねじ」「PT1/2」ではなく、R1/2・Rc1/2・Rp1/2・G1/2A のように JIS の本体の記号で書く。旧図面の PT は、相手のめねじがテーパか平行かを確かめて R・Rc・Rp に読み替える。

2. G のおねじは等級まで
A 級か B 級かを書く。G のめねじには等級がない[2]。

3. 相手側のねじを書く
機器のポート、配管、継手のどこが R・Rc・Rp・G・NPT なのかを仕様書に書く。油圧ホースの継手のように、同じ呼び径に R・G・メートルねじ・ユニファイねじの選択肢がある部品もある[6]。

4. 密封の方法を決める
テーパでねじ部密封にするのか、平行ねじでガスケットや O リングを使うのかを決め、シール材の種類が決まっているなら書く。

5. 検査の方法
JIS B 0203 はテーパねじゲージ(JIS B 0253)で、JIS B 0202 は平行ねじゲージ(JIS B 0254)で検査するのを原則としている[1][2]。受入でゲージを当てるのか、仕入先の記録で受けるのかを決めておく。

受入で確かめること

テーパねじは、ゲージをねじ込んだときにゲージの切欠き(基準面)がめねじの端面やおねじの小径端からどれだけずれているかで合否を見る。付表 1 の「軸線方向の許容差」がその範囲である[1]。平行ねじは、通り側と止り側のゲージで有効径が範囲に入っていることを見る。いずれも、ゲージを当てずに「ねじ込めたから合格」とすると、締め過ぎで密封していたり、浅いねじ込みで漏れやすかったりする状態を見逃す。

現品の照合では、R と NPT、G とユニファイねじのように、外径の近い別系統のねじが混ざっていないかに注意する。ユニファイねじとメートルねじの取り違えはユニファイねじの記事、配管そのものの指定はSGP の記事で扱っている。

よくある質問

Q. 平行ねじ G のポートに、テーパおねじ R の継手を付けてよいか。
A. 設計で決めることで、購買の判断で置き換えない。JIS B 0202 は、平行めねじが JIS B 0203 のテーパおねじと接合する可能性がある場合に限り、ねじ山の形状とめねじの長さを別に定めている[2]。そのように作られたポートかどうかを設計に確かめる。

Q. PT と R は同じものか。
A. 附属書の PT のうち R1/8〜R3・R4〜R6 に当たるものは、本体と同じ内容だが、ISO 規格との整合性上使用しないのがよいとされている[1]。新しい図面は R で書く。

Q. NPT の部品を、同じ呼びの R で代用できるか。
A. できない。1/8・1/4・3/8・1〜2 は山数が違い、1/2・3/4 も山の形が違う[1][4]。相手の機器が NPT なら NPT で手配する。

油圧の配管で使うホースの指定は油圧ホースの記事、装置内の空気配管はワンタッチ継手の記事で扱う。架台や筐体を留めるボルトは強度区分の記事、薄板の筐体を片側から留める部品はブラインドリベットの記事、鉄骨の架台を摩擦接合する場合は高力ボルトの記事を参照してほしい。

まとめ

管用ねじは、ねじ部で密封するテーパねじ(JIS B 0203:R・Rc・Rp)と、機械的に結合する平行ねじ(JIS B 0202:G)に分かれ、G でつなぐ部品の密封はねじ以外で受け持つ。旧記号 PT・PS・PF は附属書に残るだけで、本体の記号を優先して使う。米国の NPT は山の高さの比も、サイズによっては山数も違うので、R と混ぜない。発注書・図面には記号・呼び・G の等級・相手側のねじ・密封の方法を書き、受入は JIS B 0253・B 0254 のゲージで確かめる。

出典・参考資料

  1. JIS B 0203:1999 管用テーパねじ(日本産業標準調査会 JIS 検索で閲覧/1999 年 3 月 20 日改正・2024 年 10 月 21 日確認)
  2. JIS B 0202:1999 管用平行ねじ(日本産業標準調査会 JIS 検索で閲覧/1999 年 3 月 20 日改正・2024 年 10 月 21 日確認)
  3. JIS B 0123:1999 ねじの表し方(日本産業標準調査会 JIS 検索で閲覧/1999 年 1 月 20 日改正・2024 年 10 月 21 日確認)
  4. Screw-Thread Standards for Federal Services 1957, Handbook H28 Part II(米国商務省 国立標準局(現 NIST)/1957 年)
  5. 管用ねじの形状の数学表現と力学特性の有限要素解析(福岡俊道・野村昌孝・柳瀬賢哉/日本機械学会 関西支部定時総会講演会講演論文集/2014 年)
  6. JIS B 8360:2015 液圧用の鋼線又は繊維補強ゴムホースアセンブリ(日本産業標準調査会 JIS 検索で閲覧/2015 年 10 月 20 日改正)

配管・油圧まわりの部品の生産先を探すとき

newji の OEM/ODM 生産では、切削・研削・旋削などの金属加工で、油圧制御装置のハウジングやバルブユニットの構成部品といった部品の生産先を国内外から選定します。試作で寸法・外観・機能を検証し、量産後は工程内検査と出荷前検査の体制をつくります。

OEM/ODM 生産について見る

WHITE PAPER

この記事の理解を深める
無料ホワイトペーパーをプレゼント

製造業の現場で使える実務資料(PDF)を無料でお届けします。"こんな資料が届きます" ↓ 下のボタンからどうぞ。

AI 一次診断(無料・お名前の入力なし)

この症状の原因を、AIが分析します

材料・加工方法・条件と、起きている症状を書いてください。考えられる原因、まず確かめること、切り分け方、専門の会社に聞くことを AI が整理します。

1 日 3 回まで0 / 1,500 字

社外秘・機密情報・個人情報・図番など、公開できない情報は書かないでください。

AI の回答は可能性の整理で、原因を断定するものではありません。入力内容は AI 診断と改善のため 30 日間保存し、その後削除します(プライバシーポリシー)。

AI を使わずに直接相談する →

📄 取引先から受け取った仕様書の要求を、1 件ずつ一覧にします — 仕様書の要求事項一覧(無料・社数限定)

𝕏NEWJI総研は、調達・品質・設計の知識を X でも発信しています — @newji_souken をフォロー

NEWJI総研

購買・調達や設計・品質の実務を、
研修テキストと実務書式にまとめています。
無料サンプルで中身を確かめられます。

NEWJI総研の資料を見る

OEM/ODM 生産委託

アイデアはある。作れる工場が見つからない。
試作1個から量産まで、加工条件に合わせて最適提案します。
短納期・高精度案件もご相談ください。

加工可否を相談する

AI/DX支援

見積・発注、紙・FAX、品質記録など、
人に頼って回っている業務を、AIと仕組みで回る形に。
まずは無料でご相談ください。

AI/DX支援を見る

見積・発注クラウド Newji one

受発注が増えるほど、入力・確認・催促が重くなる。
受発注管理を“仕組み化“して、ミスと工数を削減しませんか。
見積・発注・納期まで一元管理できます。

機能を確認する

You cannot copy content of this page