自社品番と相手品番をどう紐づけるか——注文書にはどちらを書くのか | newji

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投稿日:2026年9月6日

自社品番と相手品番をどう紐づけるか——注文書にはどちらを書くのか

この記事のポイント(結論先出し)

発注書に自社品番を書いたら「その品番では分かりません」と言われ、毎回メーカー型番を手で書き足している。この作業がなくならないのは、品番の付け方が下手だからではなく、同じ部品を指す番号が最初から複数あり、どれを正とするかを決めていないからである。決め方は二段になる。第一に、社内の台帳では自社の番号を一つだけ正とし、相手の番号はその下にぶら下げる。第二に、注文書に何を書くかは社内の都合ではなく法令の要求で決まる。取適法の明示規則は、当事者の名称については「番号、記号その他の符号であって……識別できるもの」で代替してよいと明文で認めているが、給付の内容についてはその文言を置いていない。公正取引委員会・中小企業庁のテキストが示す基準は「中小受託事業者がその内容を見て理解でき、委託事業者の指示に即した給付の内容を作成又は提供できる程度の情報」であり、番号が一致していることではない。番号は照合の道具であって、明示の代わりにはならない。

「品番」と呼ばれているものは、一つではない

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ひとつの部品に、番号がいくつ付いているかを数えたことがあるだろうか。多くの現場では、少なくとも次の七つが同時に存在している。しかもそれぞれ付ける人が違い、変わる条件も違う。

呼び名 誰が付けるか 何が起きると変わるか
自社品番 自社 自社が変えると決めたときだけ
管理品番(社内の検索用) 自社 分類や採番規則を見直したとき
客先品番 得意先 得意先の都合。こちらには通知だけが来る
仕入先品番 仕入先 仕入先の社内都合。通知が来ないこともある
メーカー型番 製造元 仕様変更・後継品への切替え・廃番
図面番号 設計 図面を新規に起こしたとき
照合番号 設計(図面の中だけで通用) その図面の書き方を変えたとき

最後の二つは、しばしば品番と混同される。図面番号は図面という書類を識別する番号で、品目そのものを識別する番号ではない。一枚の図面に複数の品目が描かれることもあれば、一つの品目に部品図と組立図の二枚がぶら下がることもある。照合番号のほうはさらに範囲が狭く、その図面の中でだけ通用する番号である。機械製図の日本産業規格である JIS B 0001:2019 には、箇条 13 に「照合番号」、箇条 14 に「図面の訂正・変更」という箇条が置かれている[5]。図面の側には図面の側の番号体系があり、品目マスタの品番とは別に管理されている、という前提から出発したほうがよい。

調達現場で押さえるポイント

「毎回メーカー型番を書き足している」という作業は、書き足すこと自体が問題なのではない。書き足した内容がどこにも残らないことが問題である。次に同じ部品を発注する人は、また同じ調べ物からやり直す。作業を減らす手は、書き足しをやめることではなく、書き足した対応関係を台帳に戻すことにある。

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正はどれか——選ぶ条件は三つ

社内の台帳で「これがこの部品の番号だ」と言える番号は、一つでなければならない。二つあると、在庫・発注・検査・原価がどちらに紐づくかで割れる。では七つのうちどれを正にするか。判断の条件は次の三つである。

条件 1:自社で採番できること。正の番号は、必要なときに自社の判断で新しく付けられなければならない。新規部品が立ち上がったとき、相手が番号を出してくるまで台帳に登録できない状態は避ける。

条件 2:相手の都合で変わらないこと。ここでメーカー型番が落ちる。型番は製造元が仕様変更や後継品への切替えで動かすものであり、こちらの合意なしに変わる。型番を正にすると、相手が型番を変えた瞬間に自社の在庫と発注履歴が切れる。

条件 3:一意であること。同じ番号が二つの品目を指さないこと、そして同じ品目が二つの番号を持たないこと。後者は見落とされやすい。同等品を別々のタイミングで登録して、実体は同じものが二品番に割れている状態は、複数の仕入先から買っている品目で頻繁に起きる。

この三つを満たすのは、通常は自社品番である。ただし例外がある。特定の得意先の受託専業で、社内の全品目がその得意先の図面に対応している場合は、客先品番を正にしたほうが照合が減ることがある。判断の分かれ目は「得意先が一社か複数か」で、複数の得意先から同種の部品を受託しているなら、客先品番は正になりえない。

なお、取引先そのものを識別する番号(取引先コード)の設計は、品番とは別の話として取引先コードの付け方で扱っている。この記事では品目の側だけを見る。

注文書には、どれを書けばよいのか

ここからは社内の都合ではなく、法令の要求で決まる部分になる。2026 年 1 月 1 日に改正法が施行され、旧下請法から名称も変わった中小受託取引適正化法(取適法)は、第 4 条第 1 項で、製造委託等をした場合は直ちに、中小受託事業者の給付の内容、代金の額、支払期日及び支払方法その他の事項を、書面又は電磁的方法により明示しなければならないと定めている[2]。この「その他の事項」の中身を定めているのが明示規則である。

規則は、当事者と給付の内容で書き分けている

明示規則第 1 条第 1 項をそのまま読むと、興味深い書き分けがある。第 1 号は当事者について、「委託事業者及び中小受託事業者の商号、名称又は事業者別に付された番号、記号その他の符号であって委託事業者及び中小受託事業者を識別できるもの」と定めており、符号による代替を明文で認めている[3]。同じ書き分けは 7 条記録規則の第 1 条第 1 項第 1 号にもある[4]

ところが第 2 号は、「製造委託等をした日、中小受託事業者の給付……の内容並びにその給付を受領する期日……及び場所」と書くだけで、給付の内容について符号で代替してよいという文言を置いていない[3]。番号で置き換えてよいと明示されているのは相手の名前のほうであって、注文品の中身のほうではない、という構造になっている。

基準は「相手が読んで作れるか」

では給付の内容として何を書けばよいか。テキストは「中小受託事業者の給付の内容」を、委託した行為が遂行された結果として提供されるべき物品等及び情報成果物であるとしたうえで、その品目、品種、数量、規格、仕様等を 4 条明示する必要があるとしている。そして明示に当たっては、中小受託事業者がその内容を見て理解でき、委託事業者の指示に即した給付の内容を作成又は提供できる程度の情報を明示することが必要であると書いている[1]

基準は「番号が一致しているか」ではなく「相手が読んで、指示どおりのものを作れるか」に置かれている。自社品番しか書かれていない注文書は、相手の社内に読替表があれば作れるが、なければ作れない。作れるかどうかが相手側の別の資料に依存している状態は、この基準を自力で満たしているとは言いにくい。

テキストが付けている汎用の書式例には、記載要領も示されている。『品名及び規格・仕様等』の欄について、注文品や作業等の内容が十分に理解できるように記入する(仕様書、図面、検査基準等を別に交付している場合は、そのことを付記する。)とある[1]。ここから実務の答えが出る。品番だけで足りないときに足すのは、相手品番ではなく品名・規格と、別に渡している図面や仕様書があるという事実である。

注文書に載せるもの 位置づけ 抜けているとどうなるか
自社品番(正) 社内の台帳と突き合わせる鍵 入庫・検収・請求の照合が人手に戻る
品名・規格 給付の内容そのもの 相手が読んで作れる情報になっていない
図面番号と版 仕様の所在を指す どの版で作ればよいかが決まらない
別に交付している資料がある旨 書式例の記載要領 注文書だけを見た人に仕様が伝わらない
相手品番(任意) 相手が照合しやすくなる補助 相手側で読替えが発生する

相手品番を併記すること自体は妨げられていない。ただし併記するなら、二つの番号が食い違ったときにどちらが優先するかを、基本契約か取引条件の側で先に決めておく。決めていないと、届いた物が自社品番の指すものと違ったときに、受領を拒めるのかどうかで解釈が割れる。何が明示された給付の内容だったかが確定しないからである。受領拒否の線引きそのものは受領拒否・返品・やり直しはどこまで許されるかで扱っている。

電子で送る場合の要件も見ておきたい。明示規則第 2 条第 2 項は、電磁的方法について、明示すべき事項が中小受託事業者の使用に係る電子計算機の映像面に文字、番号、記号その他の符号で明確に表示されるものでなければならないとしている[3]。データとして送ってあるだけでは足りず、相手の画面で読める形になっている必要がある。注文書の項目立てそのものは発注書とは|取適法の「4 条明示」12 項目にまとめてある。

相手の番号を、どこに持つか

対応関係を「別ファイルの対応表」で持っている限り、この問題は終わらない。理由は三つあり、いずれも運用の話である。第一に、対応表は注文書を作る場所から離れているので、発注のたびに開かれるとは限らない。第二に、更新の責任者が決まっていないので、型番が変わっても直らない。第三に、担当者の端末にあるので、その人が休むと止まる。

置き場所として正しいのは、品目マスタの中の取引先ごとの行である。品目が一つあり、その下に取引先の行が並ぶ形にする。単価もリードタイムも最小発注数も、品目の属性ではなく「その取引先から買うときの条件」なので、同じ行に入る。この構造の考え方は、品目マスタに何を持たせるかを整理した部品表(BOM)とはの続きにあたる。

一品目対複数仕入先を、どう壊さずに持つか

同じ品目を複数社から買うときに気をつける点は、数の増え方にある。仕入先が三社あれば、その品目には相手品番が三つぶら下がる。ここまでは自然だが、逆向きの対応も起きる。相手の一つの品番が、自社の二つの品目に対応してしまう場合である。同等品を別々に登録した、材質だけ違う派生品を作った、といった経緯で発生する。

この状態を放置すると、発注は通るのに在庫と原価が合わなくなる。マスタ設計の目的は、この多対多の関係を「自社品番が一つ、その下に取引先の行が複数」という一対多に落とすことにある。落とすには、実体が同じものを一品番に寄せる作業が要る。棚卸しの単位を決める作業でもあるので、在庫を数える部署と一緒にやるのが早い。

なお、複数の仕入先がある品目をどちらに割り付けるかという判断は、品番の設計とは別の論点になる。所要量を発注数量に変える過程での割り付けはBOM から発注をどう起こすかで扱っている。

相手が番号を変えたとき

メーカーが型番を変えた、後継品に切り替わった、生産中止の案内が来た。このとき動かすのは、取引先の行の側であって、自社品番の側ではない。自社品番を変えると、過去の発注・入庫・検査記録・原価がその時点で切れる。同じ部品なのに集計が二つに割れ、値上げ交渉のときに履歴が出せなくなる。

ただし例外がある。中身が変わっているなら、同じ自社品番のままにしてはいけない。ここで参考になるのが、識別子の設計を制度として決めている別分野の例である。厚生労働省が医療機器等について定めた符号の表示に関する通知は、商品コードを「医療機器等の個々の包装単位及び製品本体を一意に識別する固定的情報」とし、これとは別に、製造識別子を「有効・使用期限及びロット番号又はシリアル番号……等の製造固有の可変情報」と定義して、両者を明確に分けている[6]

固定的情報と可変情報を分ける、という考え方はそのまま流用できる。品番は固定側であり、ロット番号や製造年月は可変側である。可変側の事情で固定側を動かさない。逆に、固定側が指しているもの(部品の実体)が変わったなら、可変側で吸収せずに固定側を新しくする。

同じ制度には、社内の管理コードの扱いについての質疑応答もある。個装・販売包装・元梱包装に社内物流管理用の二次元コードを表示している場合について、質疑応答集は、販売業者や医薬関係者が混乱しないよう適切な説明を付せば、定められた符号のほかに社内物流管理用の二次元コード等を表示することは差し支えないとしている。一方で、製造銘板に文字及び数字で表示された販売名やシリアル番号等について、これを定められた符号の代わりとすることはできないとも書いている[7]。併記はよいが代替はできず、どれが正かが分かるようにしておく、という線の引き方である。取引先とやりとりする書類の上でも、この線はそのまま使える。

調達現場で押さえるポイント

後継品への切替えを「同等品でよい」と電話で伝えるのは危ない。取適法第 5 条第 2 項第 3 号は、中小受託事業者の責めに帰すべき理由がないのに給付の内容を変更させ、又は給付を受領した後に給付をやり直させることによって利益を不当に害してはならないと定めている[2]。切替えは給付の内容が変わる話なので、注文書と検査基準の両方を同時に更新する。

図面の版が変わったら、別品番にするか

いちばん判断が割れるのがここである。決め方は、版の呼び方でも改訂の大きさでもなく、前の版と後の版が同じ棚に混ざってよいかどうかで分かれる。

改訂の性質 在庫を混ぜてよいか 品番の扱い
誤記の訂正・注記の追記(形状も材質も同じ) 混ぜてよい 同一品番のまま。図面の版だけ上げる
公差の緩和など、旧品も新図面に適合する変更 混ぜてよい 同一品番のまま。切替時期を記録する
寸法・材質・表面処理の変更(旧品は不適合) 混ぜてはいけない 別品番にする
取付け互換はあるが性能が変わる 用途による 別品番にし、どの製品に使えるかを部品表で持つ

この分け方の利点は、判断の主体がはっきりすることにある。混ぜてよいかどうかを決めるのは設計と品質保証であり、調達ではない。調達がやるべきなのは、決まった結果を注文書と台帳に反映することと、決まっていないまま発注を出さないことである。

注文書の側では、図面番号だけでなく版まで書く。版を書かずに出して、相手が手元にある古い版で作ったとき、受領を拒めるかどうかは「相手の責めに帰すべき理由」があるかで決まる。版を伝えていなければ、その理由は相手側にはない。設計変更にまつわる責任の所在は、公正取引委員会のテキストにも事例として出てくる。減額の類型で、自己の一方的な都合により設計変更、図面提供の遅延等をしたにもかかわらず、取引の相手方の納期延長を認めなかったため、相手方が休日勤務で対応してもなお納期に間に合わず、納期遅れのペナルティを差し引いた対価しか支払わなかった、という事例が挙げられている[1]。図面をいつ・どの版で渡したかは、価格と納期の交渉の前提になる。

どの版までを図面に書き、どこからを購買仕様書に書くかという分担は、購買仕様書の書き方で整理している。

2 年残す記録の側から見ると、品番はどう効くか

取適法第 7 条は、委託事業者に対して取引の記録を作成し保存することを求めている。7 条記録規則は記録すべき事項を列挙しており、その第 1 条第 1 項第 2 号には、給付の内容と、受領した給付の内容の両方が並んでいる[4]。発注したものと受け取ったものを、それぞれ別に記録する構造になっている。この二つを突き合わせられる状態にするのが、品番の実務上の役割である。

興味深いのは、電磁的記録で残す場合の検索要件である。同規則第 2 条第 3 項第 3 号は、検索の条件として設定できなければならないものを二つ挙げている。第 1 条第 1 項第 1 号に掲げる事項(=中小受託事業者の名称又は識別できる符号)と、製造委託等をした日(範囲を指定して条件を設定できること)である[4]。品番は、法定の検索キーには入っていない。保存期間のほうは、同規則第 3 条が、記載又は記録をすべき事項の全部を記載又は記録した日から 2 年間としている[4]

つまり、品番で過去の取引を串刺しできる状態にすることは、法令が求めているからやることではない。値上げの申し出が来たときに過去いくらで買っていたかを出す、不具合が出たときにどのロットがどこへ行ったかを追う、監査で同じ部品の購買履歴を並べる——こうした自社の必要のためにやることである。逆に言えば、必要がなければ精緻な体系は要らない。記録として何を残すかは取適法が求める記録にまとめてある。

もう一つ、同規則第 1 条第 3 項は、記録すべき事項についてその相互の関係を明らかにして、それぞれ別の書類等に記載又は記録をすることができるとしている[4]。注文書・受領記録・検査記録が別のファイルに分かれていても、相互の関係が明らかであればよい。その「相互の関係を明らかにする」手段として、実務でいちばん使われているのが品番と注文番号の組み合わせである。条文の対応関係や改訂箇所を書類ごとに点検するなら、法令・規格 改訂対応パック(中小受託取引適正化法)が使える。

決める順番

手を付ける順番を間違えると、途中で止まる。次の順で決めていく。

1. 正を一つ決める。自社品番か、受託専業なら客先品番か。三つの条件(自社で採番できる・相手の都合で変わらない・一意である)に当てはめて選ぶ。ここが決まらないうちに対応表を作らない。

2. 実体が同じものを一品番に寄せる。同等品が二品番に割れている状態を先に潰す。在庫の棚卸し単位と揃える。

3. 相手の番号を置く場所を決める。品目マスタの、取引先ごとの行。別ファイルの対応表を残さない。

4. 注文書の書式を直す。品名・規格の欄を作り、図面番号と版を書く欄を作り、別に交付している資料がある旨を書く欄を作る。相手品番を併記するかどうかと、食い違ったときにどちらが優先するかを決める。

5. 版が変わったときの分岐を文書にする。混ぜてよい改訂と混ぜてはいけない改訂を、誰が判定するかとセットで決める。

6. 型番変更の連絡経路を決める。仕入先から型番変更や生産中止の案内が来たとき、誰が受けて、どの台帳を直すか。ここが決まっていないと、1 から 5 までを整えても半年で崩れる。

よくある質問

注文書に自社品番しか書いていないと、法律違反になりますか

品番の記載の有無だけで決まる話ではない。明示規則が求めているのは給付の内容の明示であり[3]、テキストはその水準を「中小受託事業者がその内容を見て理解でき、委託事業者の指示に即した給付の内容を作成又は提供できる程度の情報」としている[1]。品番に加えて品名・規格が書かれ、図面や仕様書を別に交付しているならその旨が付記されていれば、書式例の記載要領に沿った形になる[1]。逆に、番号だけが並んでいて相手が読んでも中身が分からない注文書は、この水準を満たしているとは言いにくい。

相手の品番を書いてあげたほうが親切ではないですか

併記すること自体は問題ない。決めておくべきなのは、二つが食い違ったときにどちらが優先するかである。医療機器の分野では、定められた符号のほかに社内物流管理用の二次元コードを併記することは、混乱しないよう適切な説明を付せば差し支えないとされる一方、銘板に文字と数字で表示した情報を定められた符号の代わりにすることはできないとされている[7]。併記と代替は別だ、という整理はそのまま使える。

図面番号を品番として使ってはいけませんか

使えないわけではないが、二つの前提が要る。一つの図面に一つの品目しか描かないこと、そして図面を新規に起こしたときにしか番号が変わらないようにすることである。この二つが守れないなら、図面番号は図面の識別子として置き、品番は別に持つ。機械製図の規格にも、図面の側には照合番号と図面の訂正・変更という別の箇条が置かれている[5]

仕入先ごとに違う品番を、一つの注文書にまとめて出せますか

注文書は仕入先ごとに出すものなので、一通の中に複数の仕入先の品番が混ざることはない。混乱が起きるのは、同じ品目を二社に分けて発注していて、それぞれの注文書に載る自社品番が同じなのに、相手が読み替える先の番号が違う場合である。このとき自社側の記録は自社品番でまとまるので問題は起きない。問題が起きるのは、相手からの納品書や請求書が相手品番で返ってきたときで、照合の鍵が片方向にしかない状態になる。相手品番を台帳に持っておく実務上の理由は、ここにある。

品番の桁数や意味の持たせ方は、どう決めればよいですか

この記事では触れていない。桁数と分類の持たせ方は部品表の設計に属する論点で、部品表(BOM)とはで扱っている。先に決めるべきなのは体系の細かさではなく、どの番号を正にするかである。正が決まっていない状態で採番規則だけ精緻にしても、対応表の枚数が増えるだけになる。

まとめ

「その品番では分かりません」と言われ続ける状態は、番号を増やしても減らしても解決しない。解決するのは、正を一つに決めて、残りをその下にぶら下げたときである。正に選ぶ条件は、自社で採番できること、相手の都合で変わらないこと、一意であることの三つで、通常は自社品番が残る。

注文書に何を書くかは、社内の都合とは別に決まる。明示規則は当事者の名称については符号による代替を明文で認めているが、給付の内容についてはその文言を置いていない[3]。テキストが示す水準は「相手が読んで、指示どおりのものを作れる程度の情報」であり[1]、書式例の記載要領は、仕様書・図面・検査基準を別に交付しているならその旨を付記せよとしている[1]。番号は照合の道具であって、明示そのものではない。

そして番号を動かす場面では、動かす側を間違えないことが効く。相手が型番を変えたなら取引先の行を差し替え、部品の実体が変わったなら自社品番を新しくする。固定的情報と可変情報を分けるという考え方は、識別子を制度として設計している分野でも同じ形で採られている[6]

出典・参考資料

  1. 中小受託取引適正化法テキスト「下請法」から「取適法」へ(公正取引委員会・中小企業庁/令和 7 年 11 月)
  2. 製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(取適法)(e-Gov 法令検索(デジタル庁))
  3. 製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律第四条の明示に関する規則(e-Gov 法令検索(デジタル庁))
  4. 製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律第七条の書類等の作成及び保存に関する規則(e-Gov 法令検索(デジタル庁))
  5. JIS B 0001:2019 機械製図(無料プレビュー)(日本規格協会/令和元年 5 月 20 日改正)
  6. 医療機器、体外診断用医薬品等を特定するための符号の容器への表示等について(厚生労働省医政局医薬産業振興・医療情報企画課長、医薬・生活衛生局医薬安全対策課長通知/令和 4 年 9 月 13 日)
  7. 医療機器、体外診断用医薬品等を特定するための符号の容器への表示等に関する質疑応答集(Q&A)について(厚生労働省医政局医薬産業振興・医療情報企画課、医薬・生活衛生局医薬安全対策課 事務連絡/令和 4 年 9 月 13 日)

品番と仕入先の対応を、注文書を作る場所に置く

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