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油圧シリンダ JIS B 8367 の仕様書に書くこと——呼び方・取付定格・座屈と作動油の清浄度

この記事のポイント(結論先出し)
油圧シリンダの取付寸法は JIS B 8367 で「JIS B 8367-1-63-45-MP3-200」のように呼べるが、この規格が決めるのは取付寸法と互換性で、定格圧力に基づく性能や構造は規定していない[2]。呼び方で内径・ロッド径・取付形式・ストロークは決まっても、使う圧力と圧力のピーク、負荷のかかり方、作動油、ロッドの表面、清浄度は別に書く必要がある。油圧システムの安全規格 JIS B 8361 は、シリンダの定格圧力は圧力容器としての特性だけを表し、取付部が力を伝える能力は表さないとしている[1]。座屈・横荷重・取付ボルトのせん断は、呼び方とは別に確かめる。ストロークの許容差は、JIS B 8367-1 の形式ならストローク 1,250 mm 以下で+2/0 mm である[2]。作動油の清浄度は JIS B 9933 のコード(例 22/18/13)で数字にして渡す[5]。
目次
この記事の範囲
この記事は、工業用の油圧シリンダを機械・設備の部品として調達するとき、または油圧シリンダを組み込んだ装置を外部に発注するときに、仕様書と注文書に何を書き、受け取るときに何を確かめるかを扱う。シリンダそのものの設計計算や、油圧回路の組み方の手順は扱わない。
油圧シリンダは、カタログの型式で買うことも、仕様を渡して作ってもらうこともある。どちらの場合でも、型式や呼び方に入っていない条件が多い部品である。JIS には油圧シリンダの取付寸法を決める規格群(JIS B 8367)と、油圧システム全体の安全要求を決める規格(JIS B 8361)がある。前者で「形と寸法」を、後者で「使い方と確かめ方」をそろえる、と考えると整理しやすい。
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JIS B 8367 の呼び方で決まること
JIS B 8367-1 は、片ロッド・16 MPa シリーズ・丸カバー形で、溶接フランジ式とねじ込みフランジ式の汎用シリンダ(内径 25〜500 mm)の取付寸法を定める[2]。角カバー形でタイロッド締付式のシリンダ(内径 25〜200 mm)は JIS B 8367-2 が受け持つ[3]。どちらも ISO 6020 シリーズを基にした規格である[2][3]。
JIS B 8367-1 の製品の呼び方は、規格番号・シリンダ内径・ピストンロッド径・取付形式記号・ストロークの長さを並べる。規格の例は「JIS B 8367-1-63-45-MP3-200」で、内径 63 mm、ロッド径 45 mm、キャップアイ取付形式、ストローク 200 mm を表す[2]。内径は 25、32、40、50、63、80、100、125、160、200、250、320、400、500 mm の中から選ぶ[2]。内径とロッド径の組合せと面積比は JIS B 8366-1 が定めている[4]。JIS B 8367-1 は、ロッドとシリンダの面積比が 1/2 になるロッドを「A」、約 1/3.2 になるロッドを「B」と記号で区別している[2]。
取付形式の記号は JIS B 8366-5 によるもので、JIS B 8367-1 は、軸直角方向フート取付(MS2)、ロッド側・キャップ側の長方形フランジ(MF1・MF2)、丸形フランジ(MF3・MF4)、キャップアイ(MP3)、キャップスフェリカルアイ(MP5)、中間トラニオン(MT4)などを挙げている[2]。ロッド先端のねじは「おねじ-肩当たり形状」を基本とし、ねじの公差域クラスはおねじ 6g、めねじ 6H とされている[2]。ねじの公差域クラスの読み方はねじの公差域クラスの指定で扱った。
呼び方で決まらないこと
JIS B 8367-1 の注記は、この規格は取付寸法を規定するもので、定格圧力に基づいた性能や、技術の発展を阻害するおそれのある構造・特性は規定していない、と明記している[2]。「16 MPa シリーズ」は取付寸法の系列の名前であって、規格がそのシリンダの耐圧や寿命を保証するという意味ではない。仕様書に書く項目を、呼び方で決まるものと決まらないものに分けると次のようになる。
| 項目 | JIS B 8367 の呼び方で決まるか | 仕様書での書き方(例) |
|---|---|---|
| 内径・ロッド径 | 決まる | 呼び方に入れる(例 63-45) |
| 取付形式 | 決まる | 記号で書く(例 MP3) |
| ストローク | 長さは決まる。許容差は表による | 1,250 mm 以下は+2/0 mm(B 8367-1) |
| 使用圧力・圧力のピーク | 決まらない | 常用と最高の値、ピークの見込み |
| 負荷のかかり方 | 決まらない | 最大負荷、押しか引きか、横荷重の有無 |
| 作動油・温度 | 決まらない | 油の種類、使用温度範囲 |
| シール材・ロッドの表面処理 | 決まらない | 作動油と環境に合う材料、めっきの厚さ |
| ポートのねじ | 記号で選ぶ(表 2・表 3) | ねじの規格を記号で書き、配管側とそろえる |
| 作動油の清浄度 | 決まらない | JIS B 9933 のコードで書く(例 コード ○/○/○) |
ストロークの許容差
JIS B 8367-1 の表 10 は、ストロークの許容差を、ストローク 1,250 mm 以下で+2/0 mm、1,250 mm を超え 3,150 mm 以下で+5/0 mm、3,150 mm を超え 8,000 mm 以下で+8/0 mm としている[2]。マイナス側は 0 で、短くなる方には許容されていない。タイロッド締付式の JIS B 8367-2 は、ストロークが 1,250 mm を超える場合の許容差を受渡当事者間の協定によるとしている[3]。長いストロークのタイロッド形を発注するときは、許容差を注文書に書いておく。JIS B 8361 も、関連する国際規格で指定していない場合はストローク長さとその公差を指定しなければならないとし、公差は JIS B 8367 規格群によるとしている[1]。
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定格圧力と、取付部が力を伝える能力は別物
油圧システムの安全要求を定める JIS B 8361(ISO 4413 に基づく)は、シリンダについて次のことを求めている[1]。
1. 座屈
ピストンロッドがどの位置にあっても、曲がりや座屈が生じないように、ストローク長・荷重・取付方法に注意を払う(5.4.2.1)。
2. 寸法決定
予測される最大負荷と圧力ピークを考慮する(5.4.2.2)。
3. 取付定格
全ての負荷定格は取付形式を考慮したものでなければならない。注記で、シリンダの定格圧力は圧力容器内の圧力特性だけを表すもので、取付形状の力の伝達能力を表していない、としている(5.4.2.3)。
4. 構造上受ける負荷
運転中に機械の動きを止めるようにシリンダを使う場合は、機械部材を無理に止めることで生じる最大負荷を基準に大きさを決め、取付方法を選ぶ(5.4.2.4)。
5. 取付けと芯合わせ
負荷の反力がシリンダの中心線に沿って生じるように取り付けることが望ましく、横荷重や曲げ荷重の発生を最小にする(5.4.2.7)。フート取付形のシリンダでは取付ボルトにせん断力が作用する場合があり、懸念があればせん断荷重を吸収する手段を考える(5.4.2.9)。
購買の立場で言い換えると、「16 MPa シリーズ」「定格圧力 ○ MPa」が同じシリンダでも、取付形式が違えば支えられる力は同じではない。仕入先に型式を提案してもらうときは、圧力だけでなく、最大負荷・ストローク・取付形式・取付けの向き(縦・横)をそろえて渡す。ストロークの長いシリンダで押し方向に使うなら、座屈の検討を誰がしたかを確かめる。ロッドの曲がりそのものの指定は、同じ束のシャフトの真直度の指定で扱う。
面積差による圧力の増幅
JIS B 8361 は、ピストンの面積差によって定格圧力の制限を超える意図しない圧力が発生しない手段を、システム内に設けなければならないとしている(5.4.2.6)[1]。片ロッドのシリンダはキャップ側とロッド側で受圧面積が違うので、回路の組み方によってはロッド側に供給圧より高い圧力がかかることがある。これはシリンダ単体の型式選定では見えない。シリンダだけを買って回路を自社で組む場合は、回路の設計側でこの手段を確かめる。シリンダを組み込んだ装置として発注する場合は、仕入先の回路図で確かめる。
ポートのねじ、シール、ロッド
JIS B 8361 は、システム内のポート・スタッド・管継手に標準シリーズを使い、種類を最少にすることを望ましいとしている。注記では、異なる種類のねじポート接続(G ねじ、メートルねじ、UN ねじなど)が混同して使われると、油漏れと接続システムの重大な故障を生じるおそれがあるとしている[1]。シリンダのポートの記号とねじの規格は JIS B 8367-1 の表 2・表 3 にあるので[2]、注文書にはポートの記号を書き、配管・ホース側の継手と同じ規格かを確かめる。ホースと継手の指定は油圧ホースの発注で扱った。
シールと密封装置の材料は、使用する作動液、隣接する材料、作動条件、環境に適合するものでなければならない(5.3.2.6.1)[1]。作動油を鉱物油から難燃性の作動液に替える計画があるなら、それを仕様書に書く。オイルシールのゴム材料の考え方はオイルシールの発注を参照してほしい。
ピストンロッドの材質と表面処理は、摩耗・腐食・予測される衝撃損傷を最小にするように選び、打痕・きず・腐食から保護することが望ましいとされる。ロッド端にねじを切ったロッドには、スパナ掛けのような反力をとる機構を設ける(ロッド径が小さすぎる場合を除く)[1]。ロッドに硬質クロムめっきをかける場合の厚さと粗さの指定はクロムめっきの指定で扱った。塗装するときは、ピストンロッドのような塗装してはならない領域にカバーをし、塗装後に取り除く(5.3.3.2)[1]。外装の塗装を別の業者に出す場合は、この指示がそこまで伝わるかを確かめる。
作動油の清浄度は JIS B 9933 のコードで書く
「作動油はきれいなものを使うこと」では、仕入先は何も判断できない。JIS B 9933(ISO 4406:2021 に基づく)は、作動油中の固体微粒子の数を三つのスケール番号で表すコードを定めている。自動粒子計数器を使う場合、1 番目は 1 mL 中の 4 μm(c) 以上、2 番目は 6 μm(c) 以上、3 番目は 14 μm(c) 以上の粒子数に対応する[5]。例えば 22/18/13 は、4 μm(c) 以上が 20,000 を超え 40,000 以下、6 μm(c) 以上が 1,300 を超え 2,500 以下、14 μm(c) 以上が 40 を超え 80 以下であることを示す[5]。スケール番号が一つ増えると、粒子数はおよそ 2 倍になる[5]。
注意したいのは、古い仕様書の数字との関係である。JIS B 9933 の初版(2000 年)は 5 μm 以上と 15 μm 以上の二つの粒子径でコードを表していた。現行版は自動粒子計数器の校正方法が変わったことで 4・6・14 μm(c) の三つを使い、6 μm(c) と 14 μm(c) が初版の 5 μm と 15 μm に等しい、としている[5]。社内の仕様書に「○/○」の二つの数字しか無ければ、どちらの版の数え方かを確かめてから仕入先に渡す。
JIS B 8361 は、作動油の清浄状態を調べられるように、代表的な試料を採取する手段を備えることを望ましいとし、高圧管路にサンプリング弁を設けるなら、高圧油の噴出の危険を警告するラベルを付け、保護カバーをしておくとしている[1]。油圧ユニットごと発注するなら、採取口の位置と、出荷前に測った清浄度の記録をもらうかどうかを決めておく。
止まっているシリンダを安全と思わない
油圧シリンダは、ポンプを止めても圧力や荷重を保持していることがある。JIS B 8361 は、産業機械のシステムは予期しない起動を防止するために蓄圧エネルギー源を積極的に遮断し、システム内の圧力を容易に抜けるように設計しなければならないとし、方法の例として、遮断弁を閉じて機械的にロックし圧力を抜くこと、電源を遮断することを挙げている(5.4.7.2.1)[1]。制御システムが故障したときにアクチュエータが位置を保持するか安全な位置に移る必要がある場合は、それができるバルブ(スプリングリターン、デテント付きなど)で制御する(5.4.7.3.7)[1]。
購買の場面でここが問題になるのは、シリンダの交換や修理を外注するときである。持ち上げた荷重の下でシリンダや配管を外す作業を、圧力を抜き荷重を機械的に支える手順なしに行わせてはならない。装置として発注する場合は、JIS B 8361 が保守資料に含めるよう求める「全ての必要な減圧手段の説明、及び通常のベントによって減圧されない箇所」(7.3.1.1 f)[1]が取扱説明書に入っているかを、受入のときに確かめる。アキュムレータを組み込んだシステムには、機械に据え付けたときにアキュムレータの警告ラベルが見えない場合、「注意-アキュムレータ付きシステム」という追加ラベルを見える位置に付ける(7.3.2.1.1)[1]。
受渡検査は JIS B 8377-2 で呼べる
油圧シリンダの受渡検査には JIS B 8377-2(ISO 10100:2020 に基づく。2024 年改正)がある[6]。検査は、全てのシリンダに必須の「モジュール L-漏れの基本検査」と、使用者から要求があったときに行う任意の「モジュール P-ピストンシール漏れ(内部漏れ)検査」に分かれている[6]。
モジュール L の中身は二つある[6]。
1. 低圧による作動及び漏れ検査
内径が 32 mm を超える場合は 0.5 MPa、32 mm 以下の場合は 1 MPa に検査圧力を設定し、3 回以上往復させ、ストロークの両端で最小 10 秒間止める。動きの異常が無いこと、ストローク、ロッド表面の油膜が油の滴下を起こす量でないこと、固定シール部・クッション調整ねじ・溶接部から漏れが無いことなどを目視で確かめる。
2. 耐圧・外部漏れ検査
ロッドが出きった状態と入りきった状態で、定格圧力または要求される運転圧力の 1.5 倍の圧力を加え、それぞれ 10 秒間保持し、部品の緩み・変形と、固定シール部などからの漏れが無いことを確かめる。
検査に使う作動油の汚染度は JIS B 9933 のコード -/18/15 または 20/18/15 以下とし、サーボ弁や汚染に敏感なシール要素を備えたシリンダでは -/13/10 または 15/13/10 とされている。検査中の油温は 35〜55 ℃ である[6]。検査の前には、型式、ポートの種類・大きさ・位置、ストローク、銘板、内径、ロッド径、ロッドの出ている長さと先端形状、取付形式などを記録する[6]。適合を試験報告書に書く場合は「モジュール L に適合する」または「モジュール L 及び P に適合する」の文言を使う[6]。耐圧の 1.5 倍の基準を定格圧力にするか運転圧力にするかで試験の圧力が変わるので、注文書ではどちらで試験するかを書く。
受け入れるときに確かめること
JIS B 8361 の箇条 6 は、油圧システムの受入検査で、機器の識別が仕様と一致すること、接続が回路図と一致すること、安全機器を含めて正しく機能すること、油漏れが無いことを検証するとしている。漏れについては、複数サイクル後のシリンダロッド表面を薄く覆う程度の油滴は除く、としている[1]。油圧システムは完成した機械でない場合があるので、機能テストは機械の組立後に供給者と購入者の取決めで行う、とも書かれている[1]。どこまでを仕入先の工場で、どこからを据付け後に確かめるかは、注文時に決めておく。
機器の表示については、供給者は可能な場合、製造業者名または商標、製品識別、定格圧力、JIS B 0125-1 に基づく図記号を明瞭かつ恒久的な方法で表示しなければならない、とされる(7.4.1.1)[1]。銘板そのものの作り方は、同じ束の銘板(ネームプレート)の発注で扱う。
シリンダ単体で受け入れる場合は、次の順に見る。
1. 呼び方と現品
内径・ロッド径・取付形式・ストロークが注文どおりか。取付寸法が JIS B 8367 に準拠すると書くなら、規格が定める準拠表示の文言(「取付寸法は,JIS B 8367-1〔…〕に準拠する」)で書かれているか[2]。
2. ストローク
許容差の範囲に入っているか。マイナス側は 0 である。
3. 表示と書類
製造業者名、型式、定格圧力の表示。受渡検査の報告書で、どのモジュールに適合したか、耐圧検査の圧力が何を基準にしたか。
4. 開口部の保護
JIS B 8361 は、輸送中はチューブ・ホースなどの開口部を密封するか清浄な密閉容器に入れ、おねじ部も保護するとしている(5.3.4.3)[1]。ポートの栓が外れていたり、ロッドに打痕があったりしないか。
注文書の書き方の例
決まった様式は無い。発注側として書いておきたい内容を一つの例にまとめる。
「油圧シリンダ JIS B 8367-1-63-45-MP3-200(取付寸法は JIS B 8367-1 に準拠)。常用圧力 ○ MPa、最高使用圧力 ○ MPa、圧力ピークの見込み ○ MPa。最大負荷 ○ kN(押し方向)、取付けは水平。作動油 ○○(使用温度 ○〜○ ℃)。ポートは JIS B 8367-1 表 2 の記号 ○。ロッドの表面処理は ○○、厚さ ○ μm 以上。出荷時の作動油の清浄度の目標 JIS B 9933 コード ○/○/○。座屈の検討結果を提出すること。受渡検査は JIS B 8377-2 のモジュール L(耐圧検査の圧力は定格圧力の 1.5 倍)およびモジュール P により行い、試験報告書を添付すること。設計・材料・シール材の変更は事前承認を要する。」
よくある質問
「16 MPa シリーズ」なら 16 MPa まで使えると考えてよいですか
JIS B 8367 は取付寸法を定める規格で、定格圧力に基づく性能は規定していない[2]。使える圧力は、そのシリンダの製造業者が示す定格で確かめる。さらに、定格圧力は取付部が力を伝える能力を表さない[1]ので、取付形式と負荷の条件も合わせて確かめる。
丸カバー形とタイロッド形はどう違いますか
JIS では、丸カバー形の溶接フランジ式・ねじ込みフランジ式(内径 25〜500 mm)が JIS B 8367-1、角カバー形でタイロッド締付式(内径 25〜200 mm)が JIS B 8367-2 である[2][3]。取付寸法の互換性を求めるなら、どちらの規格に準拠するかを注文書に書く。
ストロークを少し長めに作ってもらってよいですか
JIS B 8367-1 の許容差はプラス側だけで、ストローク 1,250 mm 以下なら+2/0 mm である[2]。それを超えて長くするのは別の仕様になる。機械側のストッパで止めるつもりなら、JIS B 8361 が求めるように、運転中に動きを止める使い方として最大負荷を見込む必要がある[1]。
作動油の清浄度は、どの数字を指定すればよいですか
求める清浄度は、システムに使う機器(特にサーボ弁や比例弁)の製造業者の仕様で決まる。JIS B 8361 も、サーボ弁や比例弁を使うシステムは運転前に作動液を製造業者の仕様範囲内の清浄度に達するまで洗浄することを望ましいとしている[1]。決めた値を JIS B 9933 のコードで書き、測った記録を求める[5]。
まとめ
油圧シリンダの取付寸法は JIS B 8367 の呼び方で内径・ロッド径・取付形式・ストロークまで決まるが、この規格は性能や構造を規定していない。使用圧力と圧力のピーク、最大負荷、取付けの向き、作動油と温度、シール材、ロッドの表面処理、ポートのねじ、清浄度は、呼び方とは別に書く。JIS B 8361 は、定格圧力は取付部の力の伝達能力を表さないとし、座屈・取付定格・横荷重・面積差による圧力の増幅への配慮を求めている。止まっているシリンダも圧力や荷重を抱えていることがあるので、減圧手段の説明が取扱説明書にあるかを受入で確かめる。ストロークの許容差は JIS B 8367-1 ならストローク 1,250 mm 以下で+2/0 mm、清浄度は JIS B 9933 のコードで数字にして渡す。受渡検査は JIS B 8377-2 のモジュール L(必須の漏れの基本検査)と、要求したときに行うモジュール P(内部漏れ)で呼べる。
同じ束では、制御盤の製作を外注するとき、シャフトの真直度の指定、銘板(ネームプレート)の発注、はんだ JIS Z 3282 の指定も扱う。
出典・参考資料
- JIS B 8361:2013 油圧-システム及びその機器の一般規則及び安全要求事項(日本産業標準調査会 JIS 検索で閲覧/2013 年 5 月 20 日改正・2023 年 10 月 20 日確認)
- JIS B 8367-1:2009 油圧シリンダ取付寸法-第 1 部:片ロッド-16 MPa シリーズ-丸カバー形-溶接フランジ式及びねじ込みフランジ式(内径 25 mm~500 mm)(日本産業標準調査会 JIS 検索で閲覧/2009 年 11 月 20 日改正・2024 年 10 月 21 日確認)
- JIS B 8367-2:2009 油圧シリンダ取付寸法-第 2 部:片ロッド-16 MPa シリーズ-角カバー形-タイロッド締付式(内径 25 mm~200 mm)(日本産業標準調査会 JIS 検索で閲覧/2009 年 11 月 20 日改正・2024 年 10 月 21 日確認)
- JIS B 8366-1:2018 油圧・空気圧システム及び機器-シリンダ-構成要素及び識別記号-第 1 部:シリンダ内径及びピストンロッド径並びにこれらの面積比(日本産業標準調査会 JIS 検索で閲覧)
- JIS B 9933:2023 油圧-作動油-固体微粒子に関する汚染度のコード表示(日本産業標準調査会 JIS 検索で閲覧/2023 年 8 月 21 日改正)
- JIS B 8377-2:2024 油圧・空気圧システム及び機器-シリンダの試験・検査-第 2 部:油圧シリンダ受渡検査(日本産業標準調査会 JIS 検索で閲覧/2024 年 1 月 22 日改正)
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